スマホを使うにはSIMカードが必要です。このカードがなければ通話もネット検索もできません。けれど多くの人がこのSIMカードを意識したことがないでしょう。
docomo、au、SoftBankといった大手キャリアでスマホを契約時にはSIMカードはロックされた状態です。

つまりキャリア側が用意したSIMしか使用できないのが普通です。一方でキャリアのカード以外でも自由に使えるデバイスを「SIMフリー」と呼びます。
海外のスマホ、タブレットでは一般的なものでしたが、近年その便利さから日本国内でも注目度が高まっています。

今回は、SIMフリーやMVNOの概要を解説します。
SIMフリーのスマホに乗り換えを検討している方は是非チェックしてみましょう。

SIMフリースマホとは:携帯キャリアに縛られないスマホ

参考 
人気格安SIMの比較ランキング【SIMコンシェル】

SIMフリー端末とは、携帯キャリアの利用制限を受けずに使える端末を指します。

通常、docomoなどの携帯キャリアでスマホを購入すると、その携帯キャリアの回線しか利用できません。
SIMフリー端末の場合、契約者固有の情報が記載されているSIMカードを変更すればどのキャリアの回線でも利用可能になります。

SIMカードを挿入すればすぐに使えるため使い勝手がよく、利用用途に合わせて自由にSIMを利用できます。
大手キャリアが提供する通信サービスよりも圧倒的に安く、経済的なメリットは大きいといえるでしょう。

SIMフリー端末を持ったら利用するべきなのは「MVNO」

SIMフリー端末を利用するうえで知っておきたいのが、「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」です。
MVNOとは、携帯電話キャリア以外の事業者が携帯キャリアから通信インフラを借りて提供するサービスを指します。
独自サービスなど付加価値を付ける事業者もありますが、最大の特徴は利用料金の安さです。

いわゆる「格安SIM」といわれる低価格のSIMが多数登場しており、価格競争は激化しています。

楽天モバイル、DMMモバイルなどは月額500円程度のSIMを提供しており、SIMフリー機さえ持っていれば通信料を安く抑えることも可能です。
ネット環境を得られるだけでなく、電話通信に使えるSIMもあるので使い方によっては、月々の通信料を大幅に下げることも可能です。

さらに携帯キャリアにはないメリットとしてあげられるのが、俗にいう「縛り」のゆるさです。現在、三大キャリアには「2年縛り」があり、途中解約すると違約金が発生してしまいます。
一方、格安SIMは料金プランもシンプルなうえに、縛りも短いので好きなSIMカードを選択できます。

SIMフリーのメリットはほかにもあります。気軽にカードを差し替えられるから海外旅行のときに、現地のSIMをすぐに利用できます。
レンタルにくわえて、地域によってはプリペイドSIMも売られているので、海外に渡る機会が多いという方はSIMフリーのデバイスを1台持っておくと重宝するはずです。
もちろん、海外に行くことがなくてもSIMの差し替えを行う機会が多い、という人にも有効です。

スマホだけでなくタブレットにもSIMフリー機があるので、こちらも注目です。
Appleのi-Pad、マイクロソフトのSurface、AsusのZenPadなど人気どころのタブレット端末でもSIMフリーが選べるので、これまでタブレットにネット環境を入れていなかったという人にもオススメです。

SIMフリー端末のデメリットは? 

ただしスマホにしてもタブレットにしても、SIMフリー端末はSIMロックの端末よりも割高な場合があるので要注意です。
ランニングコストは安いものの初期費用が高いので、そのバランスをみてよく検討する必要があります。

またキャリアとの契約ではなくなるのでdocomo、au、SoftBankがそれぞれ提供しているアドレスは使用できません。
普段、キャリアメールを頻繁に使っている人は、乗り換えが困難かもしれません。

加えて注意したいのがサービス面の問題です。
MVNOの場合は大手キャリアのように店舗を各地に持っているわけではなりません。手厚いサポートが期待できないことは覚えておきましょう。

店舗を持たないということは契約や諸手続きはネットで行う必要があります。
支払いは基本クレジットカードですので、誰でもすぐにSIMフリーに移行できるというわけではありません。

また通信速度が遅くなることもしばしば指摘されています。
大手キャリアの回線を借りて運用されているサービスのため、回線が混雑する時間帯はスピードダウンする場合もあるようです。

中古品で扱いやすい「白ロム」とは?

活用できれば大きなメリットを得られるSIMフリーですが、同時に注目しておくべきなのが「白ロム」といわれる携帯端末です。
大手3社の携帯電話で、SIMが抜かれた状態のスマホの中古品のことを指します。

サイクルショップで売られているのは大体が白ロムです。
「SIMフリー」との違いは、利用できるキャリアが決まっているということです。 

SIMカードが入っていないだけで、キャリア契約端末であることに変わりはないので、ほかキャリアのSIMや格安SIMは使用できません。
しかし「SIMロック解除」の手続きを行えばSIMを使えるようになります。
キャリアや機種により手続きにかかる費用が異なりますが、ロックを解除し自由にSIMを選ぶというのも一つの手です。

また、白ロムは海外利用時に注意が必要です。
白ロムは大手3キャリアが国内向けに用意した携帯端末なので、海外ですべての機能が使えるというわけではないようです。

とはいえ、価格的な魅力は大きいでしょう。
定価の半額でハイスペックのスマホを手に入れられ、条件があるとはいえSIMを選べる環境が築けるのはメリットといえます。

まとめ

キャリアのスマホを使い、経済的負担が大きいという人には通信方法を見直してみるのも手です。
格安SIMの価格競争は現在は落ち着きを見せており、今後はサービス面の拡充に力が入れられるのでは、と予測されてもいます。

SIMフリー端末や白ロムを検討するメリットは大いにあるでしょう。