2018年10月にロサンゼルスで行われたAdobeのカンファレンスイベントAdobe MAXにて、主要アプリケーションのメジャーアップデートを発表したことで話題になりました。

PhotoshopやIllustratorなどの主要グラフィック編集ソフトに加え、Webディレクション、Webデザインに特化したAdobeXDもメジャーアップデートの対象となっています。今回はAdobeXDに新たに追加された機能について紹介します。

参考:
レスポンシブデザインにも対応!Adobe XDの4つの新機能

音声トリガーとスピーチ再生

プロトタイプ機能で設定できるトリガーに新たに音声が加わりました。スマートフォンやスマートスピーカーが普及しつつある昨今、音声認識のアプリケーションを制作する際に非常に便利な機能です。

プロトタイプ機能のトリガーに音声を指定し、「次のページに移動して」といったように任意の文字列を入力します。実際にプロトタイプで動かす際に、設定された言葉を話しかけるとトリガーとなりページが遷移します。

また、スピーチ再生の機能も追加されました。スマートスピーカーからの返答を設定する要領で、トリガーがきっかけとなり返ってくるセリフを登録することができます。

タスク自動化を実現するサードパーティプラグイン

AdobeXDにサードパーティプラグインの第一弾が公開されました。
タスクの自動化やデザイン内のデータ活用などの機能を持ったプラグインが含まれます。また、Slack、JIRA、Microsoft Teamsなどのアプリケーションとの連動も実現しています。

APIのリストなども公開され、開発者向けにオープンになりました。今後もより便利な機能が充実していくことが予想されます。

自動アニメーション

9月のアップデートで時間によるトランジションが可能になりましたが、新たに自動アニメーション機能が追加されました。これはリリース以来最大のプロトタイピング機能とAdobe社は言っています。

複製したアートボードのサイズや位置など変化を加え、プロトタイプ機能でオートアニメーションで繋ぐだけで、自動的に変化するアニメーションが実装されます。

ドラッグジェスチャー

ドラッグジェスチャーは、オートアニメーション機能にさらに別オプションと言える機能です。

プロトタイプ間を行き来するのは、基本的にタップがトリガーとなっていましたが、ドラッグが選択可能になり、そこにオートアニメーションが加わることでカルーセルの動きが再現できます。非常にスムーズに動きを表現でき、スマホのようなタッチ可能なデバイスアプリケーション開発にはもってこいの機能と言えるでしょう。

リンクされたシンボル

別ファイルからシンボルをコピーしてきた際に、その元ファイルとリンクするようになりました。リンクされたシンボルが別ファイルで変更が加えられた際、リンクしているXDファイルでも同様の変更を反映することができます。

これにより頻繁に使うシンボルやチームで共有しているシンボルに変更があった際に、簡単に管理することが可能です。

Adobe Illustratorとの連携

Adobe XDにてPhotoshopのネイティブドキュメントを開く機能はすでに実装済みでしたが、Illustrator(aiファイル)にも対応するようになりました。Adobe XDにaiファイルを読み込ませることで、レイヤー、アートボード、シンボルを保ったままの状態で開くことが可能です。XD上でIllustoratorアートワークの編集が行えます。

Adobe XD側単体で表現できない細かなアイコン、ベクターアートなどを読み込み、より完成形に近い形のプロトタイプを作ることができます。

Adobe After Effectへの書き出しが可能に

AdobeXDで制作したデザインをAdobeのアニメーションアプリケーションであるAfter Effectsに書き出せるようになりました。

AdobeXDのレイヤー、ベクター、アートワークをAfter Effectsに書き出せると同時に、After Effectsのプラグインを使い、よりクリエイティブな作業が可能になります。

まとめ:他のアプリケーションとの連携がシームレスに

Creative Cloud全体のメジャーアップデートのタイミングだったからか、Illustrator、After Effectなどの他のAdobeアプリケーションとの連携が多く見られます。

痒いところに手が届くようなユーザー目線なアップデートであり、今後もよりクリエイティビティを加速させるような機能の実装が期待されます。