月間検索回数2億回以上、月に約1,400万人が利用する「乗換案内」サービスを運営するジョルダン株式会社は、2019年5月より、様々な交通機関の予約や支払いを電子チケットとアプリを用いて一括で管理できるMaaS型の新サービスの提供を開始します。
電子チケットの作成や認証などのシステムには、イギリスの公共交通チケッティングサービスのMasabi社が運営する「Justride」の導入が決定しています。

参考:
2019年5月より、新モバイルチケットの提供を開始

MaaSとは

MaaS(Mobility as a Service)とは、鉄道・バスなどの移動手段が1つのサービス内で利用でき、ルート検索から予約、支払いなどがひとつのサービス内で一括で提供される交通サービスです。
MaaSの実現によって、効率的な移動や決済、予約が可能となるため、利用者の利便性は大幅に向上します。また、人やモノの移動を効率化させることで都市部での渋滞解消や、排気ガスによる環境汚染の解決にも繋がると考えられています。

交通事業者側も、MaaSによって交通サービスの利用者の増加が見込まれるとともに、データの蓄積が可能となるため、より良いサービスの提供につなげられます。

MaaSについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

参考:
MaaSとは? 次世代の移動の概念

新サービスの概要

現在の交通サービスは、電車やバスなど複数の交通機関を利用する際、それらを跨ぐ検索ルートの検索はできますが、支払いやチケットの発行は各交通機関ごとに分かれています。
今回のジョルダンの新サービスは、全国の電車やバスなどの様々な乗車券や観光施設の入場券、食事券、宿泊券などを、1つの乗り換え案内アプリ上で購入できる、MaaSの概念に基づいたサービスとなっています。

サービス開始予定は5月となっており、現在複数の交通事業者や自治体と交渉中とのことです。

電子チケットはMasabi社のシステムを活用

チケットの発行方法は

- 駅員が目視確認するタイプ
- QRコードタイプ

の2パターンに分かれており、どちらも電子チケットであることで多言語対応や発行する際の手間が省ける利点があります。

この電子チケットは、ジョルダンが提携を結んでいるMasabi社の公共交通チケッティングサービス「Justride」を利用して提供されます。「Justride」はアメリカ ニューヨークの地下鉄でQRコード式の電子チケットシステムとして導入されているサービスです。

外国人観光客にとっての利便性

交通機関でのルート検索やチケットの予約・発行は、日本人はもちろん、外国人観光客にとっても手間が掛かる上に、チケットを紛失してしまう恐れもあります。MaaS型のサービスは、手元のスマートフォン1つで、ルートの検索から支払い、チケットの発行まで完結できるため、外国人観光客でも簡単に利用できます。インバウンドの需要が高まっている現在、MaaS型サービスの需要はより高まるのではないでしょうか。

各サービスの互換性や連携がカギ

MaaSは、国内の一般利用者だけでなく、2020年東京オリンピックで今後さらなる増加が見込まれる外国人観光客にとっても利便性の高いサービスとなるでしょう。
先日、「LINE Pay」と「メルペイ」が提携を発表したように、利用者にとってはサービスの互換性や連携が利便性につながるため、他サービスの動向からも目が離せません。