特別対談

3月2日に開催された「勝手にマーケティング大学」主催の特別対談にお邪魔してきました。「「先を読み、未来を描き、壁を突破する」ベンチャー成功に必要な「3つのちから」」をテーマに、各界のイノベーターである佐渡島氏、佐々木氏、佐藤氏の3名のパネラーに加え、日経編集委員の大西氏を特別モデレーターに迎え白熱した議論が展開されました。今回は前半戦の様子をレポートします。

イベント後半の様子はこちら

勝手にマーケティング大学とは?

横山氏が主宰する「勝手にマーケティング大学」は、学生からプロのマーケターまで、マーケティングに関心のある全ての人を対象に、無料の勉強会・講演を開催されています。
コミュニティ内での交流も図れるため、同じ課題を抱えている人と交流したい、マーケティングのプロに相談したいという方にもおすすめです。

勝手にマーケティング大学
公式ホームページhttp://kmarketing-univ.jimdo.com/
Facebookページhttps://www.facebook.com/groups/220933964709132/

登壇者

司会

横山 弘毅氏

株式会社シンドバッド・インターナショナル マーケティングセクション マネジャー
マーケティングに関するあらゆるノウハウが学べる「勝手にマーケティング大学」主宰。毎回多種多様な業界からトップランナートを招き、不定期で勉強会・講演を実施。

特別モデレーター

大西 康之氏

日本経済新聞社編集委員
1965年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、日本経済新聞社入社。産業部に記者として配属後、1998年から欧州総局(ロンドン)駐在、2004年から日経ビジネス記者、2005年から同編集委員、2008年から日本経済新聞産業部次長、2012年から産業部編集委員。コンピューター、鉄鋼、自動車、商社、電機、インターネットなど幅広い業界を担当する。著書に『稲盛和夫 最後の闘い』(日本経済新聞出版社)、『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』(日経BP社)などがある。

パネリスト

佐渡島 康平氏

株式会社コルク 代表取締役社長
1979年生まれ。東京大学文学部英文学科卒業後、2002年講談社に入社。モーニング編集部に配属。『バカボンド』(井上雄彦)『ドラゴン桜』(三田紀房)『宇宙兄弟』(小山宙哉)など多数の人気作品の編集を担当。2012年に講談社を退職し、株式会社コルクを設立。作家エージェント事業を手がける。

佐々木 紀彦氏

株式会社ユーザベース執行役員 NewsPicks編集長
1979年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社に入社し、自動車、IT業界を担当。入社5年目に2年間休職し、スタンフォード大学大学院で修士号を取得。帰国後は『週刊東洋経済』編集部に所属。2012年『東洋経済オンライン』編集長に就任し、全面リニューアルを行い、最高月間PVが5500万を超える人気メディアに成長させる。2014年9月より株式会社ユーザベース執行役員、ニュースアプリNewsPicks」編集長に就任。

佐藤 航陽氏

株式会社メタップス 代表取締役
1986年生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立。2011年6月にシンガポール子会社を設立し、アプリ収益化支援プラットフォームmetaps」をリリース。その後、世界8拠点で事業を展開。2013年には手数料無料の決済サービス「SPIKE」を立ち上げる。2015年2月に米シリコンバレーのVCなどから43億円の資金調達を行う。

もう1つのテーマは「ファーストペンギン」

今回の対談では、隠れテーマとして「ファーストペンギン」が掲げられています。
主宰の横山氏が、モデレーターである大西氏の著書『ファースト・ペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』に感銘を受けてのことだったようですが、ファーストペンギンの概念が様々な部分で応用しやすかったのか最終的にはかなりフューチャーされました。
「ファーストペンギン」とは何なのか、というところから、講演の様子をお送りします。

ファーストペンギンとは?

横山氏:
ファーストペンギンについて、大西さんからご説明お願いします。
大西氏
ペンギンの群れの最前列のやつが飛び込もうとしている。
でもなかなか飛び込めない。なぜだと思いますか?
天敵がいるから。餌もあるけど天敵もいる。だからためらうんです。
1羽目が出て、シャチがいないと確認できたら他のペンギンも続く。
でも1羽目が出ないと群れが死んでしまう。だから1羽目が(ファーストペンギン)が肝心だということです。

ファーストペンギンになるかならないかが生死を分ける

大西氏
日本経済新聞社編集委員 大西 康之氏

大西氏
私は最近大塚家具の取材を行っているんですが、一部上場企業である大塚家具の1,700人の社員は、父につけばいいのか娘につけばいいのか右往左往している。
彼らは、「どっちにつけば生き残れるか」というところに必死なんです。

そこで既視感を覚えました。
以前に出版した『会社が消えた日 三洋電機の10万人のそれから』です。
当時の三洋電機も、銀行ファンド派、会長派にわかれて争っていた。

僕は
「どっちについてもいいけど、あなたたちが乗っている氷は沈んでいくばかりだよ」と思っていました。会社もろとも沈むんじゃないかと見ていたら本当に沈んだ。

元ジャーナリストで、三洋電機の会長をやられていた野中ともよさんは、ファンドに睨まれて首を取られたわけですが、彼女はこう言いました。
「Organizing deckchairs on the Titanic」
(直訳すると「タイタニックでデッキチェアを並べる」)
「本当、男ってバカね」

タイタニックが氷山にあたって浸水したとき、ゆっくりとしか沈まなかったから、船員たちは(船が沈みかけていることに気づかずに)のんびりとデッキチェアを並べていました。並べているうちに船は沈みました。
今の日本はタイタニックに近い。氷の上にいるペンギンたちそのものです。

楽天の三木谷さん(楽天株式会社代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏)が話されてました。
「飛び込むのが怖いなら見ててもいいよ。でも飛び込んで魚食ってる自分から言わせてもらうと、氷に乗っているお前らの方が危ないぞ」と。

海に飛び込むのは怖い。
そしてなんとなく、乗っている氷はずっとあるような気がするんです。
誰も自分の氷が溶けるとは思わない。でも溶けるんです。
大塚家具の社員も、大塚家具がなくなるとは思っていない。
でもいつまでも社長派だ会長派だと争っていてはいつか無くなる。IKEAやニトリにやられるでしょう。
だったら、思いきって飛び込んでくれるファーストペンギンが出てきてもいいんじゃないかと。

僕らが取材している大企業の氷もいい加減ペラペラ。
50歳の僕ならあと10年、騙し騙しいけるかもしれない。
だから今入ってくる人には感動しています。

今回は、どうやって踏ん切ればいいのかについてお話ししたいと思います。
御三方には、海に飛び込んでもシャチに食べられない方法も聞ければいいなと。