2020年の東京オリンピックに向けて、街の多言語対応表示が増えてきました。

海外向けのWebサイトを持たない企業や個人商店は、この機会に多言語対応サイトを作っておくと、今後の集客の流れも変わってくるのではないでしょうか。

とはいえ多言語対応サイトを作る際、「Webサイト全体をただ別言語に翻訳するだけ」というのはおすすめできません。それではどのようなポイントに気をつけて、多言語対応サイトを制作すれば良いのでしょうか。

今回は、多言語対応サイトを作る際に注意したいUI/UXを紹介します。

文化の違いを考慮する

多言語対応サイトを作る前に覚えておきたいことがひとつあります。

日本人と外国人では、文化の違いがあるということです。

例えば「銭湯」を例に考えて見ましょう。
日本人ならば、銭湯の入り方を親やまわりの大人から教えてもらい、自然と身に着けてきました。しかし銭湯文化のない国の方には、「体の汚れを落としてから入る」などの、基本的なルールもわからない場合があります。

そのため、銭湯やガイドブックなどでは外国人観光客向けに、銭湯の入り方などをわかりやすく解説しています。

Webサイトにも、銭湯のような「外国人の方が戸惑わないための配慮」があると良いでしょう。

外国人が見やすいサイトとは?

外国人向けWebサイトを検討するならば、冒頭の「銭湯」事例のように外国人に伝わりやすく、実際に足を運んでもらえる内容にしたいものです。

では、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

多言語対応Webサイトを作る際、既存の日本人向けWebサイトをそのまま翻訳させることも可能です。しかしできることならば、外国人向けの専用サイトを作った方が良いでしょう。

「銭湯」の事例にもあるように、日本人にとって当たり前のことでも、外国人にはわからないことがあるからです。

またGoogleでも、「各言語のバージョンに異なるURLを使用する」ことをすすめています。とくに「Cookieやブラウザの設定を使用してページ上のコンテンツの言語を調整する方法はおすすめしません」とも明記されているのです。

Google対策の観点からも、「わかりやすさ」という観点からも、専用サイト作成が望ましいと言えるでしょう。

参考:
多地域、多言語のサイトの管理

日本版・海外版サイトの違い、実例紹介

企業は日本人向けサイトと外国人向けサイトのデザインを、どのように区別しているのでしょうか。多言語化サイトがとても見やすい、JALサイト(2018年9月15日時点)で比較してみましょう。

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引用:JAL国際線

上記は日本人向けJAL国際線サイトです。トップページは快適なシートのアピールの他にも日本人に人気の観光地「ハワイ」の情報が掲載されています。

クロールすると「お客様のおすすめ情報」。主にハワイ旅行に関する情報が表示されていました。

では外国人向けJALサイトは、どうなっているのでしょうか。

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引用:JAPAN AIRLINES / American Region

上記はニューヨーク向けのJALサイトです(表示は日本語に変更)。

トップページでは、日本人の「おもてなし」を全面的にアピールしていることがわかります。

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引用:JAPAN AIRLINES / American Region

さらに下にスクロールすると、日本の魅力をアピールする項目がプラスされています。なかでも外国人旅行客の関心の高い、Wi-Fi情報が掲載されているのは興味深いところでしょう。

このように企業も、外国人向けにサイトの内容を変更しています。日本の伝統文化は外国人には、なじみのないもの。日本人向けのサイトをそのまま翻訳するのではなく、外国人向けのUI/UXデザインを考えていく方がコンバージョンにもつながりやすいと言えます。