マーケティングの手法は時代に合わせて刻々と移り変わっていきます。その中でも最もユーザーに近い広告手法は、ユーザーのニーズや生活様式の変化に合わせて柔軟に変化を続けているのです。そして、近年注目を集めているのがタクシー広告デジタルサイネージやリーフレットを設置して広告を行う手法ですが、具体的にどのような効果や種類があるのか、費用はどれくらいかかるのかといった点について、詳しく見ていきましょう。

タクシー広告とは?

タクシー広告とは、タクシーに広告を設置し、乗客に見てもらうことで、乗車時間中に企業やサービスの内容についての理解や共感、愛着を持ってもらうことを目的とした広告手法です。

タクシーの乗車時間は平均すると18分とされていますが、電車やバスに比べてプライベートな密室空間になるため、広告に興味を持ってもらえれば、公共交通機関に掲載する広告よりも高い訴求効果が望めます。

また、近年はタクシーの配車サービスが多数誕生しており、タクシーの利便性が向上したことからもタクシー広告への興味が一気に集まっているタイミングと言えます。

タクシー広告の種類・メニューと費用

ここからは、タクシー広告の種類やメニュー、費用について詳しく見ていきましょう。

サイネージ

タクシー広告の中でも注目を集めているのがサイネージです。助手席や運転席の裏側に取り付けられたサイネージに動画広告を表示し、自然に後部座席の乗客から視線を集められる効果があります。

1台あたり月額1,000円〜の費用がかかりますが、高い訴求効果が期待できます。

リーフレット

後部座席からみて足元、助手席や運転席の裏側にリーフレットを差し込む形で広告を掲載することも可能です。

リーフレットという形の利点として、暇な移動時間に乗客が手に取りやすく、タクシーという落ち着いた空間なので周りを気にせず読みやすいというメリットがあります。また、消費されたリーフレットの冊数から広告の効果測定を行いやすいという点も魅力的です。

1台あたり月額1,000円〜の費用がかかります。

ステッカー

乗客が車窓から外の景色を眺めたときに自然と目に留まるのがステッカー広告です。社内からはもちろん、社外からタクシーに目を留めた歩行者からも見てもらえるので、動的な視覚効果はないものの高い効果が期待できます。

1台あたり月額1,000円〜の費用がかかります。

リアステッカー

タクシーの後ろ側のガラスに掲載するステッカータイプの広告です。タクシーという特性上、広告のターゲットは乗客に絞られがちですが、道路を走る後続車もターゲットと捉えるとリアステッカーは非常に有力な広告と考えられます。渋滞のときなど、ふと目に留まる機会は多いので、エリアなどからターゲットをしっかりと絞り込んで掲載してみるのも良いでしょう。

1台あたり月額3,500円〜の費用がかかります。

サンプリング

タクシーから降りるときに乗務員から直接手渡しで商品のサンプルやクーポン券などを配布するサンプリングという手法もタクシー広告の中では有力です。受け取ってもらう確率が高いため、印象に残りやすく、プラスのイメージを持ってもらえるのがメリットです。

1回あたり25〜30円程度で配布できます。

ラッピング

タクシーの車体の側面(ドア部分)に広告を掲載するラッピングは、歩行者や他のドライバーへの広告効果があります。デザインによっては強く印象に残る広告に仕上がるので、是非検討したい広告手法です。

1台あたり月額8万円〜の費用がかかります。

レシート

タクシー料金のレシートの裏面などに広告を印刷する手法もよく選ばれています。領収書をもらう方も多く、目に付きやすいのが特徴です。

1巻あたり270円〜の費用がかかります。

参考:タクシー広告の広告効果、メニューの特徴・料金、成功事例などを案内

タクシー広告の効果が高い理由 

ここからは、タクシー広告が注目を集めている理由のひとつ、「費用対効果の高さ」について詳しく見ていきましょう。

大きく3つの要因から、タクシー広告は効果が高いと考えられています。

  • 接触時間
  • 閉鎖空間
  • ターゲット

ひとつずつ見ていきましょう。

接触時間

タクシー広告の効果が高いと言われている理由の一つが*「接触時間の長さ」*です。

タクシーの乗車時間は、乗客の目的地によってばらつきがあります。その上で平均的には16分程度の接触時間が確保できると言われており、他の媒体で載せる広告よりも長く目に留められます。

接触時間が長いことで、記憶として定着しやすかったり、より深く企業やサービスの魅力を伝えられたりといったメリットがあるため、タクシー広告が選ばれているのです。

閉鎖空間

タクシーは他の公共交通機関のように他者の存在がないため、ゆったりとリラックスした状態のユーザーに訴求できるのがポイントです。また、閉鎖空間ということもあり、広告のように目を引く存在があればそこに注意が向きやすくなります。

他者の目を気にせず広告に触れやすい環境を提供しているタクシーは、広告を掲載するのに適していると言えるでしょう。

ターゲット

*タクシーのユーザーは富裕層が多く、可処分所得が多い層にリーチできるのもメリットの一つです。*多くの人に広告を届けることも大切ですが、それ以上に広告によって興味を持ってくれたユーザーがどれだけの売上をもたらしてくれるのか、という点も考慮すると、タクシー広告は魅力的な広告媒体と言えるでしょう。

タクシー広告の事例

タクシー広告を掲載している企業は数多く存在します。ここからは、事例を動画とともに見ていきましょう。

THEO+

プロとAIに資産運用を任せられる投資アプリのTHEO+は、タクシー広告としてデジタルサイネージにCMを出稿。タクシーを利用するビジネスマンなどを対象に、投資に興味を持ってもらえるような内容に仕上げた広告を配信しています。

サービスのターゲットを見極めた上で、広告の内容を合わせていけばより高い広告効果が期待できるでしょう。

タクシー広告を加速させるモバイル配車アプリの存在

タクシー広告を促進した背景には、DiDiやmovなどの配車サービスの誕生が起因しています。中でも株式会社ディー・エヌ・エーが提供しているmovは「0円タクシー」としても注目を集めました。

広告主が運賃を支払うことで、乗客は1円も運賃を支払うことなく目的地までタクシーを利用できます。

タクシーは外観から社内に至るまでしっかりと広告媒体としての機能を果たしており、乗客に強い訴求効果を与えます。また、配車サービスはスマートフォンから予約できるため、カメラから利用者の年齢や性別を認識し、車内で流す広告をターゲットに合わせて柔軟に変更することも可能になります。タクシーが持つ広告効果の高さを示した事例の一つと言えるでしょう。

広告モデルを塗り替えるタクシー広告という手法

これまでは多くの人が集まる場所に広告を展開することがセオリーでしたが、タクシー広告はターゲティングや質の高さに重きを置いた媒体と考えられます。今後のタクシー広告の動向には注目したいところです。

この記事を参考に、タクシー広告の概要を理解し、ぜひ、活用方法について検討してみてください。

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