リブラ(Libra)はなぜ価格変動が起きにくいのか?

Libraの最大の特徴は価格変動が起きにくい通貨である、という点です。Libraの発行団体であるLibra協会は常に「発行されているLibraの総価格より多くのリザーブ資産を保有しておく」ことを明示しています。これにより、市場に出回っているLibraの数が多く、価値が低下してしまった場合はリザーブ資産によってLibraを買い戻して価格を適性に保ち、反対に価値が高まった場合はLibraを追加で発行して流通量を増やし、市場をコントロールする機能を持っておく、と発表しています。

こうした機能を持った仮想通貨Libraは、大きな価格変動が起こらないと予想されているのです。

リブラ(Libra)は今までの仮想通貨と何が違う?

Libraと他の仮想通貨の一番の違いは「発行目的」にあります。現在、全人口のうち1/3の方が銀行口座を持っておらず、貧困によって金融インフラを享受できない方が少なからず存在しています。そういった方に対しても金融インフラを届け、世界の金融インフラを整えるために発行される仮想通貨がLibraなのです。

銀行口座がなくてもスマートフォンなどの電子機器があればLibraを介して物を売買できるようになるので、預金や入金の概念を大きく変える可能性を秘めている仮想通貨という点で、他の仮想通貨とは大きく異なると言えます。

リブラ(Libra)の課題や懸念

Libraの開発について課題や懸念事項もいくつか挙げられています。まず気になるのが「セキュリティの脆弱性」です。

サービスの脆弱性を発見したハッカーに報奨金を支払うプラットフォーム「HackerOne」と提携して脆弱性の発見に努めていますが、素直に申告するハッカーだけではないという点が1つの懸念点となっています。

他にも、Libraのウォレットである「Calibra」は政府が発行する顔写真付きの身分証で発行できてしまうため、悪用される可能性も捨てきれません。

こうした詐欺被害に遭った方のために補償制度が用意されている点は流石と言わざるを得ませんが、詐欺被害が続出すればLibraというブランドそのものに悪影響を及ぼすため、価格変動が生じることは避けられないでしょう。これらのリスクをどうクリアしていくのか、という点についても注視していく必要があります。

リブラ(Libra)の購入方法

Libraの購入方法については、大きく2つの方法がありますが、2020年3月の時点ではまだLibraを購入することはできません。正式リリース前であり、どの取引所にも上場していないことが理由です。そのため、ここで紹介する購入方法は現時点での購入方法ではない、ということを念頭に置いておいてください。

まず1つ目は、海外の仮想通貨取引所で購入する方法です。日本国内の仮想通貨取引所に上場することは考えにくいので、海外の仮想通貨取引所に上場すると予想されます。Libraと交換するためにビットコインやイーサリアムといった別銘柄の仮想通貨を手に入れておくと、上場後にスムーズにLibraを手に入れられるでしょう。

もう1つの入手方法はLibra協会から発行される方法ですが、こちらは非現実的な手法です。Libra協会から直接発行してもらうためには、日本円で約10億円の現金と、2000万人の自社ユーザーが必要で、国内でもかなり大規模な事業者でなければこの方法は取れません。

つまり、現時点ではLibraが海外の仮想通貨取引所に上場したタイミングで手持ちの仮想通貨と交換するのが最も手早くLibraを手に入れる方法であると言えます。