今、企業が注目する「サイト内アンケート」とは?『VoicePocket』提供会社に話を聞いた。
オンライン・オフラインに限らず、顧客のニーズを確かめるアンケート調査は欠かせないマーケティング手法の一つ。定量的な情報に比べると、個にフォーカスした情報のため、数値データだけでは気付かなかった新たな発見や課題を見つけるうえで役立ちます。
しかし、アンケートを実施するコストは決して安いわけではありません。コストの問題から実施できていない企業も少なくないでしょう。また、回答を得るまでのスピードもPDCAを高速化する上で大切です。
最近では、そういった企業が安価かつスピーディーにアンケート調査が行える「サイト内アンケート」が急速に普及してきています。今回ご紹介する『Voice Pocket』もその一つですが、大きな特徴としては“自社サイトでアンケートが実施”できるツールであること。
本記事では、提供する株式会社サードパーティートラストに、サイト内でアンケートを実施するメリットや『Voice Pocket』についてお伺いしてきました。
サイト内アンケートツール『Voice Pocket』とは
株式会社サードパーティートラスト 上村 謙輔 氏
ferret編集部:
VoicePocketでは、どういったことができるのでしょうか?
上村氏:
VoicePocketは、その言葉の通り、サイト内でアンケートを募るツールです。ウェブサイトの行動履歴に基づいて、狙ったユーザーにアンケートを表示させて、回答を得ることができます。
ferret編集部:
御社は、Web解析を主事業とされていますが、アンケートツールというと土俵が少し違う気もするのですが、開発の経緯などがあればお伺いできますか。
上村氏:
開発に至った理由は2つあります。1つは、「Web解析の限界」を感じたこと、もう一つが「アンケートを重視していない企業が多い」ということです。
「定量データ」は、行動履歴からの推察以上のことはできない
上村氏:
Web解析によって得られるものは、ユーザーの行動履歴という「定量データ」です。どこがボリュームゾーンでどこを優先的に改善するべきかを特定するのには長けていますが、その問題を「どうやって」改善すればよいかは、「推察」に頼るしかありません。
一方で、アンケートでは、ユーザーにその「なぜ」をズバリ聴くことができます。問題の特定から、解決までを導くためには、この「定性データ」を得られるアンケート調査の必要性を感じました。
「根本解決」より「効率改善」が重視されることへの違和感
上村氏:
売上を上げるために、多くの企業が広告の運用改善や、サイト内導線の改善に力を入れています。これらの改善は当然、必要不可欠な施策ではありますが、あくまで表層的な課題の解決であって、改善幅は決して広くない部分だと思います。
売上を高めるために最もインパクトがあるのは、商品自体をよくすること。もしくは、ブランドコンセプトや店構え自体を見直すことこそが、最もインパクトのある改善施策だと思います。
しかし、現状は、大手企業様ほどアンケートを重視される傾向にありますが、まだまだ多くの企業様では、細かい広告の運用改善ばかりが重視され、根本的な要素を見直すという部分が、あまりに注目されていないことに違和感を感じています。
商品企画や、ブランドコンセプト、店構えの再設計を実行するためには、「どうやって」の情報が必要です。この「どうやって」が多くの企業で集めやすくすることができれば、もっと多くの企業が表層的な改善よりも、根本的な解決に注目するようになるのではと考えました。
サイト内アンケートのメリット
ferret編集部:
つまり、それらを解決するのが、サイト内アンケートだと考えたのですか?
上村氏:
そうですね。これまでアンケート調査があまり実施されなかった理由の一つとしては、費用面だと思います。実際に100名ほどのアンケートを実施したいと思っても、費用が100万円規模になってしまうことも一般的です。
なぜそこまで費用が掛かるのかというと、アンケート対象者を集める必要があるからだと思います。自社で会員を多く持っている企業であればよいですが、そうでない場合は、アンケート対象者を集めるところに人的なエネルギーがどうしても必要になってしまいます。
ferret編集部:
なるほど。
上村氏:
もう一つが、アンケートを答えてもらう「場所」の問題です。例えば、リアルな会場でアンケートを行う場合は、その場所代もかかりますし、サイトの外でアンケートページを作っても、そこへの送客コストがかかります。
そういった費用が積み重なっていくので、安価にアンケートサービスを実施するのが難しくなっていると思います。
ferret編集部:
そうなんですね。ちなみに、サイト内でアンケートを得ることにどのようなメリットがあるのでしょうか。
上村氏:
灯台下暗しで、どんなサイトにも日々ユーザーは来訪しているのです。彼らの多くは来訪をして、離脱をしてしまって終わり。そんな日々訪れているユーザーを「アンケートサンプル」にすることができれば、新たにサンプルを集める人と場所のコストも節約できるのです。
つまり、放っておくだけで、日々貴重なアンケートデータが蓄積されていくのです。
ferret編集部:
今まさに来店している人にアンケートを求めることができるのも、メリットな気がします。
上村氏:
そうですね。一般のアンケートサンプルや会員でも、そもそも今自社のサービスに興味を持っているかも分かりません。その点、まさに今、サイトに訪れているユーザーは、何かしらの興味がある層です。
例えば、「5ページ以上閲覧したユーザー」に絞れば、さらに検討が進んでいるユーザーにのみアンケートを募ることができますし、「購入前に不安に思っていることはないか」「他社に比べて劣る部分はないか」などをズバリ聞くには最適なターゲットです。
反対に、ニュートラルな幅広い年齢・性別からバランスよくアンケートを募りたい場合は、不向きかもしれません。
Google Analyticsと連携。定量データと定性データのクロス分析が可能に。
ferret編集部:
Google Analyticsと連携している、というところも気になるのですが。
上村氏:
はい。これもサイト内でアンケートを取る大きなのメリットです。これまでのアンケートサービスの課題は、それだけが独立したもので、サイト内の行動履歴とクロスした分析ができませんでした。
サイト内アンケートであれば、アンケート自体をサイト内から取るので、行動履歴データとしてGoogle Analyticsに送信できるんですね。
つまり、「他社サービスと比較検討をしていますか?」という問いに「はい」と答えたユーザーは、サイトのどのコンテンツを見ている傾向があるのか、といった定量データと定性データのクロス分析が可能になります。
ferret編集部:
Google Analyticsに記録できるということは、そのままリマーケティングの条件としても設定できますね。
上村氏:
その通りです。サービスの検討材料で「価格重視」と答えたユーザーに対して、価格訴求のバナーを表示するなど、アンケート回答データを活かしたより精度の高いリマーケティングが実現できます。戦略的な広告会社様は、この目的でVoicePocketをご利用頂いているケースが多いですね。
サイト内アンケート活用事例
ferret編集部:
リリース後、どのような企業から反響がありましたか?
上村氏:
やはり、大手企業様からの引き合いが最も多いです。ただ、想定をしてなかったのが、コンテンツマーケティング系メディアでのご利用です。
コンテンツ系サイトは、売上への短期的な評価が難しく、態度変容を評価したいですが、どうしても直帰が多いためWeb解析のデータで評価することが難しい。そこで、「スクロール80%達成時」というルールで読了時にアンケートを募り、態度変容を評価したいというニーズが高かったですね。
ferret編集部:
やはり、ある程度規模感のあるお客様向けのツールになるのでしょうか?
上村氏:
ビジネスの規模が大きいほど、データが与えるインパクトも大きいとは思います。対して、スモールビジネスこそ生き残るために、サービス力・企画力でビジネスを差別化することが必須ですので、アンケートから市場ニーズをつかむことはとても大切だと考えています。
弊社のVoicePocketでは、月間10万PVを下回るような小規模サイトでも、一ヶ月もあれば十分なアンケート結果を得られます。
事例がりますのでご紹介させて下さい。
ユーザーの声を受け、コンセプトを軌道修正
上村氏:
「カーヴ」というワインのメディアがあり、こちらでVoicePocketを導入しました。このメディアでは新事業としてワインの定期購入サービスを企画していましたが、どのような販売方法が最も市場ニーズに合うのか、自分たちだけでいくら考えても分かりませんでした。
そこで、「ワインショップはどう選んでいるのか」「何本が最も好まれるのか」といったアンケートを募ることにしました。
その結果がこちらです。
上村氏:
まず、ワインショップの選び方ですが、当然「安さ」が一番に来ると想定していたのですが、結果は以外で「わかりやすさ」「好きなワインがある」「種類が豊富」が価格の安さを上回ったのです。
特に、定期購入という販売手法の弱点は「品数の少なさ」でもあったので、この「種類が豊富」という意見を無視するのは販売機会を損なう恐れがあると考えました。
その結果、定期購入を主軸としながらも、毎月のワインを選定する過程でノミネートしたワインを変える「通常販売」も用意することにしました。また、「わかりやすさ」という最も高いニーズからも新たなコンセプトが生まれ、販売方法にも大きな工夫が生まれました。
このサイトは非常に小規模なサイトですが、このようにユーザーの声を活かすことで、より市場にあった商品開発が可能になると思います。
実際に編集部でもVoice Pocketを使ってアンケートを作成してみた
以下では、実際に編集部で『Voice Pocket』のアカウントをお借りし、アンケートを作成してみました。
Voice Pocketを設置するための必要な作業は、わずか1行のコードのみ。手間なく実装できるのも特徴の一つで、初期設定はすぐにできました。
細かなアンケート項目の設定を以下でご紹介しましょう。
STEP1.
まずは管理画面上の「アンケート管理 > アンケートを作成する」をクリック。
その後、PC/SP別でアンケート表示画面の設定が行えます。ちなみに、こちらウィンドウ型とスクリーン型の2種類から選択するのですが、上村 氏によれば平均回答率がウィンドウ型で3~4%、スクリーン型で5~7%ほどとのこと。スクリーン型になると半強制的に表示されるため、その影響でウィンドウ型よりも高いのでしょう。
このことからもスクリーン型を選択する場合、例えば初回訪問のユーザーではなく、これまで何度か訪れたことのあるユーザーに対して表示するなどの制御がオススメ。
STEP2.
続いて設問項目の設定に移ります。アンケート項目の質問形式は3種類。
設問を設計する際の注意点について尋ねたところ、まずは“アンケートの目的を明確に”とのこと。また、ユーザーはアンケートに対して、元からモチベーションは高くないのでテキスト全般は短くシンプルにし、設問は5問程度で簡単に答えられるように配慮することを勧めると言います。
STEP3.
そして、最後の設定としてアンケートの出現条件・出現タイミングの設定。こちらは目的に応じてどういったユーザーに対して、アンケートに答えて欲しいかの条件で指定します。
例えば、アンケートに答えてくれそうな意欲の高いユーザーに条件を絞る場合は、過去に1回でも訪れたユーザー、3ページ以上見たユーザー(複数ページ閲覧するユーザーほど好感があると推測)といった条件がベストでしょう。
まとめ
上村 氏の言葉からも、普段のアクセス解析から得られるデータはユーザーの行動履歴であり、そこから推察してもユーザーの声を汲み取ることは難しいです。
サイト内アンケートを活用すれば、その時に「ユーザーは何を思っているか?」といった“リアルタイムな声”を聞けるので、そこから改善の糸口が見つけられます。
そういった鮮度の高い情報を、既にあるサイト(資産)を活用することで得られるサイト内アンケートは、費用対効果の高い調査ツールと言えるのではないでしょうか。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- 導線
- 導線とは、買い物客が店内を見てまわる道順のことです。ホームページにおいては、ページ内での利用者の動きを指します。 ホームページの制作にあたっては、人間行動科学や心理学の視点を取り入れ、顧客のページ内での動きを把握した上でサイト設計を行い、レイアウトや演出等を決めることが重要になります。
- コンセプト
- コンセプトとは、作品やサービスなどに一貫して貫かれている考え方をいいます。デザインと機能がバラバラだったり、使い勝手がちぐはぐだったりすると「コンセプトが一貫してないね」などと酷評されてしまいます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- コンセプト
- コンセプトとは、作品やサービスなどに一貫して貫かれている考え方をいいます。デザインと機能がバラバラだったり、使い勝手がちぐはぐだったりすると「コンセプトが一貫してないね」などと酷評されてしまいます。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- ページ
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- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- バナー
- バナーとは、ホームページ上で他のホームページを紹介する役割を持つ画像ファイルです。画像にリンクを貼り、クリックするとジャンプできるような仕組みになっています。画像サイズの規定はありませんが、88×31ピクセルや234×60ピクセルが一般的です。また、静止画像だけでなく、アニメーションを用いたバナーもあります。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
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- クロールとは、検索エンジン内のシステムであるクローラ(ロボット)が一つ一つのサイトを巡回し、サイトの情報を収集することを指します。
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- ページビューとは、ホームページにおいて閲覧者が実際に見たページのページ数を言います。
- コンセプト
- コンセプトとは、作品やサービスなどに一貫して貫かれている考え方をいいます。デザインと機能がバラバラだったり、使い勝手がちぐはぐだったりすると「コンセプトが一貫してないね」などと酷評されてしまいます。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
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- テキストとは、純粋に文字のみで構成されるデータのことをいいます。 太字や斜線などの修飾情報や、埋め込まれた画像などの文字以外のデータが表現することはできませんが、テキストのみで構成されたテキストファイルであれば、どのような機種のコンピューターでも共通して利用することができます。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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