ARとは

ARとは、Augmented Realityの略称であり、日本語では「拡張現実」という意味です。
現実世界に情報を重ねて表示するものです。あくまでも現実世界がベースとなり、仮想世界は現実を拡張するために利用します。たとえば、スマートフォンのカメラの向こうに映る自分の部屋という現実世界に対し、通販サイトで販売しているソファという目の前に存在したいものの映像を重ねるのもARで拡張できる世界です。VR、MR、SRと比べて、ARは最も手軽で親しみやすいテクノロジーです。ヘッドマウントディスプレイを使って利用するものも存在しますが、スマートフォンやタブレット端末にアプリをインストールすれば簡単に使えるサービスがたくさんあります。完全に仮想世界を利用するVRや、仮想世界のリアリティが強くなるMRやSRよりも基本が現実世界に発生していることというのがARの特徴と言えるでしょう。もっとも仮想と距離をおいた技術と認識するとわかりやすいです。

ARの活用事例

ポケモンGO

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画像引用:
『Pokémon GO』公式サイト

ARと言えば「ポケモンGO」というほど、多くの人に知られる代表的な活用事例です。スマートフォンのカメラを利用し、現実の空間にポケモンのキャラクターを映し出す臨場感が醍醐味です。ポケモンというアニメの中のキャラクターを現実世界で見つけられるゲームとして、多くの人を惹きつけています。

WANNA KICKS

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画像引用:
Commerce

ARアプリを使って靴の試着を楽しめる「Wanna Kicks」は、若者たちの間で話題になりました。自宅にいながら、スマートフォンをかさずだけで手軽に靴を履いたイメージを確認できるのは、通販では購入しにくい印象のある靴を買いやすくします。開発元であるWANNABYはアメリカの企業であり、メイクのARアプリも提供している期待値の高い企業です。

MRとは

MRとは、Mixed Realityの略称です。日本語では「複合現実」を意味します。現実と仮想が同時に存在し目の前に独特の世界が誕生するものです。現実世界を利用するため、MRはARと似ているとイメージする人がいますが、拡張と複合では現実世界の使い方が異なるのです。
ARは現実世界がベースにあり、その上に仮想世界のデータを被せるので、あくまでも現実世界への依存が強くなります。それに対して、MRは、現実世界に独立した仮想世界を表示できるのです。ARとVRが融合すると考えるとイメージしやすいでしょう。例えば、現実世界の空間に、仮想世界の物体を表示できます。そして、実際に仮想の物体を様々な角度から確認したり、触れることも可能なのです。完全に仮想世界を使ったVRや、仮想世界を現実に置き換えてしまうSRとも違うものであり、MRはまるでSF映画をイメージするとわかりやすいでしょう。

MRの活用事例

コールセンター・バーチャライゼーション

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画像引用:
ベルシステム24、デロンギ、日本マイクロソフト、DataMesh、 「コールセンター・ワークスタイル・イノベーション・プロジェクト」開始 | DataMesh株式会社 ‐ MR(複合現実)×ビッグデータ

ベルシステム24、デロンギ、日本マイクロソフト、DataMeshの4社が2019年12月に発表したコールセンター・ワークスタイル・イノベーション・プロジェクトは、MRを活用した次世代の働き方をつくり上げるものです。コールセンター業務にMRを活用する初の試みであり、コールセンター・バーチャライゼーションと名付けられています。コールセンターのオペレーターが問い合わせに対し、3Dとして完全に再現された製品を確認しながら回答できるようになるのです。オペレーターは必ず出勤する必要がなく、地方に住んでいる人や、育児などで場所や時間に制約がある人でも働きやすくなるのが革命的と言えます。まさにこれからが期待できるMRを活用したプロジェクトです。

歯科治療シミュレーションシステム

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MR(複合現実)技術を活用した歯科治療シミュレーションシステム | リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社と株式会社モリタが開発した治療シミュレーションシステムは、MRを活用し、歯科治療の技術向上に役立てられるものです。患者の口腔内の映像を三次元として使い、神経組織などの構造を透過させながら治療を実施できるようになります。歯科治療の教育システムとして、画期的なMRの使い方が注目されているのです。