「Qlick Sense」の導入でビジネスにどんな効果を期待できるか?

プレゼンテーションの場が変わる

「Qlik Sense」はマーケターやアナリストなど、エンドユーザーの手元でデータ集計・分析・加工ができ、ビジネス上の意思決定を後押ししてくれるツールだということは、前章まででお伝えしてきました。

「Qlik Sense」で実現できることは、それだけに留まりません。プレゼンテーションそのものも自動で行ってくれるのです。

それは「ストーリーテリング機能」というもので、分析結果や内容を例えば「時系列」など、わかりやすいストーリーにして、組織内へ公開・共有でき、社内会議などに活用できます。

データ分析を行ったプロセスを会議の場でそのまま再現して同じ情報を共有しながら、参加者からの疑問や問いにその場で答える、といった活用法が想定できます。

プレゼンターから一方的に報告書を読み上げるのではなく、データ分析を行ったプロセスそのものに対して組織内で理解を深めながら、ビジネスの意思決定をすることにつながります。

都度の報告書を作成する必要もなくなり、プレゼンテーションの質も格段に高まります。

AIがビジネスの意思決定を後押ししてくれる

「Qlik Sense」には「洞察」という機能もあります。

これは、ユーザーが気になるデータをリクエストすると、AIがデータを解析し、最適なチャートを作成・表示してくれる、というものです。関連性の高くないデータや、利用しないチャートはQlik Senseに学習させることもできます。

データから自社ビジネスに即したさまざまな気づき・示唆を与えてくれ、データ活用の強力なパートナーへと成長してくれます。これにより組織内のデータリテラシーを強化し、意思決定のプロセス変革に寄与します。

今まで気づかなかった「隠れたデータ」までも示唆してくれる

前項で、「Qlik Sense」はAIを搭載していることに触れました。

AIは2つ搭載されており、*「連想技術」「拡張機能」*というものです。これら2つのAIが、人の手では見落とす可能性のあるデータの関連性を教えてくれます。

つまり、AIの力によって、今まで気づかなかった隠れたデータを次のアクションにつなげることができ、ビジネスの打ち手が変わっていく、ということです。

「Qlik Sense」日本国内での導入事例

それでは、実際に「Qlik Sense」をビジネスの現場に導入している日本国内の事例をいくつか見ていきましょう。

データ理解・洞察を深めるための道具として全社規模で展開「HONDA」

自動車メーカーのHONDAでは「Qlik Sense」を導入しています。今、自動車業界とはEVやコネクテッドカーの開発など、100年に1度の大変革の節目を迎えています。そんな中HONDAでは、自動車メーカーとして新たな価値を生み出すために、データ活用に課題を感じていました。

そこで「Qlik Sense」を、データの理解・洞察を深めるための道具として全社規模で展開。

資料作成などの負荷軽減だけでなく、分析のPDCAサイクルが高速になりました。また、全社的なデータ活用リテラシーを高めていくための環境づくりに注力しています。

Excelでの分析業務工数を1/10に削減「共立女子大」

学校法人「共立学園」でも「Qlik Sense」を導入しています。

以前から大学内の様々なデータは蓄積されていたものの、Excelによる作業で効率的な分析に課題を抱えていました。さらに、学内の意思決定や、IR(投資家向け)活動を積極的に行っていくために最適な分析・可視化ツールを求めていました。

そこで、「Qlik Sense」を採用。誰もが直感的かつ汎用的に利用できる、現場担当者にとって使い勝手の良いBIツールであること、そして、運用コスト面も決め手となり採用に至りました。

その結果、Excelでの分析業務工数を1/10に削減でき、分析作業の効率化に大きく貢献。全員が最新の同じデータを見る環境が整いました。さらに、エビデンスに基づいた意思決定が可能になり、改善活動のPDCAサイクルが加速することにつながりました。

機械の稼働データを可視化、業務効率が劇的に改善「村田機械株式会社」

繊維機械などを手掛ける機械メーカーである「村田機械株式会社」でも「Qlik Sense」を導入しました。

同社では、繊維機械から稼働データを収集し、機械納入先の顧客サービス向上や製品改善に積極的に取り組んでいます。しかし従来は、Excelでの参照や分析に時間がかかり、メンテナンスも属人化。言語が異なる海外拠点では、ExcelのVBAがうまく動かず、ファイル共有でのデータ活用が困難に。

保守担当スタッフは機械の不具合連絡を受けてから対応を開始するため、事前の対策立案が困難だという課題も抱えていました。

そこで対策として、「Qlik Sense」を導入。「Qlik Sense」で機械の操業データを可視化し、生産効率を下げている要因をいち早く特定・可視化し、製品改善のPDCAサイクルを構築しました。また、「Qlik Sense」は多言語対応のため、国内外問わずデータが活用できる環境が整備できました。

その結果、データに基づいた迅速な納入先サポートで、機械の高稼働率を維持し、保守サービス品質が向上。高度なITスキルなしにデータを分析し、データを活用する文化が拡大し、グローバルでの営業戦略や製品改善のPDCAサイクルも加速しました。

事例参考:アシスト