真のニーズは要望の背景にあり

ferret:価格以外にも実験をされたのでしょうか。

染谷氏:お客さまから「3ヶ月プランが欲しい」という要望をいただいたので、1年プランと2年プランを作りました。

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ferret:3ヶ月プランは作らなかったってことでしょうか。

染谷氏:3ヶ月プランは作ってないですね。その理由として一番大きいのは、我々のサービスは成果が出るまである程度時間のかかるサービスなんです。

候補者に対してスカウトメールを出して採用するんですけど、結局3ヶ月だと短すぎるんですね。お客さまがツールに慣れるまでに1ヶ月、面接が入るまで1ヶ月。大体の人の転職活動って2〜3ヶ月かかるんで、そうするとせっかくいい人が採用されそうなんだけど契約期間が終わっちゃうということが起こるので、少なくとも半年は使っていただきたいなと思ってます。

ferret:では、お客さまが「3ヶ月プランが欲しい」と言った本当の理由として、どんな仮説を立てたのでしょうか?

染谷氏:たぶん社内稟議の中で「もっと安いプランはないのか」とか「もっとライトに試せないのか」って言われているんじゃないかなって推察しました。

なので今まで1つしかなかったプランを3つ用意しました。元々あった半年プランを一番安いプランにして、1年プランと2年プランを新しく作り、費用にグラデーションをつけることにしたんです。

なせこうしたかというと、担当者が社内に「一番安いプランがこれなんです」って比較して言えればいい問題かなって思ったので。「お試し用のプランが半年プランなんです」って。価格が複数あることによって比較して言えれば、要望として収まって、受注できるんじゃないかと思ったんです。

ferret:担当者が稟議を上げ、通りやすい状態を作ったということでしょうか?

染谷氏:そうです。稟議あげるときって、言ってる事が正しいかというよりは、質問に対して打ち返せるかだと思うので。「もっと安くできないのか」って言われたときに「これが一番安いプランなんです」って言い返す事ができればいいのかなって考えてます。

ferret:今はどのプランが選ばれていますか?

染谷氏:半年プランが大体7割かな。1年が3割、2年は売れてないですね。

ferret:今の仮説を伺ってると、お客さまは半年プランに落ち着くと感じたのですが、1年プランがここまで反響あったんですね。

染谷氏:こんなに反響があるって全然思ってなかったですね。

ferret:1年プランを選ぶ人たちってどういうニーズがあったと考えていますか?

染谷氏:やっぱり採用はずっと続けていかなきゃいけないっていうところがあります。加えてLAPRAS SCOUTを通じてしかアプローチできない人が結構いるっていうことに関して理解していただけると、1年プランを選んでいただける可能性はあるなと思います。