クローズドイノベーションとは

では、ここからは従来から日本で取り入れられている、クローズドイノベーションについて説明します。
クローズドイノベーションはその名の通りオープンイノベーションの対義語で、日本経済を成長させる要因でした。
クローズドイノベーションには、競争優位性や利益の還元性が高いといったメリットがあります。
しかしそれは言い換えれば、商品の開発から提供まで全て自社で行わなければならないため、時間と人的コストもかかるというデメリットも。現在では、競争環境が激しさを増しているため、このクローズドイノベーションは経営戦略としてベストではなくなってきています。
このようなことから、徐々にクローズドイノベーションからオープンイノベーションに切り替える企業が年々増えてきているのです。
次に、そのオープンイノベーションに切り替えた企業の具体的な事例を確認してみましょう。

オープンイノベーションの具体的な事例

では、ここからは具体的な事例を企業ごとに解説していきます。
自社のノウハウの流出リスクやオープンイノベーションの経験不足などの要因を抱えながらも、オープンイノベーションに成功した事例です。

東京ガス

東京ガスでは「リビングサービス改革プロジェクト部」という組織を設立しました。
これは、2017年4月より質の高いサービスの提供を目指したオープンイノベーションへの取り組みです。
住宅やセキュリティといった領域でスタートアップ企業との検討したり、有識者と共にプロジェクトを行ったりといった積極的な活動を行っています。

三菱UFJフィナンシャルグループ

三菱UFJフィナンシャルグループでは、もともとあった三菱UFJ銀行のIT事業部をデジタルイノベーション推進部に変更。
デジタルイノベーション推進部によって、グループ全体のイノベーションに関する取り組みを行っています。
この取り組みによって、日本の銀行では初めてとなるスタートアップのアクセラレーターとして様々な支援を行い実績を残しています。

富士ゼロックス

富士ゼロックスは、ご存知の通りプリンターや複合機製造の大手企業です。
オープンイノベーション事業を展開し「四次元ポケットプロジェクト」として中小企業6社を参加させ新製品の開発を行いました。
このプロジェクトでは、室内旅行機や望遠メガホンといった従来の富士ゼロックスの技術だけでは難しかった製品の発表にも繋がっています。
まさに、オープンイノベーションに成功した事例の一つといえるでしょう。

ソフトバンク

ソフトバンクでは「SoftBankInnovationProgram」をスタートしました。
これは、国内外問わず共同で事業化や商品化をするパートナーを募集するものです。
中小企業やベンチャー企業にとっては、大手ソフトバンクと手を組み事業の拡大につなげるチャンスにもなっています。

レゴ

レゴでは、そのブランド力と一般人からのリソースを融合させたオープンイノベーションを行なっています。
ファンサイトでもある「LEGOIDEAS」で一般人が作ったオリジナルモデルを公開しており、同時にファン投票を実施し、ここで多くの票を集めたモデルを実際に商品化するといった、斬新なオープンイノベーションを実施しています。

P&G

P&Gは、日本の外資系企業の中でも長い歴史を持つ会社です。
主に洗剤や家庭用品を扱う企業らしく、消費者の「こんなものが欲しかった」への商品開発にオープンイノベーションを採用しています。
外部から研究員を募集したり社内外から積極的にアイデアを集めたりと、従来よりも消費者に寄り添うような商品開発を行っています。