「ネット上で口コミなどを通して話題になる」という意味の「バズる」。
広告キャンペーンなどがバズることで一躍話題に上がるため、認知拡大やホームページの集客数増加、売上向上など、様々な効果が期待できます。

しかし、意図的にSNSでバズらせるというのはなかなか難しいものです。
そこで今回は、SNSで話題になった広告事例を5つ、「どうしてバズったのか?」という視点から紹介します。

SNSで話題になった5つの広告事例

1.若者ウケする青春ラブストーリー「パスワード-もっと強くキミを守りたい-」

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引用:パスワード-もっと強くキミを守りたい-

IPA情報処理推進機構は、「パスワード-もっと強くキミを守りたい-」というタイトルで原宿駅に看板広告を出しました。

これはインターネット現役世代でもある10代に向けたもので、「10代はパスワードに対する意識が低い」ということを受けて作られたものです。

ターゲットは10代であるため、この年代が最も注目しやすい「マンガ」「青春」「ラブストーリー」の要素を入れ込みました。
「単純なパスワードは危険」「パスワードは大切に」といったメッセージをキャラクターのセリフにしています。

看板広告ではありましたが

・ターゲット層の興味関心が薄いものを、興味関心が強いものと掛け合わせた

という工夫により、SNSで多くの人に投稿されて話題になりました。

2.小学生あるある!「プラスマ乳酸菌SPECIAL STUDENT」

キリン株式会社は「プラズマ乳酸菌SPECIAL STUDENT」という動画をYouTubeで配信し、3日間で再生回数800万回を達成しました。

動画の内容は、「謎の効果音デュクシ『デュクシの使い手』」や「みんなが静かになるまで3分かかりました『静寂の待ち人』」など小学生あるあるをテーマにしたものです。
各あるあるをレア度で示しており、最後にプラズマ乳酸菌も特別な存在だと紹介しています。

どのあるあるも現役小学生だけでなく、大人も経験したことがあるものばかり。

・「あるある=多くの人が共通して知っているネタ」を利用した
・「乳酸菌」という子供に関連性の高い商品の宣伝

というポイントからSNSで話題になり、小学生→大人(特に親世代)の商品購入を後押ししています。

3.広告公開前からTwitterで伏線、日清食品「アクマのキムラー」

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日清食品は、チキンラーメンの新商品「アクマのキムラー」の紹介動画をYouTubeで公開しています(※2023年5月現在、公開は終了しています)。動画の内容は、可愛らしいチキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」が超人的なムキムキキャラに変身する、というユニークなもの。この動画だけでもインパクトはありますが、この動画がSNSで話題となったのは、Twitterで張った伏線が効果的に働いたためとも言えるでしょう。

実は動画が公開される数日前、「ひよこちゃん」の公式Twitterアカウントで「ひよこにチキンラーメンの宣伝をさせるとかどうかしてる」「茶番はもう終わりだ」など過激なツイートを連発。

Twitterで「何か起こりそうだ」と思わせ、ひよこちゃんが悪魔に変身する「アクマのキムラー」を動画で発表したのです。

・あらかじめSNSで話題になりそうな投稿をし、伏線を張っておく

という戦略でうまく新商品の動画をバズらせた事例です。

4.人気のモデルとアーティストを起用した「ぜんぶ雪のせいだ」

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JRSKISKIでは若者層に人気の川口春奈さんと、人気のアーティストSEKAI NO OWARIのDJ LOVEさんを起用し、スキー旅行を促す広告ポスター「ぜんぶ雪のせいだ」を貼り出しました。

すでに大ブレイクしていた人気女優だけでなく、まったく同じアングルで若年層に人気のアーティストも使っています。川口春奈さんの可愛さと、DJ LOVEさんのおもしろさにギャップがあり、多くの人の注目を集めたのです。

また、「ぜんぶ雪のせいだ。」と言うキャッチコピーもSNSで話題に。「〇〇なのはぜんぶ雪のせいだ。」とキャッチコピーを使ったおもしろツイートも数多く投稿されています。

・すでに人気の女優の「可愛さ」と、まだブレイクしていないアーティストの「おもしろさ」のギャップを利用した
・日常的に使えてつぶやきたくなるキャッチコピー

ターゲット層に人気の女優とアーティスト、使いやすいキャッチコピーという工夫がSNSでのバズを引き起こしました。

5.時事性とパターンの豊富さ「綾瀬はるかとカンパイ」

コカ・コーラは2018年平昌冬季オリンピックの競技の後に、様々なパターンで楽しめる「綾瀬はるかとカンパイ」というCMを流しました。

オリンピックの競技に合わせて綾瀬はるかさんがおしゃべりするよう、リアルタイムで作っているというかなり変わったCM。
同じCMで飽きることが多い中、これは視聴者も飽きることなく様々なパターンが楽しめるのです。

・話題の高い時事ネタとうまく絡ませている
・一緒に番組を見ていたような気持ちになれる

の2点がSNSでユーザーの心を掴んだ理由として挙げられます。SNSでは綾瀬はるかさんと乾杯するためコカ・コーラを用意する人が出てくるなど反響を呼びました。

シェアしたくなる気持ちを引き出そう

バズの法則としてよく言われているのが「シェアしたくなる」気持ちを引き出すことです。どうしたらSNSに投稿したくなるか、どうしたら見た投稿をシェアしたくなるか、ユーザー視点に立ってよく考える必要があるでしょう。

本記事で紹介した広告がバズった事例を参考に、自社の広告をバズらせるための工夫を考えてみましょう。