USP(Unique Selling Proposition)という言葉をご存知でしょうか。
ビジネスを行うのであれば自社の強みを明確に定義する必要がありますが、自社の強みを集約し、顧客に伝わりやすくしたものが「USP」です。

今回は、「USP」の概要と事例をご紹介します。

USPとは

USP(Unique Selling Proposition)とは、商品やサービスが持っている独自の強みを意味するマーケティング用語です。

「自社が持つ独自の強み」と言い換えても良いかもしれませんが、USPの場合は、単なる強みの提示ではなく、「顧客に対して、自社だけが約束できる利益」を指します。

顧客側からしても、あらゆる商品やサービスが溢れるなかから1つを選び出さなければいけない時、USPが明確で自分にとっての利益が理解できれば迷う必要がなくなります。

USPは、1960年代にアメリカのコピーライターであるロッサー・リーブス氏によって提唱され、50年以上経った今でも重要な概念として多くのマーケティング活動に活かされています。情報化社会が進み、あらゆる商品・サービスのコモディティ化が進む今の時代ではより必要とされる存在となっています。

USPを作るときの考え方

USPは、概念としてはシンプルですが、果たして自分のビジネスにUSPがあるのか、頭を悩ませてしまう人も多いのではないでしょうか。USPを探すには、まずは以下の項目に関して自社の提供する製品・サービスの特徴を整理してみるとよいでしょう。

  • 価格
  • 品質の高さ
  • スピードの速さ
  • サービスの充実
  • カスタマイゼーション可能性
  • 保証は充実度
  • ラインアップの広さ
  • 利便性
  • 専門性

上に挙げたなかでUSPとなりそうなものがあれば、それを具体的な形にしていきます。例えば、スピードに自信がある場合、ただ「早い」「速い」ではなく、ドミノピザのように「30分」と明確に分かりやすい形にした方が効果的で独自性が出ます。USPを考える際の7つのコツを以下にご紹介します。

1.ユニークで個性であること

基本的でありもっとも重要なことです。ほかの人が簡単に真似できる価値であっては、USPとはなり得ないからです。
製品自体の独自性や機能の高さにおいてユニークさを実現するのは簡単ではないと思われるかもしれません。しかし、市場のニーズは絶えず変化し、それに合った新しいサービスは常に求められています。例えば、QBハウスは既存の美容院・理容店に存在する充実したサービスを取り除くというアプローチでユニークさを実現しました。

2.複数の考え方を掛け合わせること

1つの考えに固執せずに、複数の考えを掛け合わせることで、新たな価値が生まれることがあります。例えばCCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が展開する蔦屋書店は、本屋とカフェ空間が掛け合わされて生まれた新たな価値であると言えます。

3.ニッチな市場をターゲット都市、ニッチ分野での専門性を売りにすること

狭い市場のなかで、専門性を活かすことがUSPになります。例えば、あなたの会社がWeb制作会社だったとして、医薬品通販専門のWeb制作サービスを提供する、あるいは、あなたが弁護士だったとして、セクハラ被害専門の弁護士になるなどです。消費者や発注する側の心理としては、自分が抱えている問題の解決に特化している専門家を選びたいものです。

4.全員に喜ばれようとしないこと

すべての顧客に喜ばれる商品やサービスを追求すると、結果として標準的でつまらないものとなってしまいます。自分が提供するユニークな価値を求める一部の顧客を喜ばせることが重要です。一部の顧客と強い結びつきを築きあげることで、より速いスピードでその影響力を広めることができるからです。

5.新しいビジネスの場合は、タイミングをはずさないこと

これまでに世の中になかった新しいビジネスを始める場合は、USPをなるべく早い段階で決めて、同じビジネスを他社が始める前に、タイミングよくそのUSPを広めるのが成功のカギです。あなたの会社が最初に始めたビジネスであっても、USPを決めるのが遅ければ、あとから同じビジネスを始めた企業がインパクトの強いUSPを発信した場合、その会社のほうが消費者に強い印象を与え、そのビジネスのリーダー的存在とみなされてしまう可能性があります。

6.商品の機能の高さはUSPではない

技術開発に力を入れている場合は、自社商品の持つ優れた品質・機能がUSPであると考えてしまいがちです。しかし、たとえどんなに優れた品質でも、消費者にとって価値あることと認識されなければ、USPではありません。実は消費者は独自性の高い機能よりも、安さ、便利さなど別の価値を求めているかもしれません。

7.USPは商品・サービス開発の指針になる

企業側がUSPだと思っている提案が消費者のニーズとマッチしない場合は、製品・サービス自体に問題がないか見直す必要があるでしょう。消費者に刺さる価値を指針に製品・サービスを開発・改善すれば、USPがどこにも見当たらないサービスを開発してしまうリスクが減らせます。