“データ×AI×SaaS”で中小企業でもデータドリブンなWebマーケティングを可能にする株式会社WACUL(読み:ワカル)の社内研究所「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」は、企業がマーケティング施策として行うメールについてのベストプラクティスに関する研究の結果を発表しました。

「件名」と「配信タイミング」について調査

この研究では、メルマガ配信・一斉メール配信サービスを行っている株式会社ラクスとの共同研究となっています。この調査では、人材派遣、職業紹介、食品や化粧品の通販サービス、投資助言、食品関連のマーケティング支援事業サイトといった商材のメールを5000通送信し、開封率の高いメールの特性を「件名」と「配信タイミング」で確認したものとなっています。

開封率の高い「件名」は?

まずは開封率の高いメールの「件名」を分析。その結果、以下のような傾向がありました。

  • 読者の知見となるテーマを件名に明記
  • 限定感を醸し出す
  • 読んでほしい対象者を限定
  • 社名・サイト名を入れない

逆に言えば、これらと逆の「件名」のメールは読まれにくいということ。たとえば件名に「【配配メール】セミナーのご案内」などは開封率が低いということになります。

開封率のメール配信のタイミングは関係ない

なお、開封率を高めるためにメール配信の時間帯を調整するというのは昔から行われている方法ですが、これはあまり意味がないという結果に。

以前はメール受信者が時間的に余裕のある時間帯を狙った配信をするといった手法が採られていたこともあるが、最近はスマホでいつでもメールが受信できる環境にあるため、深夜帯以外はほとんど差異がなかったようです。

なので、メール配信に関してはあまり時間帯は気にする必要はなさそうです。

反応率の高いメールの条件

メール配信によるマーケティングの場合、ただ開封されるだけでは意味がありません。内容を読んでもらい、何か反応をもらうことが必要となります。

今回の調査から、反応率の高いメールには以下のような特徴があることが判明しました。

  • 件名で内容を具体的に記載
  • メール本文のファーストビューで件名についての詳細な情報や補足情報が記載されている
  • リンクはクリッカブルにしてわかりやすくする

特に、ファーストビューは重要。件名が「春期期間限定」であれば本文のファーストビューは「2020年4月20〜30日」というように、「件名」で不足している情報を具体的に記載することが重要です。

また、GoogleアナリティクスなどとURLリンクを連携させ、メールのデータ分析ができるように設定しておくことも忘れないように。効果が視覚的に捉えられなければ、意味がありません。

時代の流れに合致しているか再確認を

株式会社ラクス安藤氏は「メルマガは長い歴史を持つデジタルマーケティングの手法です。定説と呼ばれるものについては、それが時代の流れに合致しているのかということを定期的に確認する必要があるでしょう」とコメントしています。

メールマーケティングは、デジタルマーケティングの基本中の基本。ただ情報を羅列したメールを配信するだけでは、なかなか成果は現れません。今回の研究から「件名」と、本文のファーストビューがとても重要であることがわかりました。

今回の研究成果は以下にまとめられています。今一度メールマーケティングを見直してみましょう。

参照:クリックしてもらえる可能性が高いメールの件名と本文とは?メールのベストプラクティス研究(Vol.1)|株式会社WACUL