これからのアジア太平洋地区デジタルマーケティング市場の4つのポイント

ferret :
最後になりますが、2019年以降のアジア太平洋地区におけるデジタルマーケティング市場における今後の展望や期待、課題はどうなっていくとお考えでしょうか?

Dennis氏 :
アジア太平洋地区に限らず、現在のデジタルマーケティング市場にはソーシャルネットワークからの情報漏えいなど問題が山積しており、企業のブランドや信頼が失われかねない事態も多発しています。

企業とユーザーが信頼関係を構築していくには、個人情報やデータの取り扱いについて1対1のコミュニケーションをきちんと取っていく必要があります。
たとえば、「誰が誰にデータを送信しているのか」「どういったかたちでデータが送られ、活用されているのか」ということをきちんと開示する透明性を担保する必要があると考えています。

また、先程の話にあがったように、あちこちに散らばってしまっているバラバラのデータをしっかりと統合し、活用できるようにしていくことも非常に重要です。

繰り返しとなりますが、これはアジア太平洋地区に特有の課題ではなく、世界的に共通している問題です。

アジア太平洋地区においては日本とオーストラリアが大きな割合を占めていて、東南アジアなどの新興国についてはこれからトレンドに追いつくという段階にあります。
今後は新興国からも様々なデータが発生してくるであろうと思いますし、データガバナンスに関する啓蒙活動が必要であると考えています。

安藤氏:
2019年以降におけるデジタルマーケティング、とりわけデータの扱いに関するトレンドは個人的には4つのポイントがあると考えています。

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▲眼鏡も素敵な安藤氏。

まず1つ目はユーザーが中心である」ということです。ユーザーファーストな考え方で、ユーザーの姿を適切にとらえ、コミュニケーションを取ってサービスを提供するということが重要になります。

どうしてもデータを見ていると、そのデータがユーザーの姿そのものであるように感じてしまいますが、違うんですね。データの先にユーザーがいる。

このデータというのはWebから取得できるものだけではなく、店舗での行動や参加したセミナーなど、オンライン・オフラインを問わない全てのユーザー行動が含まれます。
それぞれのデータに横串を刺して、ユーザーの本当の姿を捉えてユーザーを理解していく必要があると考えています。

2つ目は「リアルタイム」というキーワードです。いくらユーザーのことを理解しようとデータを集めてきて統合したとしても、その情報が古くては意味がありません。ユーザーの「一瞬のモチベーション」に応えて行動することがユーザーや企業にとっての幸せや価値に繋がりますので、やはりデータをリアルタイムに更新していく、アップデートした状態で提供するということが重要かと考えています。この、「リアルタイム」の指す即時性については今後もどんどん要求が高まっていくでしょう。

3つ目は今日のお話でもかなりご説明させていただいた「データガバナンス」の観点です。
データの機密性を担保しながら利用しやすさを高めることが、GDPR施行後はよりいっそう重要になっていくと考えられます。

そして最後の4つ目は「新しいデータソースに対する対応」です。
先程もお話した通り、「ユーザーのデータ」とはオンライン上での行動だけを指すものではありません。

例えばユーザーが店舗で何を買ったのか、買わなかったのか、あるいは手にとったけど戻してしまったのか、そういったデータをどうやって捉えていくのかが鍵になってきます。
商品につけたビーコンのデータをTealiumと連携したり、顔認証のデータでユーザー行動を追跡したり、家電の活用状況をリアルタイムに取得していくといったことが今後は可能になっていきます。そういった様々な行動をデータとしてとらえ、新しいデータソースからどうデータを取得して新しいサービスやより良い顧客体験を創造することが重要になってくるだろうと考えております。

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▲Tealiumはブルーとグリーンの中間色の「Teal」と化学反応を示す「ium」を組み合わせて「Tealで世界に化学反応を起こす」思いを込めているとのこと。