これまで特にクリエイティブな発想やマーケティング的な考え方は、感覚(センス)が優れている人が良いという傾向があったかもしれません。

実は、基礎的な部分をしっかりと押さえられれば、あとは学校で習うように応用を加えて行くだけで、感覚だけに頼らず自分自身のスキルとして身につけられます。

コンセプトメイキングが重要な点に関しては前回の記事で、

いくらポジション分析が優秀で優れたものだったとしても、そこから独自性を見出して上手く表現できなければ、ただのリサーチとして終わってしまう

という事を説明させていただきました。

ただ、これはあくまでポジショニング分析を中心に見た、コンセプトメイキングの話で基本的な考え方を分かった時点での応用的な発想です。この応用の話を理解するためには、そもそもコンセプトメイキングの基礎的な話を理解する事が非常に大切です。

今回は、3つのポイントからコンセプトメイキングの基礎についてお伝えしたいと思います。

▽前回の記事はこちら▽
ブランド戦略に必須!自社のポジションを軸にしたコンセプトメイキング|ferret [フェレット]

1. コンセプトメイキングの基礎的考え方がなぜ大切なのか?

まずは基礎的な考え方が大切な理由に関して話をさせて頂きます。中には基礎をすぐに理解して、応用まで行く事ができる人も少なからずいるかもしれません。

しかし、基礎を押さえた上で応用につなげることで、自分自身の現在の理解度合いを把握する事ができ、段階に合わせて自分自身で改善できるようになります。

例えば、自分自身でビジネスをする際に単純な計算を基礎的な知識として押さえておく事は「お金の管理」だけでなく、「お金の増やし方」にも重要な役割を持つはずです。

さらに、途中で道を外れてしまっていても基礎的な考え方が自分の中に備わっていれば、今現在地がどこで、どのようにすれば間違ったルートから戻る事ができるのかという事も瞬時に判断できるようになります。

まさに基礎を知る、理解するというのは自分自身のレールを敷いて行く上で必要な作業の一つです。

2. コンセプトメイキングの基礎を学ぶ前に

コンセプトメイキングの基礎を学ぶ上で個人的に意識しているのが「考え方」です。コンセプト自体を組み立てて行く際に重要なのが、掛け算の発想なのですが日々様々なことにアンテナを張っているだけで、掛け算の幅が自然と広がっていきます。

例えば、下記のように普段何気なく利用しているものに関心を持つことです。

  • 普段の通勤列車で利用する駅のホームに踏むことで発電する装置を設置して駅の電力をまかなう
  • 横断歩道を電子化して、信号の変わりについたり消えたりすることで歩行者のデータを取れるようにする

というように、新しい技術や商品と組み合わせるような事を意識するだけでも発想の幅が広がっていきます。

発想が広がることで今まで悩んでいたアイデアのコンセプトをゼロから作り出すのではなく、疑問や発見の組み合わせでどんどん生み出す事ができます。

さらに、アイデアを生み出せるだけでなく、自分自身が新しい事や身の回りのことに関心を持つ事もできるようになります。まるで「アイデアの発想が自動化」するように普段の生活の中に新たな気づきがどんどん生まれてくるようになります。

このように、まずコンセプトをゼロから生み出すという発想ではなく、コンセプトは今あるものの掛け算の中で十分新しいものが生まれるという発想を事前に理解して行動に移して行く事が大切と言えます。

3. コンセプトメイキングを意識付けるために

何事も自分の中で意識する事は継続して何かを行なって行く上では非常に重要です。特にコンセプトのタネになるようなアイデアは自分の身の回り、もしくは他人との会話の中に潜んでいる事が多いです。

自分1人で何かを生み出そうとしても、アイデアの幅が自分の視野、経験のみに限られてしまいます。一方で、他人のアイデアや経験、考え方を自分の経験と組み合わせれば、全く新しいものを生み出す事に繋がります。

特に人との会話は新しい発見を生み出す上で非常に重要です。そして、人と話をする際に自分の話ばかりするのではなく、相手が何故それを考え、たどり着いたのか、そして自分の持っているアイデアと組み合わせればどのような新しい事が生み出せるのかを意識するようにして下さい。

すると、ただの会話ではなくアイデアを広げる場として会話を活用できるようになります。自分にも、相手にとっても非常に有意義な時間になるはずです。

こういった少しの変化を意識して続けて行く事でコンセプトのタネとなるアイデアの引き出しを増やして行く事ができるようになります。

まとめ

アイデアというものはふと何かの発見が天から降りてくるというよりも、日々の自分の行動や意識によって、ただのアイデアになるのか、はたまたコンセプトのタネになるのかが大きく変わってきます。

意識づけを日々繰り返して行くことによって、アイデアの引き出しが徐々に増えていき、いざ何か新しいコンセプトを生み出したいとなった際に組み合わせにも幅をつけられるようになります。

コンセプトメイキング自体は様々な書籍や動画など皆さんの身の回りのコンテンツで学べますが、そこにオリジナリティや独自性を加えて行くためには自分自身の日々の関心と心がけが重要です。

そのためには、沢山の人とコミュニケーションを取るだけでなく、自分と違う世界の人たちと接する機会を増やしましょう。今まで自分だけでは見つからなかったアイデアに触れる事もできます。

さらにタネを蓄積する事によってそのタネの数自体が自分自身の価値にもなります。

コンセプトメイキングに関して考える前にまずは基礎的な考え方を押さえておきましょう。