プロジェクトマネージャーとの違い

プロダクトマネージャーとよく混同される「プロジェクトマネージャー」という役職も存在します。プロジェクトマネージャーは、プロダクトマネージャーやプロダクトオーナーの手によって生み出されたプロダクトをいつ、どのように実装するかという点に責任を持つ、現場監督のような立ち位置です。

上流工程から見ていくと、

  1. プロダクトマネージャーによってプロダクトAが考案される
  2. プロダクトオーナーがプロダクトAに備えるべき機能を明確化
  3. プロジェクトマネージャーによって人的リソースをどのように配分していくのか、いつまでに何を完成させていけば良いのか、という細かなスケジューリングが行われる

という流れになります。

それぞれの立場によって担当する職務内容が異なるため、求められる能力やスキルセットも異なります。

参考:プロダクトマネージャーが顧客寄り、プロダクトオーナーが開発寄りの役割を担う製品開発プロセス

プロダクトマネージャーに必要なスキル

プロダクトマネージャーには大きな責任がかかっているため、そのぶん様々なスキルが必要となります。業種や企業の領域によって求められるスキルは細かく分かれますが、一般的には、以下のようなスキルや能力、経験が求められるでしょう。

  • ユーザーニーズを把握しプロダクトへ落とし込む能力
  • プロダクトの生産に対する知見や経験
  • 市場の動向に対する高い洞察力

プロダクトマネージャーは「プロダクトの生産」という観点から企業の今後をデザインする立場です。そのため、ユーザーのニーズを正しく察知し、どんなプロダクトを生産すればユーザーが喜んでくれるのか察知する観察力と、そのニーズをプロダクトへ落とし込む想像力が必要不可欠でしょう。

また、プロダクトの生産に対する知見や経験も必要。ユーザーニーズを満たしていたとしても、資金や人的リソースの観点から見たときにあまりに実現不可能なプロダクトを考案しても、プロダクトマネージャーとしてはイマイチです。プロダクトの生産や販売の経験を通して、実現可能性を肌感で理解できているプロダクトマネージャーでなければ、企業にとって本当に必要なプロダクトマネージャーとは言えません。

プロダクトがユーザーの手元に届く前には必ず市場を経由します。数あるプロダクトの中から自社のプロダクトを手に取ってもらうためには市場への理解が必要不可欠です。新たなトレンドを敏感にキャッチしたり、自社が参入している(いく)市場の状況を分析できる能力がなければ、プロダクトを顧客へ届けられず、設定した目標・目的を達成できない可能性が生じます。

プロダクトマネージャーは企業の想いと顧客をつなぐ架け橋

企業ごとにプロダクトマネージャーの業務範囲は異なるため、この記事で紹介した能力に加えて他の能力が求められる可能性も存在します。これからプロダクトマネージャーとして活躍しようと考えている方や、プロダクトマネージャーに抜擢された方は、改めて企業が求めているゴールは何なのか、それを達成するために必要な要素は何なのか洗い出してみることをおすすめします。

参考:
エンジニアがプロダクトマネジャーになるには? シリコンバレー在住13年の日本人PMに聞く