インフルエンサー(Influencer)」とは、影響・効果・勢力の意味で、社会に対して大きな影響力を持つ人物のことを指します。

ネット上では、SNSなどを通じて他の消費者の購買行動に大きな影響力を持つキーパーソンのことを指します。わかりやすい例として、影響力や好感度の高いタレントや著名人、各分野の専門家、著名なブロガーやSNS投稿者がインフルエンサーとして認識されています。そうしたインフルエンサーはSNSでのフォロワーが非常に多く、インターネットを通じて多くの人に対してアプローチできるのも特徴です。

目次

  1. インフルエンサーが注目される理由
  2. インフルエンサーの種類
  3. SNSとインフルエンサー
  4. フォロワーが多ければ成果に繋がるわけではない
  5. インフルエンサーと切り離せないステマ問題
  6. ステマとPRの分かれ道は「金銭のやりとりが発生しているかどうか」
  7. インフルエンサーの使いかた

インフルエンサーが注目される理由

近年のSNSなどの消費者主導のメディア(CGM)や口コミ系サイトの普及に伴い、企業が発信する商品情報に対して、一般消費者または消費者の立場に立って発信される情報の信頼度が上がりました。それに伴いインフルエンサーが発信する情報は、一般消費者の消費行動に対する影響力が大きなものになってきました。

そのような状況で商品のマーケティングを行う場合、インフルエンサーの存在は無視できないものとなり、むしろ積極的に活用しようという動きがあります。「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれる手法は、インフルエンサーに対して積極的に商品の評価や話題提供ができる機会を与えて、その影響力をマーケティングに活用しようとするものです。

インフルエンサーの種類

インフルエンサーの中にもフォロワーの規模に応じて以下のような種別があり、それぞれフォロワーに対しての影響度などの違いがあります。

  • 著名人:10万人以上のフォロワー
  • ナノインフルエンサー :1万〜10万人のフォロワー
  • マイクロインフルエンサー:数千人〜1万人のフォロワー

著名人を活用することで幅広い層への訴求が可能となる一方で、ニッチな商材や領域ではマイクロインフルエンサーを活用してより強い訴求が可能となるなど、それぞれの段階に応じた活用法があります。

SNSとインフルエンサー

かつては「影響力のある人物=テレビに出演している有名人」が一般的な図式でしたが、最近はテレビではなく、ブログやSNSを通じて情報を発信し大きな影響力を持つ人が増えています。

影響力を持つSNSはひとつではなく、FacebookやTwitter、Instagram、YouTube、TikTokなど、複数存在します。

活躍するSNSの種類によって、

Instagramのインフルエンサー:インスタグラマー
YouTubeのインフルエンサー:YouTuber(ユーチューバー)
TikTokのインフルエンサー:TikToker(ティックトッカー)

など、インフルエンサーの呼び名が変わることがあります。

それぞれのインフルエンサーは各SNSごとに多くのフォロワーを抱えています。

フォロワーが多ければ成果に繋がるわけではない

前述したように、インフルエンサーはSNSでたくさんのフォロワーを獲得していることが多いです。しかし、フォロワー数が多いからといって必ずしも売上につながるわけではありません。

例えば、女性向けのエイジングケア化粧品を売り込むときに、10代がメインのファン層であるインフルエンサーを起用しても高い効果は見込めないでしょう。そのインフルエンサーのフォロワーはどのような属性のユーザーが多いのか、インフルエンサーはどのような情報を発信しているのかを見極める必要があります。インフルエンサーは「規模」ではなく、「自社との適合性」で選択するようにしましょう。

インフルエンサーと切り離せないステマ問題

「ステマ(ステルスマーケティング)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「ステルス (stealth) 」とは「隠蔽」「こっそり行う」という意味で、「ステマ」とは「広告表示無しで有料のプロモーションを行うこと」を意味します。

芸能人が自身のSNSやブログで企業から依頼されたことを隠して商品紹介をしたり、PR表記無しでメディアに記事広告を出稿したりと言った、ユーザーを騙すような行為が一時期横行しました。

ネイティブ広告(媒体に掲載している記事と同じ形式で配信する広告)とステマを混同するような流れもありましたが、2015年、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)によってネイティブ広告のガイドラインが明確になり、現在はステマを行うメディアは減りつつあります。

参考:ネイティブ広告に関する推奨規定

しかし未だに意図的にステマコンテンツを発信する企業やメディアはあり、インフルエンサーマーケティングにおいても横行している状態と推測されます。そもそもステマの定義が理解されていない部分もあり完全になくなることはまだ難しいでしょう。

ステマまではいかないものの、インフルエンサーに商品紹介を強要する悪質な企業も少なくないようです。
本来であれば対等な立場であるはずの企業とインフルエンサーの関係を崩すような行為は、インフルエンサーマーケティング全体に悪影響を及ぼすでしょう。企業のモラルある行動が求められます。

参考:インスタハラスメント”を通して、インフルエンサーマーケティングを考える | AdverTimes(アドタイ)

ステマとPRの分かれ道は「金銭のやりとりが発生しているかどうか」

ステマとは「広告であることを隠して宣伝活動を行うこと」です。
広告」とは、企業が媒体(またはインフルエンサー)に広告費を支払って掲載するものです。

そのため、インフルエンサーになり得るユーザーに対し、金銭を支払って商品紹介を依頼し、PR表記無しで紹介された場合はステルスマーケティングに該当します。

一方、インフルエンサーに自社商品を提供し、*商品を紹介するかどうかをインフルエンサー自身の判断に任せるのは広報・PRの一環となるため、ステルスマーケティングにはあたりません。

インフルエンサーの使いかた

「インフルエンサーの存在は、今のインターネット上でのマーケティングでは無視できない存在だよね」
「インフルエンサーの影響力を過大視しすぎても危険なところがあるよ」
「インフルエンサーマーケティングも、やり方を間違うと"やらせ"と取られてしまうから注意が必要だね」

もっとインフルエンサーを理解する

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