ECサイトを運営していて、広告施策もやっているけど売上が思うように伸びない。
この記事では、そんな担当者の方のためにネット広告を配信していたら必ずやるべきPDCAサイクルについて、考え方の基礎をお伝えします。

一般的なPDCAサイクルとは

PDCAサイクル」とは、「目的」を達成させるためのプロセスの1つで、「Plan(計画)→Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)」の一連のサイクルを言います。
これはネット広告だけでなく、普段の仕事や生活をしている中でも実施することのできるものです。

例えば、1か月で5キロ痩せるためにランニングを週に3回しよう(Plan)→実際にランニングを1か月続ける(Do)→3キロしかやせなかったし、実は週に3回がきつい(Check)→3か月でさらに5キロ痩せることを目標にして、ランニングは週に2回にしよう(Action)といったものもPDCAサイクルとして挙げられます。

ECサイトでネット広告配信を実施する際には特に重要な考え方ですので続いて見ていきましょう。

ECサイト×ネット広告でのPDCAサイクル

ネット広告の利点の1つとして、様々な数字がすぐに取得可能であるという点があります。
このため、今やっている広告施策に本当に効果があるのかを素早く検証することができるのです。

検証が早ければ改善案をたてるのもすぐに行えるので、このネット広告PDCAサイクルは非常に相性が良いと言えます。

ではECサイトにおけるネット広告PDCAサイクルとはどういったものが考えられるでしょうか。
一般的なネット広告PDCAサイクルは、サイトの目的に対して、配信設定(Plan)→実際の配信(Do)→効果検証やデータ収集・解析(Check)→改善策提案(Action)となります。

ではECサイト運営の場合で1つずつ具体的に考えてみます。

① Plan

まずはサイトにおける達成したい目的を数値として決定していきます。ECサイトの場合だと、売上が目的になることが多いです。

その指標として、実施するネット広告の種類によって異なってきますが、例えばリターゲティング広告リスティング広告等の顕在層向け広告の場合、CV件数やCPA、ROASなど獲得に対する数値になることが多いです。
その前段階として、潜在層向けのSNS広告等では配信量(インプレッション数)や流入数(クリック数)が指標となります。

② Do

①でプランニングした配信設定や目標に応じて実際に配信をします。

③ Check

配信開始してから目標値に届きそうか、想定通りに配信できているかを毎日確認し、収集したデータを元に施策実施前後での効果を検証します。
想定した目標数値が達成した場合でも、達成できなかった場合でもなぜその結果になったのかをしっかりと検証する必要があります。

④ Action

効果検証で見つけた結果から、次にどうすればより良い結果になるか、目的が達成できるか改善施策を考え、次のPLANへと繋げていきます。

上述したように実施するネット広告を配信する目的として大きく顕在層向けの広告と潜在層向けの広告に分けることが出来るので、続いてこの2つの広告の目的別でPDCAサイクルを考えてみましょう。

顕在層向け広告の場合

目的を「CPAを○○円以下に改善する。つまり今よりも配信を効率化して、購入者数(CV=コンバージョン数)を増やす、またはCVに結びついていない配信を減らす」とした場合、リターゲティング広告では下記のようなサイクルが考えられます。

【PLAN】CVを増やしたいので、一般にCVRが高い「カートページ離脱ユーザー」への配信量を増加させる。
【DO】:実際に配信をする。
 【CHECK】:日々の配信確認と、「カートページ離脱ユーザー」への配信量増加でどれほど数値が変化したか効果検証をする。
【ACTION】:想定通りCV数が増加しCPAを抑えることができたので、さらに配信量を強めて、効率化を図る。

その後、配信量を強めた場合のPLANを立てて、サイクルを回していくことになります。想定通りにいかなければ、どうすれば改善できるかを考えていきます。この時改善する点はあまり多くしないで次のサイクルにしていきましょう。

そうすることで、どういった操作に意味があったかを明確にすることが出来ます。1サイクル1操作くらいの気持ちでも良いかもしれません。ほかにも改善したいところがある場合は次のサイクル時に実施しましょう。

リターゲティング広告の場合であれば、配信ユーザーや配信するバナー等を改善すると効果があります。

潜在層向け広告の場合

基本的に顕在層向けの場合と同じサイクルになりますが、潜在層向けの場合、扱う広告の種類や指標が異なってくるので、こちらも簡単に説明します。

目的を「新商品認知のため、広告表示回数○○回、サイト訪問数○○人」とします。

【PLAN】:まずは広くサイト認知をかけるべきなので、最低限自社サイトにあったユーザーというだけで、あまり細かくセグメントをかけずにSNS広告の配信をする。
【DO】:実際に配信する。
【CHECK】:こちらも日々配信状況を確認する。配信量が足りていないとクリック数も見込めないので、より表示回数を増やすように調整した方がよい場合もある。また目的が認知であるので、同じ人に広告が表示されすぎていないか、という点も確認しておく。
【ACTION】:広告表示回数は十分だったが、クリック数が足りておらず、目標のサイト訪問数に届かなかったので、最もCTRの高かった年齢セグメントにしぼってみる。

クリック数も十分になってきたら、潜在層向けの広告でもどういったユーザーセグメントが購入しやすいかまで考えると良いかもしれません。

またFacebook広告では、クリックしたユーザーに類似したユーザーセグメントを自動で作成する機能もあるので、自社サイトにあった新規ユーザーのさらなら認知・サイト誘導が可能となります。