「マーケターはSF作家になろう」石山 洸氏が語る、AI利活用時代に求められるマーケターの役割 #AI・人工知能EXPO
マーケターに必要となる4つの「S」
AI活用のための3つのプロセスを踏まえた上で、効果的なマーケティング施策を行うために、具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか。
石山 氏は、既存のフレームワークにとらわれない「SF作家」になるまでに、4つの「S」のプロセスが必要であるといいます。
1.SENSE(取材)
1つ目の「S」は、「SENSE(取材)」です。
AIは、集めたデータの学習や分析はできるものの、そのデータの中にどのような社会的課題が隠されているのかを把握することはできません。
そのため、データを扱うマーケターには、データの中にどのような課題が隠されているのか能動的に見つける力が必要です。
「ジャーナリストが情報の中から課題や意味を見出すように、ユーザーの課題やニーズ・ウォンツを見つけ出すことが求められるでしょう。(石山 氏)」
2.SF(物語)
2つ目の「S」は、「SF(物語)」です。
これまでに実現していなかったもの(SF)を創り出すためには、ただ自分の中でイメージするだけでは形になりません。周囲も巻き込み、実現までの可能性を見出す必要があります。
石山 氏は、AI活用によって、周囲にもSFを実現させる期待を持たせられるのではないかと考えています。
「例えば、『介護の問題を解決したい!』と言っただけではなかなか注目されませんが、『AIで(介護の)問題を解決したい!』と言うと注目されやすい。“AI”という言葉は、『困難な課題でも解決できそう!』という期待を持たせてくれる響きをもっているんです。(石山 氏)」
3.SHARE(発信)
3つ目の「S」は、「SHARE(発信)」です。
「1.SENSE」で見つけた課題を解決するために描いた「2.SF」の物語は、FacebookなどのSNSを使い、積極的に発信していきましょう。
SNSは元々は個人間のコミュニケーションサービスでしたが、今では企業も公式アカウントや公式ページを作り、BtoB領域とも強く結びついてきています。
インターネット上で広く発信することで、自社にないノウハウや資金、人材の調達も可能になります。
4.SHIFT(実現)
4つ目の「S」は、「SHIFT(実現)」です。
AIは、特定の技術でも様々な領域に広く活用できます。
例えば、AIの画像認識技術は建設業では建設現場、製造業では製品の問題を見つけ出す際に活用されています。さらにスポーツ業界では、プロスポーツ選手の身体の動きをAIに学習させ、初心者の動きに対して的確にフィードバックすることも可能です。
「SHAREすることで集まった様々な人の能力や理想、想いを相互に尊重しながら新しい施策を実現していくことで、AIの活用領域はもっと広がっていくはずです。(石山 氏)」
まとめ
今後は「価格」「流通」「製品」「販売促進」の「4P」にAIやデータを活用することで、石山 氏が提唱する「5P」のような、効率的・効果的なマーケティング施策が求められるようになるでしょう。
それにより、データを分析し、運用するといった業務はこれから自動化されていくはずです。しかし、それでマーケターの仕事が減ってしまうことはありません。
AIの役割が新しく生まれてくる中で、マーケターの役割は意味を変え、創造的になってくるはずです。既存の手法や施策を踏襲するだけでなく、今あるデータをどのように活用することで、どのような成果を生み出せるのか、柔軟に考えていく力も求められてくるでしょう。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- フレームワーク
- フレームワークとは、アプリケーションソフトを開発する際によく必要をされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのことです。 元々は枠組み、下部構想、構造、組織という意味の英単語です。アプリケーションのひな形であり、これを開発に利用することで、大幅な効率の向上が見込めます。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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