プロダクトマネージャー(PDM)とは、IT業界やベンチャー企業に多く見られる役職のひとつです。

形になっていないアイデアや設定された目標を実現するために、様々な角度から実行可能な施策を打ち出して目標や目的達成を目指すのがプロダクトマネージャーの役割。しかし、実際にプロダクトマネージャーがどんな職業なのか、求められるスキルは何なのか、という点について理解している方は少ないのが現状です。

この記事では、プロダクトマネージャーが果たす役割や求められるスキルについて詳しく解説していきます。

プロダクトマネージャーとは

プロダクトマネージャーとは、設定された「目標」や「目的」を実現するために指揮をとる方、またはその立場を指した言葉です。

プロダクトマネージャーと近しい立場、名称の役職として「プロジェクトマネージャー」というものが存在します。プロジェクトマネージャーはプロジェクトの遂行を任される立場で、プロダクトマネージャーの直下に存在する役職です。ベンチャー企業を例にして考えてみるとそれぞれの立ち位置がはっきりするので、立ち上げ間もない企業を例に取って考えてみましょう。

まず、「こんな商品、サービスを実現したい」「世の中をこんな風に変えていきたい」というCEOの意思が先に存在します。その意思を実現するために、「意思」を「プロダクト」という目に見える価値に変換するのがプロダクトマネージャーです。プロダクトマネージャーは予算やリソースといった制限を無視して「こんなプロダクトがあれば理想が実現できる」という構想を打ち立てます。その構想を具体化させるためにプロジェクトに落とし込み、必要な予算やリソースを用意してプロジェクトを進行管理していくのが「プロジェクトマネージャー」です。

プロダクトマネージャーは他のどの立場にいる方よりもそのプロダクトを愛し、熱意を持ってプロダクトの生産に当たるのが理想です。そうでなければ、顧客のニーズとかけ離れたものが生まれてしまったり、プロダクトのクオリティが低いためにユーザーが生まれなかったり、といったゴールにたどり着いてしまいかねません。

CEOの想いや企業の理想を「プロダクト」という軸で実現するのがプロダクトマネージャーという立場であり、そのためには自分が心から満足できるプロダクトを生み出して、企業とユーザーをつないでいかなければなりません。

プロダクトマネージャーの役割

プロダクトマネージャーの役割は「プロダクトの立案、生産」です。プロダクトには有形無形様々なものがありますが、いずれにせよ自社の生命線となる重要な商品であることに変わりはありません。

だからこそ、誰よりプロダクトに心血を注ぎ、ユーザーが利用したくなるような魅力的なプロダクトを生産することが求められます。また、CEOなどの上司から下される「前年比150%の売上を実現してくれ」という要望に答えていくのもプロダクトマネージャーの役割です。プロダクトの価値を高めて、企業が示した道筋へ進むためのエンジンを生み出し続けるのがプロダクトマネージャーと言えます。

プロダクトオーナーとの違い

プロダクトマネージャーと似たような意味を持つ「プロダクトオーナー」という言葉を聞いたことがある方も少なくないでしょう。

プロダクトオーナーとプロダクトマネージャーを一言で言い表すと、プロダクトマネージャーは上流工程を担当する、顧客や市場寄りの「デベロッパー」のような立ち位置。プロダクトオーナーは下流工程を担当し、設計図をもとに条件を満たすプロダクト開発の指揮をとる「建築士」のような立ち位置です。

プロダクトマネージャーは顧客が求めているものを的確にキャッチし、売れるプロダクトを考案しつつ、自社の目標や目的の達成に責任を持つのに対し、プロダクトオーナーはプロダクトマネージャーから手渡された条件やニーズを満たすようなプロダクトの生産に責任を持つので、担当する職務も異なります、