日本に住む私たちにとって身近な存在である“自動販売機”。実は現金や交通系ICカードだけでなく、電子マネー、クレジットカードといった様々な決済方法にも対応し始めています。さらに最近では飲料や食べ物を販売するだけにとどまらず、多様なやり方で自動販売機を活用する流れが。今回は自動販売機の新たな価値を生み出す最新テクノロジーについて紹介していきます。

目次

  1. 自動販売機にもデジタルサイネージを活用
  2. サンプル配布から実際の購入へつなげる
  3. AIにより管理業務の負担減

自動販売機にもデジタルサイネージを活用

自動販売機の新しい活用方法として注目を集めているのが、広告媒体としての利用です。自動販売機の設置やメンテナンスなどを行う株式会社和光産業は、2024年に常設サイネージ事業大手のLED TOKYO株式会社と共同で、32型のビッグサイネージを搭載した自動販売機を開発。次世代型の自動販売機αalpha)」として販売を開始しました。

次世代型の自動販売機「α(alpha)
出典:自らCMする次世代型自動販売機。32型のビッグサイネージを搭載した自販機の先行予約販売開始

「α(alpha)」最大の特徴は、サイネージに広告を流すことによって現在自動販売機内で販売している商品のPRが行えること。「今どのような商品を売っているのか」を、道行く人々に対してわかりやすくアピールできるので、活用できれば利用者の増加を狙えるでしょう。

また、自動販売機の設置場所に合わせて表示内容を工夫することもできます。例えばコインパーキングに設置されている自動販売機なら、駐車場の利用案内や周辺で行うイベント内容を告知。オフィス前であれば企業PR、求人広告といった情報を流すのも有効です。さらに混乱が発生しやすい災害時にも、必要な情報を素早く広めるための手段として活用できるかもしれません。

次世代型の自動販売機「α(alpha)」は、街中のいたるところに設置されているという自動販売機の特徴が、マーケティングやセールスの面で新たな可能性を生み出した好例だと言えるでしょう。

サンプル配布から実際の購入へつなげる

自動販売機を用いて商品をPRするサービスは、過去にも実施されています。例えば2023年には、IoT事業を中心に行う株式会社アドインテと飲料メーカーの株式会社伊藤園がコラボ。
サンプル配布機能が実装されたサイネージ型IoT自動販売機AIICO」を利用し、限定商品の配布キャンペーンを実施しました。