やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。

この言葉は、*山本 五十六(やまもと いそろく)*が生前述べた名言の一つです。人材育成のヒントが凝縮された言霊に、感銘を受けたという方も多いのではないでしょうか。

今回は改めて、山本五十六の名言から学ぶ教育方法として、実践に移しやすいように分かりやすく分解して紹介します。

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山本 五十六の名言から学ぶ人材育成

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出典:(wikipedia

はじめに、山本 五十六の簡単なプロフィールをご紹介します。山本 五十六は、大日本帝国海軍軍人で、太平洋戦争開戦時の際の連合艦隊司令長官を務めました。そこで真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦をはじめとした歴史的にも有名な作戦を指示したことでも有名で、アメリカと日本の実力差を熟知していたことからも最後まで戦争に反対していたとも言われています。

そんな山本 五十六が生前、口にした数々の名言の中でも、特に有名なのが「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」の言葉です。

現代の言葉に置き換えてわかりやすく言うと、

「まずは実際に自分がやって見せて、しっかりと説明をして理解してもらい、その後実践させてください。そしてその行為を褒めてあげなければ、人を動かすことはできないでしょう」

といった具合でしょうか。

山本 五十六の、軍人として多くの部下を統率してきた経験があるからこそ身につけた"いかにして人を動かすか"のエッセンスが詰まった言葉であり、多くの経営者や指導者の格言として知られています。

1.やってみせる

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いくらマニュアルを読ませたり、口で上手く説明したとしても、具体的な仕事のイメージが掴めなければ完璧な理解には及びません。なにより、人間の五感の中で最も情報をインプットするのが「視覚」とも言われていますので、実際の様子を見せることによって理解が進むでしょう。

どうしても時間の都合や手間を理由に、口頭説明のみで終わらせがちですが、人になにかを教える時は、まず自分が率先してやってみせることが重要です。また、相手に敬意を払うという意味でも、面倒くさがらずに見せるということを意識しましょう。

2.言って聞かせる

やってみせた後は、しっかりと説明して聞かせることが重要だということです。たとえ手本を見せただけでも上手く伝わっているとは限りません。テレビドラマのように職人が弟子に伝える「見て覚えろ」のような美徳は教える側の過信となっている可能性があります。そのため、見せてイメージを掴ませたあとは、言葉で補足説明をして十分に伝えましょう。

また、「言って聞かせる」という言葉からも分かるように、重要なのは相手に伝わっているかです。一方的に説明したかどうかではなく、きちんと相手に伝わっているか、理解ができたかどうかという点に注意して説明しましょう。

3.させてみる

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見せて聞かせたあとは、実際に相手に実践させましょう。ご自身でも、いざ、実践しようとしたら思うように出来ないという経験はないでしょうか。それは、ごく普通の流れで、結局は頭のなかで完結しているだけなので、見て聞いた内容を実践することで再現してもらいましょう。

もちろん、理解度は人それぞれですので、説明だけでも理解できる、わざわざ実践させなくてもできる、と思われるかもしれませんが、理解を深めるためにも実践してもらうことが指導の基本として覚えておきましょう。

4.ほめてやる

実際にさせてみた後は、相手を褒めてあげましょう。褒めるといってもできの良さを賞賛するのではなく、相手を肯定するようなイメージです。覚えたての相手が初めから完璧に仕事ができることはなかなか無いので、褒めることを怠ってしまいがちですし、教える側としても100%のできではないにも関わらず「褒める」という行為に違和感を感じる方も少なくないでしょう。

しかし、指導において相手を褒めてあげることは非常に重要な要素の一つで、褒める=肯定してあげることが自信を持って仕事に取り組む原動力となります。褒めることに慣れない方であれば、「それで大丈夫」「そのやり方で問題ない」というようなニュアンスで相手を肯定しましょう。

5.人を動かす

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上記のステップを踏み、理解と信頼関係を築いたうえで相手が納得したら、ようやく”動いてもらえた”ということです。

人間は、それぞれ考え方や感情を抱く意思をもっています。たとえ何かしらの成果物が残せたとしても、本質を理解した仕事としていない仕事では、雲泥の差が生まれることは間違いありません。

つまり、本質を理解した行動を起こしてもらうためにも上記のステップを経て、相手の意志で自ら行動してもらう必要があります。そのためには、教える側も最適な教育方法を考え、行動していく必要があるのです。

やってみせ・・・に続く本文も

ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、この「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」という名言には続きがあります。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

という言葉です。
つまり、これら言葉が共通して述べているのは”相手に敬意を払わないと動いてはくれない”ということです。なぜなら、相手を軽んじて言うことをきかせようとすれば、反発されたり、関係が構築できないのは当然のことでしょう。

その結果、部下が言うことを聞いてくれない、指導しても上手く理解してくれない、と嘆く前に新たまえて指導方法、考え方を見直してみましょう。

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現代の指導現場でも活かせる山本五十六の教え

山本 五十六の名言から学べる教育方法について紹介しました。

部下が主体的に動いてくれるように育てていくのは、上司の大きな役目です。そのためには、自発的に動いて学習する環境や指導方法を整えてあげる必要がありますので、自分自身が学び、真剣に向き合う必要があります。

今回の名言から学べる教育方法は、会社だけでなくあらゆる指導の現場で同じように活用できます。山本 五十六の言葉にある「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」というステップを踏み、相手を尊重しながら育成してみてはいかがでしょうか。

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