2月16~17日の2日間、東京ビッグサイトにて、マーケティング関連企業とマーケティングツール導入を検討する企業をマッチングさせるためのイベント「マーケティングテクノロジーフェア2016」が開催されました。
当日は多くの企業がブース出展し、著名人による講演・セミナーも随時開催されました。

今回は、マーケティングテクノロジーフェア内で開催された、アクセス解析の第一人者である小川卓氏による、新しいKPI設計手法「コンセプトダイアグラム」についての講演の様子をお届けします。

コンセプトダイアグラムとは何なのか、これまでの方法とは何が違うのかをステップにわけて解説されています。

講師紹介

小川 卓氏

ウェブアナリストとしてマイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパンで勤務。現在はフリー。解析ツールの導入・運用・教育、ゴールとKPI設計、施策の実施と評価、継続的なPDCA活動に従事。
個人として、ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地で講演を年間40回以上実施。主な著書に「ウェブ分析論:増補改訂版」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」など。アナリティクスアソシエーション プログラム委員・デジタルハリウッド大学大学院准教授・株式会社UNCOVER TRUTH CAO・Faber Company CAO・サイコス株式会社 エグゼクティブディレクター。

※CAO = Chief Analytics Officer

ユーザーを考慮しないKPIは無意味

セッション数とか滞在時間とか、1セッションあたりの平均PVとかCV率とか、新規の割合とか色々見る項目はあります。
でもたまたまそれらの数値を取れる解析ツールがあるから取っている、というのはあると思います。

例えば、直帰率。1ページだけ見て出ていってしまう割合を76%から65%に改善しました。
UIを改善してリンクもいれました。滞在時間も改善しました。
でも、だから何だ、というところなんです。つまり、滞在時間が伸びることはユーザーにとって本当に良いことなのか、というところはしっかり考えないといけないと思います。

例えばTOPページの場合は滞在時間短い方が良いんですよね。
TOPページの滞在時間が長い場合は、ユーザーが目的のコンテンツを見つけられず迷っているということなんです。一覧ページに長くいる場合も同様ですね。
「長いから良さそう」ということで数値を設定してしまっている場合、ビジネスのゴールに繋がるかどうか、ユーザーの為になっているのかどうかを考えみるのが、スタート地点です。

改善することで顧客の体験を変えるような数字を設定すること、そしてその数字が企業のゴールにつながっているかどうかが重要です。
ユーザー視点、企業視点どちらも持たなければいけません。

今までたまたま取れている数字をKPIに設定するのではなく、新しいKPIを設計していこう、そしてそれを実現する手法の一つがコンセプトダイアグラムです。

コンセプトダイアグラムとは「ユーザー体験を見える化」すること

コンセプトダイアグラムとは、ユーザーの行動、気持ちの変化を図解した、計測可能なアウトプット群を指します。いわゆるカスタマージャーニーと違うのは、ユーザー視点で考えて描くこと、そして数値化してアクセス解析ツールでトラッキング出来る状態にし、改善に活かしていくという点ですね。