ラテラルシンキングをご存知でしょうか。

水平思考ともいわれていますが、ロジカルシンキングと対比した問題解決をする思考法の一つとして知られています。
ロジカルシンキングは、ゴールに向かって一つずつステップを踏み順序立てた思考法で、一方のラテラルシンキングは、ステップを踏まずに新たな手段でゴールに辿り着く思考法です。

このラテラルシンキングを取り入れることで、様々なビジネスシーンに応用できます。
今、あなたが抱えている問題・課題を解決するキッカケとして活用できるでしょう。

今回は、ラテラルシンキングの基本的な考え方から実践方法までまとめました。

ラテラルシンキングは子どもの思考法

ラテラルシンキングは固定概念を崩す考え方ともいわれています。
固定概念が身についていない、子どもはこの思考法は得意です。

大人になるにつれて、当たり前と思えることが増えてきます。

しかし、その当たり前の情報が少ない子どもは疑問に思っています。
そのため、解決するために大人が思いつかないような答えを出すことも多々あります。

頭が柔軟であればあるほど、ラテラルシンキングが可能になります。
固定概念が身についてしまっている方は、その固定概念を疑うことから始めましょう。

「山登り」の例で挙げれば、山頂を目指すために山道を進んでも、ロープウェイを使っても、ヘリコプターで行っても山頂に辿り着ければ、どれでもいいのです。

前提を疑え!

ラテラルシンキングの思考法を身につけるためには、前提を疑うことが大切です。
ラテラルシンキングを活用した商品開発を例に取ってみましょう。

実用例1.失敗から生まれた3Mのポスト・イット

ポスト・イット
出典:3M

今では様々な活用方法が可能な3Mのポスト・イット。
弱粘着性の糊が使用されており簡単に貼れて剥がすことも容易である便利な文房具です。

しかし、ポスト・イットの開発秘話として有名なのが失敗した技術をうまく活用したということです。

当時、接着剤は強くて当たり前、弱い粘着性のものは失敗だと思われていましたが、ある時、弱粘着の糊ができてしまったそうです。
強力な接着剤という観点で考えたら失敗であることを、応用することで生まれたのがポスト・イットです。

ラテラルシンキングの発想法を活用すれば、失敗から新たな成功を掴むこともできる一例です。

実用例2.素材を変えたアラウーノ

アラウーノ
出典:パナソニック:アラウーノ

今では、よく見られるようになったアクリル樹脂素材を使ったトイレの便器ですが、一昔前は、トイレの便器は陶器製が当たり前でした。
その陶器を使うという前提を疑って、新素材にチャレンジしたのがパナソニックのトイレ「アラウーノ」シリーズです。

当時、利用者がトイレに求める”常に綺麗なトイレ”を実現するための課題として、陶器という素材自体が汚れの溜まりやすい原因であることが分かりました。
それを解決するために、これまで当たり前だった陶器の素材ではなく、新たな素材としてアクリル樹脂系の素材を採用しました。

ラテラルシンキングを用いて、業界の常識を覆し、新たなチャンスが広がた実例の一つです。