「お茶の間2.0」における企業のマーケティング

スマートスピーカーによる「お茶の間2.0」へのコミュニケーションの変化により、これまで以上に“音声”が注目されることは言うまでもありません。テレビCMのように音声検索や音声指示でアクションを起こすことが可能になり、指示命令系統が手から声へ変わろうとしているのです。この先、スマートスピーカーを筆頭に音声へのパラダイムシフトが起きれば、マーケティングの主戦場は視覚だけでなく聴覚にも移行します。いま、私たちはそのスタート地点に立っているのです。

そうしたなか注目されているのが「音声広告(オーディオ・アド)」です。ロボットスタート・博報堂DYMP・イードの3社は、すでにスマートスピーカーやApple Podcast、Google Podcastsなどに配信されるニュースコンテンツ内で音声広告の配信ネットワーク構築や実証実験を始めていますし、2018年にはAmazonのAlexaが音声広告事業を立ち上げるとメディアで報じられています。今後、スマートスピーカーが普及していくと、これまで当たり前のように行われてきた店頭購買や店頭比較は抜本的に変わるでしょう。

スマートスピーカーにスキルを搭載したマーケティング展開も考えられます。現にAmazonのAlexaには、1万を超えるスキルが各企業から提供されています。スマートスピーカーを中心とした音・音楽を活用したマーケティングの波も、やがてそう遠くない未来に到来するでしょう。今後は、プロモーションなども視覚に加えて聴覚を活用したものが生まれるはずです。

例えば「あなたが好きなアーティスト○○の新曲を視聴できますよ」なんて視聴体験の提案もされるかもしれません。ブランドがスキルを開発し生活スタイルの中に真の意味で溶け込んでいくことも想定されます。いかにユーザーの「声」を引き出させるか。スマートスピーカーでブランドのスキルを起動させるのかといったことが考えられます。その中心は声であり、聴覚です。

スマートスピーカーの声が、好きなアーティストやタレント、声優の声にすることができるようになれば、ブランド側もアーティスト側も新しいマーケティングが可能になり、購買行動に変化が起きたり、スマートスピーカー自体の存在意義が変わったりする可能性もあります。

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「お茶の間2.0」による2つの変革

「お茶の間2.0」はスマートスピーカーによって現代における家族団らんの新しい家族のコミュニケーションの形を生み出してくれます。

同時に「お茶の間2.0」でもたらされるマーケティングは視覚から聴覚への変化が始まろうとしているのです。見せるから聴かせるへ。手から声へ。認知から想起へ。

スマートスピーカーの登場は、「お茶の間」というコミュニケーションの形とマーケティングに変革を起こす新しい存在の登場でもあるのです。

私「ねえ、Alexa。リラックスする音楽をかけて」
娘「パパ、アンパンマンがいい」

記事を執筆し終わったあと、娘とこのようなコミュニケーションが生まれるのも、スマートスピーカーならではでしょう。