グローバルVSローカル

陰山氏:
グローバル戦略を考えるうえで、どうローカライズしていけばいいのでしょうか。
みなさんどうでしょう。

Morelli氏:
AOLは「カルチャー」と「コード」の2軸があります。
カルチャーは人間の要素を指します。
現地の文化を尊重し、それに基づいてコンテンツを提供する。
テック系のニュースでもその他のジャンルでも、カルチャーを考慮することは必要です。

「コード」はコンテンツを提供するためのテクノロジーを指します。
関心のある情報が届くように、記事にしろ広告にしろ、現地に基づいて編集していく。
そうすれば消費者は来てくれます。

竹下氏:
アメリカでは共通の言葉で話せていますね。こういうカンファレンスも本当に多くて活発に開催されています。
でもそれを日本に持ってくる時に、いろんな言葉の定義が曖昧なんですよね。
共通の言語が必要。
こういうカンファレンスを開いて、自分の頭と他人の頭を同期する作業が必要。

川崎氏:
アメリカと日本2拠点やってましたが、アプリマーケティング考えるときに、目指す指標がブレるとすごくフラストレーションがたまるんですよね。
一番重要な指標をDAUにしぼって、日本とアメリカ共通の目的に向かって進めるようにしています。

日本ではまずマーケティングコスト突っ込んで、試してからアメリカに持って行く。
日本とアメリカではかかるコストも全然違う。

重要なのは指標に対してどれだけコストが削減されたか。
アメリカと日本ではうけるコンテンツが違います。
でも、データは共通化できます。

データはどう扱う?

陰山氏:
商品を買わない人のデータもとれるようになっている。
みなさんはどのようなデータを重要な指標とおき、活用してるのか教えてください。

竹下氏:
コンテンツが読者に届くまでの道はたくさんあります。
SmartNews、Facebook、トップページなど。
PVみればある程度わかるけど、それぞれのメディアのユーザーも数えないといけない。

陰山氏:
PVや流入で見るのでしょうか?

竹下氏:
流入は違うかなと思います。
ハフィントンポストのサイトには来ないけど、ハフィントンポストのコンテンツを読む人はいるので。

川崎氏:
データでいうと、僕はデモグラはあれかなと思っています。
僕の場合、40歳で子供が一人いて、目黒在住っていうデモグラになりますけど、それで僕に最適なニュースってわかります?

彼らに追いつくためにやるべきことはなにか。
PVやインプレッションが万能なのか。違いますよね。

ユーザーが何をもとめているのか、日々の変化を念頭において考えないといけません。

Morelli氏:
重要なのはデバイス間を接続することですね。
消費者の観点から整合性のある情報が欲しいわけです。
マーケターは、一人の消費者が複数のデバイスを使っていることを意識する必要があります。

企業間の連携について

陰山氏:
これからのメディアは、外部との連携が重要なのかなと思います。
パートナーシップの築き方をお聞きしたいです。

川崎氏:
リーダーシップとフォロワーシップが重要かなと。
企業は競争を重視しがちなんですよね。でもそこじゃない。

Facebookはインスタントアーティクル、グーグルはAMPを導入しましたが、この機能を世界で初めてやったのは僕たちです。
その点ではリーダーシップを発揮しなければいけませんが、ユーザーを新しい体験につれていくという共通の目標に向かって協力していかなきゃいけないなと。

竹下氏:
皆さん、コンテンツが好きだと思うんですよね。
このニュース読んでよかったかなとか、この広告よかったとか感じていると思うんですよね。
その体験を常に提供し続けていきたいとおもいます。
そのためには業界全体で協力しなければいけない。
一緒に作っていかないと業界が死んじゃうと思います。

Morelli氏:
AOLはオープンネスが中核にあります。
コンテンツは民主化が必要です。

弊社では「Frenemy(FriendとEnemyを掛け合わせた造語)」といいますが、他媒体はライバルでもあり友人だと認識しています。