アメリカや中国、アジアの新興国で最も人口比率が多いと言われている「ミレニアル世代」。他の世代とは違った特性を持つことから、日本でも頻繁にメディアに取り上げられるようになりました。

そんなミレニアル世代はどんな特性から、どんな消費行動を取るのでしょうか?今回はミレニアル世代をターゲットとするマーケター向けに、彼ら・彼女らの消費行動を考えてみました。

ミレニアル世代とは

「ミレニアル世代」とは、1980年代から2000年代初頭の間に生まれた世代を指します。

日本でも20〜30年後の将来を担う人口として注目されており、現在は購買力で、将来的には政治の面で強い影響力を持つと考えられています。

ミレニアル世代はデジタルネイティブ世代

1984年、日本でインターネットが登場しました。そのため、ミレニアル世代は生まれたときからパソコンやスマートフォンが身近にあるデジタルネイティブ世代でもあります。

前の世代と比べて情報リテラシーに優れており、幼い頃からデジタル機器を使いこなし、デジタルの進化と共に成長してきました。

インターネットを通して世界中で多様な生き方をする人を目の当たりにしているため、他者の価値観を受け入れやすく、仲間との繋がりを大切にしています。その一方で個人でも日常的に情報発信をしており、個を重視しているという特徴もあります。

参考:ミレニアル世代の定義や意味とは?Y世代とZ世代との違いも解説|Insta Lab

ミレニアル世代の消費行動の5大特徴

団塊世代やバブル世代などとは違った特性を持ち、新しい価値観を生み出しているミレニアル世代。そんな世代の消費行動の特徴について検討しました。

モノ消費よりコト消費

ミレニアル世代の間では、ミニマリズムを重視し無駄なモノを持たない暮らしに重きが置かれています。

バブル世代のような「高級品や車を持つことがステータス」という考え方は衰退し、モノを持つ「モノ消費」より、旅行やボランティア活動への参加など、何かを体験し経験を得る「コト消費」の傾向にあるのです。

生活や娯楽に必要なモノはルームシェアやカーシェアなど他人とモノを共有するシェアリングエコノミーや、所有しなくても使用権を得るサブスクリプションサービスを活用。

これはリーマンショックなどで前世代と比べて収入が激減し、高価なモノを所有することが現実的に難しくなった結果だとも言えるでしょう。

Webの影響が大きい

デジタルネイティブ世代だからこそ、SNSをはじめとしたWebサービスに親しみ、Webから受ける影響も大きいです。

 ・欲しいものを探すときには検索よりもSNS
 ・買い物にはネットショップを活用
 ・街角広告は見ないがWeb広告はクリックしてしまう

など、ミレニアル世代の消費行動にインターネットは欠かせない存在です。

共感で購入・拡散

ミレニアル世代はSNSを通して同じ趣味を持つ人や同じ経験をした人との仲間意識が強く、そうした仲間の口コミなどに共感して購入にいたることも多いです。

また、Web広告よりもインフルエンサーの影響力が強く、「好きなインスタグラマーが紹介してたから」「私もこの人の生活に近付きたい」といった理由での購入もよくあります。

リアルタイムで共有したい、誰かの体験に共感したい・してほしいと思っているため、自分から情報発信をして口コミを広め、同世代の消費行動をさらに後押しすることも。

企業が作り出す広告よりも口コミを信頼しているため、ステルスマーケティングやヤラセなどにはとても敏感です。

健康志向

様々な調査レポートで、*「ミレニアル世代は健康意識が高い」*という報告があります。例えば米マーケティング会社NPDでは、この10年で40歳以下の生野菜消費は52%、冷凍野菜消費は59%増加したと報告されました。

参考:Guess Who's Eating Their Vegetables Now?|NPD

アメリカの食品トレンドは遅れながらも日本に入ってきており、日本でも体に安全な食品を求め、無添加やオーガニックなど健康推進的な食品を購入するミレニアル世代が増えています。

また、「簡単に栄養豊富な食事が取れる」として自炊よりも外食やデリバリーなどの中食を選ぶ傾向があり、同時に筋トレや有酸素運動などのフィットネスの需要も高まりつつあります。

副業やスキルアップに意欲的

会社での出世は望んでおらず、代わりに副業をして副収入を得たり、スキルアップして起業やフリーランスとして独立したりする人が多いのもミレニアル世代です。

副業やスキルアップ、自分の学びのための自己投資に余念がありません。IT系を中心としてあらゆる分野の書籍や情報商材が売れ、Youtubeでは学び系の動画の視聴回数が多かったり、個人で情報発信するブログやSNSが盛んです。

終身雇用の時代が終わり、ミレニアル世代は「自分で稼ぐ力を身に付ける」ということの重要性に注目しています。