スポーツ産業を変えるスポーツテックとは?
キャッシュレス決済のような「既存のファイナンスとテクノロジーをかけ合わせた分野」を「フィンテック」と称するように、スポーツの分野とテクノロジーをかけ合わせたスポーツテックという分野が誕生し、スポーツ関係者やIT事業者から注目を集めています。これからさらに需要が伸びると予想されているスポーツテック。この記事ではスポーツテックの概要や導入されている理由、市場規模、導入事例について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
スポーツテックとは?
スポーツテックとは、スポーツとテクノロジーをかけ合わせた造語で、AI技術のような先進技術をスポーツに応用して、競技の判定をさらに精密にしたり、観戦する環境を快適にしたりすることを目指すものです。
スポーツ庁が発表している資料によると、2019年に行われたラグビーワールドカップや2020年に行われるオリンピック・パラリンピックといったメガイベントを中心に、スポーツ産業を成長産業にすることを政府主導で推進することが分かっています。スポーツ産業を後押しするための施策として、スポーツテックは重要な役割を担っていると言えるでしょう。
参考:平成29年度「スポーツ産業の成長促進事業③スポーツ関連新事業創出支援事業」報告書
スポーツテックを構成する3要素とは
スポーツ産業は選手だけに支えられているものではなく、スポンサー企業やサポーター、トレーニング環境など様々な要因によって成り立っているものです。そのため、スポーツテックはスポーツを*「支える」「観る」「する」*の3要素から成立しており、それぞれの立場からよりスポーツを楽しめるような技術革新を行うことが目的となっています。
スポーツを「支える」立場とは、実際に競技を行う選手やチームのパフォーマンスを向上させるためのサービスを提供する方々です。広い意味では選手に報酬を支払うスポンサー企業のように、間接的にスポーツ産業を支えている立場を指します。
スポーツを「観る」立場とは、選手やチームの競技を観戦するために足を運ぶサポーターやスタジアムそのものを指します。近年話題になっている「スマートスタジアム」がその代表例ですが、観戦環境をより快適なものにしたり、スポーツ観戦そのものに付加価値を持たせたりすることで、スポーツ観戦をより楽しく有意義なものにするアプローチがこれに当たります。
スポーツを「する」立場には、実際に競技を行う選手やこれからスポーツを始めようと考えているアマチュアの方も含めた「スポーツを行う人」が当てはまります。スポーツを始める上で生じてしまうハードルの高さを解消したり、選手のトレーニングをテクノロジーで近代化したりといった取り組みがこれに当たります。
この3本の軸を通してスポーツとテクノロジーを融合させ、スポーツ産業をさらに発展させよう、というのがスポーツテックの考え方であり目指しているゴールなのです。
注目されている理由や市場規模について
政府は2015年に5.5兆円だったスポーツ産業の市場規模を拡大し、2025年には15.2兆円にまで押し上げることを目標として掲げています。スポーツテックが注目されている背景は大きく*「IT技術への関心の高まり」と「スポンサー市場規模」*の2つに大別されます。
スポーツテックの背景①「IT技術への期待の高まり」
以下の図はスポーツ庁が発表している資料から引用したものです。
引用:平成29年度「スポーツ産業の成長促進事業③スポーツ関連新事業創出支援事業」報告書
左側のグラフを見ていただけると、企業のIT投資額からIT技術への関心の高まりが分かります。また、右側のグラフは米国のベンチャーキャピタリスト(投資家)による「スポーツテック事業を行うベンチャー企業への投資額」を数値化したものです。右肩上がりに数字が伸びており、2010年から2014年までの4年間で投資額が3倍以上にも膨れていることが分かります。
IT技術への関心の高まりによって、様々な業種でIT技術を導入した技術革新が期待されていますが、それはスポーツ産業も例外ではありません。海外のスポーツテック市場の隆盛を受けて、スポーツテックという新たな形で日本のスポーツ産業をさらに盛り上げようという風が吹いていることが、現在スポーツテックに注目が集まっている一因と予想されます。
スポーツテックの背景②スポンサー市場の規模
以下の図はスポーツ産業の要であるスポンサー企業の市場規模を表したグラフです。
引用:平成29年度「スポーツ産業の成長促進事業③スポーツ関連新事業創出支援事業」報告書
世界のスポンサーシップ市場は増加傾向にあり、2007年から2017年までの10年間で2.8兆円もの伸びを記録しています。また、サッカーのプレミアリーグとJリーグを比較した右側の図からは日本のスポンサー市場の伸び率の低さが見て取れます。スポーツテックという革新的な技術は、市場規模や伸び率が低い国内のスポーツ産業から「市場拡大のための起爆剤」として期待されているのです。
こうした背景を受けて、スポーツテックにはこれからさらに注目が集まっていくのではないか、と予想されます。
スポーツテックの事例
ここからは、スポーツテックの事例について詳しく解説していきます。
eスポーツ
エレクトロニック・スポーツの略称として定着しつつあるeスポーツもスポーツテックの一環と言えます。プロゲーマーたちがネットを通して対戦するeスポーツは、従来の「スポーツは身体を動かすもの」という概念を覆し、国内でも多くの企業がeスポーツ産業に参入しています。
2017年の段階で3.7億円程度だったe-スポーツの市場規模が、2018年には48.3億円を超える規模に成長しており、前年に比べて13倍に膨れ上がっています。
プロゲーマーを養成する学校も誕生するなど、これからさらに市場規模が拡大していくと見られているeスポーツ。今後の動向から目が離せません。
参考:2018年日本eスポーツ市場規模は48.3億円と推定 ~Gzブレイン発表~
ウェアラブルトレーニングサービス(Omegawave社)
フィンランドに拠点を置くOmegawave社では、選手の脳や心臓にウェアラブル端末を貼り付けて活動電位を計測し、運動に適した状態か否かを測定できるようなサービスを提供しています。米国の総合格闘技団体(UFC)ではすでにこの技術を採用するなど、先進的なスポーツテックを活用するスポーツ団体も誕生。
国内でも東京オリンピックのトライアスロン日本代表やサッカーのファジアーノ岡山など、様々なチームが導入を決定しています。
参考:スポーツ×テクノロジーで世界を変えるスタートアップ発掘「SPORTS TECH TOKYO」成果発表会レポート
SportsCastr(SportsCastr社)
試合観戦しながら簡単に実況中継ができるライブストリーミングプラットフォーム、SportsCastrもスポーツテックのひとつです。誰でも「実況者」として観戦中の試合を配信できる当サービスは、eスポーツにも適用可能。
観戦者の外側にさらにサポーターを創出できるので、スポーツ産業の影響をより広く届けることができます。国内でも日本バレーボールリーグ機構の公式配信サービス「V.LEAGUE TV」への対応が検討されるなど、導入に期待が高まっている技術です。
参考:SportsCastr
スポーツテックでスポーツがさらに身近なエンタメに
エンタメとして人気の高いスポーツですが、ルールを知らなければ楽しめなかったり、気軽に楽しむためにはハードルが高かったりという課題が存在していました。スポーツテックによってその課題がクリアされ、誰でも気軽にスポーツが楽しめるようになれば、スポーツ産業はこれからさらに盛り上がりを見せていくでしょう。
スポーツテックの今後の展開に注目です。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
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