商品がどんなに品質の良いものでも、ターゲットが定まっていない、ネーミングのキャチーさがないと全く売れないこともあります。

物が溢れかえる世の中で、マーケティング戦略なしで商品を売ることは難しいでしょう。今回は、実際に売り方を変えてヒットした商品とその理由を解説します。自社商品の売り方をどのように変えられるのか?以下で紹介する商品の中からヒントを得てみましょう。

マーケティングマジックは実在するのか?

そもそもマーケティングマジック」とは何なのか?実際にマーケティングマジックという言葉は正式にはありません。私たちが使うマーケティングマジックとは、売り方の戦略を変えて商品がヒットしたことを指します。商品自体の質が変わっていなくても、アピール方法を変えることで売上が倍増したり、昨年と対比すると大幅に変わったことを指します。

実際に売り方を変えてヒットした商品

【通勤快足】名前を変えて売上好調

「フレッシュライフ」という名前から「通勤快足」に変更しただけで、空前の大ヒットとなった防菌防臭靴下があるのをご存知でしょうか?マーケティング戦略を考えている人は、一度は聞いたことのある話かもしれません。

株式会社レナウンが1980年代に打ち出した商品で、元々は「フレッシュライフ」という名前で高度経済成長期で働くサラリーマンに向けて売り出した靴下でした。発売当時の売上は1年間で約1億円前後に留まり、思うように売れない状況でした。

満員電車で通勤をする社員の1人がフレッシュライフを「満員電車でも足がむれない清潔な靴下」と例えたことで、新しいネーミングを考案し「通勤快足」と改名しました。商品改名後、売上は右肩上がりで、年間最高27億円を売りあげるほどに。

価格は変わっていないのに、ここまで大ヒットした理由はイメージのしやすさでした。「通勤快足」という名前は、通勤中の足の蒸れに悩んでいる人にとっては刺さりやすいキャッチーな言葉だったのです。

「これを履けば、通勤で蒸れる足から解放される」とパッと見ただけでわかります。購買するターゲットに合わせた言葉選びが、大ヒットに結びつけた例と言えるでしょう。

参考:ブランドなんでもランキング
不況でも売れるモノは売れている! ヒットを飛ばす商品には理由がある

【シーブリーズ】ターゲットを変えて再ブーム

今や中高生が使っているイメージが強い、資生堂が展開する「シーブリーズ」(制汗剤)ですが、発売当初の1970年代頃は、サーファーや夏のイメージのあるスポーツ選手(男性)をターゲットにしていました。

しかし、発売から数年経って、ターゲットにしていた20代の若い男性たちの海へ行く機会が減っていき、マリンスポーツの需要が下降傾向となったことから、シーブリーズの売上が低迷したのです。

そこでシーブリーズが2007年に打ち出したのが、商品ターゲットを思い切って変更する戦略です。今までのターゲット層である「マリンスポーツをする20〜30代男性」から「部活後に好きな男の子のために制汗剤を使う女子高生」に変更。

女子高生が好きな可愛らしいパッケージに変え、カラフルで香りも選べるラインナップを作りました。さらに、テレビCMでは女優が扮した女子学生が、男子学生に恋するシーンを演じたことでシーブリーズのブランドイメージを大きく変えたのです。

このターゲットを転換する戦略により、シーブリーズは1年で低迷期の8倍の売上を記録し、再ブームを起こしました。

参考:100年の歴史
マーケター志望者必見!資生堂から学ぶ:マーケターに求められるスキルセットとは?

【明治 ザ・チョコレート】パッケージを変えて売上倍増

通常のチョコレートよりも2倍の価格を設定した「明治 ザ・チョコレート」は、パッケージの見た目を変えたことで、1年間で3000万個も売り、大ヒットとなりました。

明治は2014年にも高級チョコレート市場に挑戦しましたが、思うように売れず失敗。2016年に改めてパッケージの特徴を変えたことで、当初の販売計画の2倍も売れる商品となりました。

具体的には、通常横型デザインのパッケージが多いチョコレートをあえて縦型デザインにし、スマホ普及の時代背景に合わせてSNSに映えるパッケージを意識。

その他にも、カカオの実をパッケージデザインにあしらうことで、カカオから作った高級感を伝え、生活に余裕のある50代の層にもヒットしています。斬新なパッケージデザインの改良で、高級チョコレートの販売を成功させたのです。

参考:なぜ明治「ザ・チョコレート」は成功したのか?元日経MJ編集長が語る、ヒット商品の条件とは

【バスチー】PR方法を変えて大ヒット

ローソンのチルドスイーツである「バスチー」は、発売から3日で100万個を達成する大ヒット商品となりました。濃厚でひと口サイズの本格バスクチーズケーキが多くの人に受けています。

「バスチー」を”手頃に買えるコンビニスイーツのチーズケーキ”として定着させたローソンですが、過去に発売したチーズケーキでの失敗が活かされているようです。

今回の「バスチー」はSNSで拡散できるような商品設計をして、結果的には激戦であるコンビニスイーツの新定番とも言える商品になりました。

主にSNS拡散のために設計した点は以下の通り。

・拡散されやすいキャッチーな名前
・目に付きやすいパケージ
・ひと口サイズの可愛さ

戦略通り、CMや雑誌などの媒体の他、SNSでの商品のPRは成功。Twitterのリツイート数(拡散数)はこれまでのスイーツ商品の中でも多い結果を叩き出したようです。

PR市場を少し変えることで、商品が拡散されてヒット商品に繋がったのです。

参考:「バスチー」大ヒットに導いた! 群を抜く、ローソンのデザートマーケティング