本記事で学ぶ内容

・戦略的思考の重要性について理解できる。
・コトラーのマーケティング戦略について理解できる。
・イノベーター理論について理解できる。

世界に開けているインターネットでは、基本的には多くの企業が世界規模で注目されることになります。ただ、そのとき、大手なのかそうでないのかどうか、先進的かどうか、などさまざまな要素が絡み、生き残りをはかります。

規模に関係なく環境に対応し、長期的にしっかりとしたビジョンをもって歩むことが、とても重要になります。

本記事では、そんなWebマーケティングにおける、基本的な戦略について解説します。

戦略的思考の重要性

いくら資金や人材が豊富でも、数年ですぐに成功をおさめることはありえません。さまざまな環境の変化に対応しながら、市場のシェアをとっていく、そんな地道な活動には時間がかかるものです。

ですから、細やかな施策と同様に、つねに大局的な見つつ、自社のビジネスを進めていく必要があるのです。戦略とは数年単位で、具体的にどうゴールを目指すのか、という計画であり、戦術はそれを実現するためのさまざまな手法や手段といえます。

数年単位で活動するとき、当然、市場環境やユーザー、そして競合も変わってきます。そのときに、どういう可能性が多いのかを考えることで、より緻密な計画が立てられようものです。

前述の3C分析が、ある時点でのリサーチだとしますと、戦略立案はある程度、時間軸を考慮したものといえます。

>>Webマーケティングの基礎3C分析を使ってみよう|Ferret [フェレット]

よく利用される定番の戦略や理論について、次に紹介しましょう。

コトラーのマーケティング戦略とは

いわゆる業界内でどういうポジションを狙って戦略を進めていくのか、という発想です。競争地位戦略ともよばれ、1980年に経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱しました。

ビジネスの質やリソースを考慮し、自社にあったポジションをとっていくという目安になります。自社にあったポジションを意識しましょう。

リーダー
ある市場でトップシェアをとる存在。資金や規模など必要とされることが多い一方で、トップをとれれば、業界を牽引できる安定的地位を獲得できると言われています。

チャレンジャー
トップでないものの上位のシェアを握ります。一方でリーダーが目指さないような先進的な商品や、自社よりも弱いところを相手にしてシェアを広げ、業界にアピールします。

ニッチャー
独自のブランドや技術で、少ないながらも一定のシェアを獲得しようとする戦略です。得意分野を徹底的に絞り込み、トップやチャレンジャーも容易に参入できないようにすることで、安定した地位を獲得します。

フォロワー
チャレンジャーのように先進的な商品のアピールなどはせず、効率化や低価格化などを徹底的に行い、独自性を追求しないながらも、一定の利益を確保する戦略。

イノベーター理論とは

とくにインターネットなど、先進的な技術が中心となる市場において、よく考慮される理論がイノベーター理論です。

新しい技術が普及するときには段階があり、その段階ごとのユーザーには特徴があるというものです。

イノベーター(Innovators)
革新的な技術や新しいものを好んで利用する人たち。

アーリーアダプター(Early Adopters)
流行に敏感で、情報収集などを行い自ら判断して採用する人。業界などではオピニオンリーダーとも言われます。

アーリーマジョリティ(Early Majority)
流行には敏感ですが、比較的慎重にものごとを決めます。

レイトマジョリティ(Late Majority)
流行などには懐疑的なものの、ほかとの同調という点で採用します。アーリー、レイトと合わせたマジョリティが市場の7割を占めるとも言われています。

ラガード(Laggards)
もっとも保守的で流行や社会にはあまり感心がなく、社会的に必要とならないと採用しない人。

いっぽうでインターネットにおいては、アーリーアダプタまでを普及した商品やサービスはいくつもあるのですが、その先がなかなか越えられない(キャズムという壁とも言われます)ことも多いようです。どの層をねらったものなのか、しっかりと把握することが重要です。

Webマーケティングにおいては、どの層を狙うかによって、集客方法なども変えなくてはなりません。概念はしっかり理解しておきましょう。

ここがポイント

・戦略とは数年にわたる長期的なビジネスの計画。
・コトラーの戦略は業界のどのポジションを目指すのかに役立つ。
・イノベーター理論はどういうターゲットを目指すのかに役立つ。