株式会社 電通グループの海外本社である電通イージス・ネットワークは、世界59カ国・地域から収集したデータを元に、「世界の広告費成長率予測(2019、2020年予測改定と2021年の新規予測)」を取りまとめた。

世界の広告費推移(地域別)

「世界の広告費」は11年連続で成長

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出典:「世界の広告費成長率予測(2019~2021)」を発表|dentsu group News

2019〜2020年にかけての世界の広告費成長率はそれぞれ2~3%台で、11年連続堅調な足どりで伸長。2020年は、東京2020オリンピックや米国大統領選挙などの世界的イベントが予定されているため、世界5地域すべてで2019年の成長率予測を上回ると予測されている。

媒体別のシェア予測(全世界)

2021年には広告費の約半分が「デジタル広告」と予測

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出典:「世界の広告費成長率予測(2019~2021)」を発表|dentsu group News

デジタル広告費のシェアは、2018年にテレビ広告費を上回ってから、2019年43%、2020年45.7%と順調に成長しており、2021年には構成比の約半分に迫る勢い。昨今のオンライン動画広告ソーシャルメディア広告の成長や、デバイスにおけるモバイルの貢献が、デジタル広告市場全体の成長を牽引していると考えられる。

媒体別成長率予測(全世界)

2019、2020年はデジタルの二桁成長が顕著。テレビとラジオは回復傾向に

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出典:「世界の広告費成長率予測(2019~2021)」を発表|dentsu group News

従来型メディアの成長率は、新聞△7.1%、雑誌△6.3%と下降傾向だが、テレビとラジオはプラス成長の見通しであることが興味深い。電通イージス・ネットワークによると、世界各地のデジタルの成長が、テレビ・ラジオなどの成長を後押ししているようだ。昨今の音声アシスタントやアドレッサブルTV(インターネットTV端末等に視聴者特性に合わせて広告を個別配信するプログラマティック広告)などが、テレビ広告の成長に貢献していると見られている。

2021年もプラス成長の見通し

東京2020オリンピック・パラリンピックの開催も控えているため、2020年の日本の広告市場成長率は昨年を上回ると予測されている。デジタル広告と従来型メディアの組合せによる広告施策なども拡大傾向にあるため、2021年も引き続き成長率はプラスを維持する見通しだ。

参考:「世界の広告費成長率予測(2019~2021)」を発表