「QRコード決済」という言葉を聞いたことはありますか?最近はニュースでも頻繁に取り上げられているため、耳にしたことがある方も多いでしょう。

今回は、「QRコード決済という言葉を聞いたことあるけどイマイチわかっていない」「QRコード決済を店舗に導入したいけど不安」という方に、”知っておきたいQRコードの特徴やメリット、注意点”について紹介していきます。

そもそもQRコードって何?

「QRコード」(”QR”はQuick Responseの略)とは、1994年に株式会社デンソーウェーブによって開発された国産の二次元コードで、高速読み取りを可能にしたサービスです。
商品に印字されている横長なバーコードと同じように、様々な情報がそのコード内に埋め込まれており、そのコードを読み取るとその情報が閲覧できる仕組みとなっています。

主な特徴としては、以下3つがあげられます

-大容量データを収納できる:バーコードの数十倍の情報量を扱える
-コンパクト:バーコードと同じ情報量だと、10分の1程度のサイズになる
-汚れ破損に強い:様々な業界にも対応できる(製造や物流など)

現在は世界各地にて、様々な用途でQRコードが利用されています。

QRコード決済の仕組み

2018年から国内で話題となっているのが「QRコード決済」です。「◯◯ペイ」と名付けられたサービスが数多く発表されており、先ほど紹介した「QRコード」を利用した決済方法となっています。

では、実際どのようにQRコードを利用して決済をしていくのか、仕組みについてお話します。

QRコード決済の方法は大きく分けて

-利用者側が提示したQRコードを読み取るパターン
-店舗側が提示したQRコードを読み取るパターン

の2パターンに分けられます。

利用者側は、各サービスのQRコード決済アプリへ事前にお金をチャージしたり、クレジットカードや銀行口座を登録したりしておくことで、スマートフォンのみで買い物ができる仕組みです。

店舗側は、スマートフォンやタブレットに各サービスの店舗用アプリでQRコードの提示や読み取りをします。また、各サービスによって異なりますが、QRコードを印字したPOPを店舗に設置し、利用者が読み取る方法や、従来のバーコードリーダーでQRコードを読み取る方法もあります。

国内のQRコード決済サービスの例

様々な国内企業が発表している「◯◯ペイ」がこの仕組みを利用した「QRコード決済サービス」です。実際どんな「QRコード決済サービス」が発表されているのか、代表的なQRコード決済サービスを紹介していきます。

-PayPay
-LINE Pay
-楽天Pay

各決済サービスによって対応店舗やポイント還元率などが変わります。

日本でQRコードが広がっている理由

なぜQRコード決済がこれほどまで話題になっているのでしょうか?

スマートフォンの普及

QRコード自体は1994年に生まれており、最近開発された技術ではありません。しかしスマートフォンの普及とインターネットの発展により、日常生活が大きく変わってきました。いつでもどこでも高性能なインターネット環境への接続が可能になり、それを活用したサービスが数多く出てきました。その中の1つとしてQRコード決済が急激に拡大してきました。

中国でのQRコード決済の広がり

中国では、QRコード決済が広まり、財布を持たずに出かける人が増えています。大きな理由は、中国国内の現金への不信感です。中国では偽札が広がっているため、QRコードの方が信頼が厚い現状です。また、中国の主要QRコード決済である「アリペイ」や「WeChat Pay」は、アプリの使用履歴を通してAIによる個人の信用格付けを導入しています。そのランクによって様々な特典が受けられ、より利用頻度を高める施策を実施しています。

中国をはじめ、アメリカやヨーロッパなどでもキャッシュレス決済は広がりを見せています。日本でもキャッシュレス決済を広めることで、訪日外国人が過ごしやす環境の整備に繋がります。これもキャッシュレス決済が広がっている要因のひとつでしょう。

内閣も「キャッシュレス・ビジョン」として推進

QRコード決済を含めたキャッシュレス決済の広がりは、実は内閣も国策として推し進めています。経済産業省では「キャッシュレス・ビジョン」というキャッシュレスに関する方針を定め、現在の国内でのキャッシュレス決済の割合が21%という現状を、2025年には40%程度まで引き上げることを目標としています。

「キャッシュレス・ビジョン」によると、上記で述べた訪日外国人への対応に加え、キャッシュレス決済の普及により作業効率化が進み、日本の社会問題である少子高齢化による人手不足を補える、と述べられています。また、決済の利便性を上げることで個人消費を活発化させ、経済全体に影響を与えることが見込まれているでしょう。

参考:
キャッシュレス・ビジョン