初対面の人と話しているのに、なんとなく親近感を覚えることはありませんか?

「自分に近い」と感じる相手に対して親近感を持ちます。その作用を活用したコミュニケーション手法を*「ミラーリング」*と呼びます。
意図的にミラーリングする(相手の仕草や行動を鏡のように真似る)ことによって、相手に親近感を持ってもらえる確率が高くなります。

また、親密な関係にある人同士の行動が似る現象も「ミラーリング」と呼ばれます。

今回は、対人スキル向上に有効な「ミラーリング」の概要と実践方法を解説します。
比較的実践しやすいテクニックなので、対人スキルに自信が無い方は是非チェックしてみましょう。

ミラーリングとは:相手の仕草や動作を鏡のように真似ること

ミラーリング(mirroring)とは、相手の動作を鏡のように真似をするコミュニケーション手法を指します。
手の組み方からお茶を飲むタイミングまで、相手のすべての行動が対象になります。

自分と同じ特徴を持つ人に対して好意を持つ類似性の法則というものが存在します。
知らない人同士であっても、趣味や出身が同じ人に対して親近感を覚えた経験があるのではないでしょうか。

親近感を覚えるのは趣味や出身が同じ場合に限った話ではありません。
仕草や動作に関しても相手に似せることで「親しみやすい」という印象を与えることができます。
相手に信頼してもらえれば、商談もスムーズに行われるでしょう。

こうした親近感を抱き、心が通じ合っている状態は心理学用語で*「ラポール」*と呼ばれます。ミラーリングを通して相手とラポールを形成することが目標です。相手と本当に良好な関係を気づくことができれば、ビジネスの成功に役立つでしょう。

ミラーリングの実践に必要なのは「自然体であること」

訪問販売から法人営業まで人と直接関わる仕事をされている方は、ミラーリングの実践を実践すると良いでしょう。

ミラーリングを実践する上で必要なのは「自然体であること」です。
ミラーリングはあくまで相手の無意識に働きかける手法なので、相手に勘付かれてしまっては意味がありません。
むしろ、不快感や警戒心を植え付けることになります。

自然にミラーリングを行うためには、比較的真似しても自然である動作から行いましょう。
真似ることが大事だからと言って、相手が顔を触る仕草に合わせて自分の顔を触っては不自然になるでしょう。
あくまで「自然体であること」を一番に意識しましょう。

「同じ料理を注文する」「同じタイミングで飲み物を飲む」というように、自然に思われる程度の行動から真似ることから始めましょう。
ミラーリングによって形成されるラポールは「なんとなく気が合う」といった潜在意識の関係性です。
相手がミラーリングに気付いてしまっては効果は期待できません。

次に、自然な範囲で個人的な動作を真似てみましょう。
相手の姿勢や、身振り手振り、声のトーンなど話が盛り上がるのと合わせて自然に真似ると、より親近感を持ってもらいやすくなります。

「感情」のミラーリングが一番効果的

相手の行動や仕草、身振り手振りなどをミラーリングすることができれば、最後は感情のミラーリングを行いましょう。

相手が喜んでいるときは、喜んでいる様子を示す
相手が悲しんでいるときは、悲しんでいる様子を示す

単純ながらも感情を共有するように見せることで、相手に「話しやすい相手」という印象を持たせることができます。
逆に、感情を共有できない相手に対しては「話しにくさを」感じさせてしまいます。
相手の感情にアンテナを張って真似することを心がけましょう。