営業ナシでも選ばれるのはなぜ?ヌーラボのビジネスモデルを徹底取材
サービスの良いところや活用方法、導入成果などを、顧客に対してより詳しく説明し契約に繋げる営業担当は、どの企業にとっても重要なポジションです。
しかし、プロジェクト管理ツール「Backlog」、クラウド作図ツール「Cacoo」、チャットツール「Typetalk」の3つを提供する株式会社ヌーラボは、営業のポジションなしに事業を成長させてきたと話します。
今回は「営業メンバーがひとりもいない」にも関わらず、大企業にもサービスが多数導入されているヌーラボに、どのようにサービスを顧客に知ってもらい、選んでもらい、継続利用してもらっているのかについて詳しくお話を聞きました。
参考:
タスク管理、ファイル共有もできるプロジェクト管理ツールBacklog
プロフィール
高田 邦明氏
ヌーラボのカスタマーサクセス。ミッションは、Backlog / Cacoo / Typetalk によってお客様のコラボレーションを促進し、成果をあげていただくこと。現在は、オンボーディング施策とプロダクトフィードバックの仕組み化を進めている。ヌーラボヨガ部の東京支部長。
井上 美穂氏
Techライターとして複数のメディアに記事を寄稿後、2016年6月に1人目の国内マーケターとして入社。国内マーケティング部門立ち上げに参画し、現在はテクニカルライターとして自社コンテンツのライティングや制作を行う。
五十川 慈氏
ヌーラボの広報 兼 コミュニティマネージャーとして、会社とプロダクトの「ファン作り」に取り組む。大学卒業後5年間、東京のスタートアップ企業で営業や人事に従事し、2017年にヌーラボ福岡本社にUターン転職。お菓子作りが好きで、将来は会社員として働きながらも、実店舗を持たないお菓子屋さんとしても仕事をしたいと目論んでいる。
営業なしのビジネスモデルはどうやって生まれた?
(五十川 慈氏)
ferret:
ヌーラボさんではいわゆる「営業」のポジションがないと伺っています。
一般的には営業のポジションを用意していることの方が多いと思いますが、どうしてヌーラボさんには営業がいないのでしょうか?
そこには営業がいらない、という判断があったのですか?
五十川氏:
ヌーラボでは基本的に、導入を目的とした訪問営業をやっていないんです。もともとヌーラボのツールを使っている企業様がクライアントにツールを紹介して利用が広がる「インバイト」で伸びてきたという背景もあり、今までは必要がなかったという部分もあります。
「今後も同じように営業がいらないか」と言われればそこはなんとも言えないというのが本音ですが、今までは営業なしで成長してこれたということです。
コラボレーションから新たな顧客が生まれる
(井上 美穂氏)
井上氏:
ヌーラボでは、プロジェクト管理ツールの「Backlog」、クラウド作図ツールの「Cacoo」、チャットツールの「Typetalk」、の3つを運営しています。なかでもBacklogはサービスの性質上、インバイトの形でサービスが広がっていくような仕組みができやすい、という特長があります。
プロジェクトを管理する時って、複数名でツールを利用してコラボレーションしながら進めていきますよね。例えば、制作会社のA社が依頼元のB社とやりとりする時に「B社をA社のBacklogに招待して一緒にプロジェクトを進めていく」という構図が出来上がります。
その流れでB社がBacklogを知って、導入し、新たにC社とやりとりするときにBacklogに招待して…というようにどんどん招待(インバイト)の輪が広がっていきます。
Backlogをお客様に知ってもらう流れができていたので、プッシュ型の営業をそこまで必要としていなかったんですよね。
ferret:
インバイト型で各社を巻き込みながら広がっていくというのは、サービスを立ち上げた当初から狙っていたことなのでしょうか?それとも自然に…?
井上氏:
意識的ではなかったような…。
五十川氏:
創業者がみんなエンジニアなので、自分たちで売り込むというよりは自然と広がっていくようなサービスに、という思想はあったと思います。
井上氏:
実は最初Backlogは、エンジニアのバグ管理ツールとして使われていました。エンジニアはオープンソース的な考えが浸透しているためか、一緒に「共走」していく、共にサービスを作ってより良くしたいと思う人が多い傾向にあります。
2006年にBacklogの有料プランを開始した時、正直まだバグが多く、未完成な形で市場に出ている状態でした。ただその時のメインユーザーはエンジニアだったこともあり、未完成のBacklogを一緒に作って改善する、という空気が自然と生まれました。
ferret:
意図的にというよりは、初期のBacklogの性質というところが大きいということですね。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
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