インターネットが発達し、誰でも気軽に利用できるようになればなるほど、著作権関連の問題は後を絶ちません。
著作物を共有する仕組みが変わるにつれ、著作権法の解釈も少しづつ変化しています。

インターネット上でビジネスを行っている方は特に、著作権関連のニュースは定期的にチェックしておく必要があります。
思わぬところで法律に抵触しないよう注意しましょう。

今回は、直近の著作権関連ニュースをまとめました。

ひこにゃん:アニメも制作可能に 著作権の制約なくす覚書

ひこにゃん:アニメも制作可能に 著作権の制約なくす覚書___毎日新聞.png
http://mainichi.jp/articles/20160729/k00/00e/040/236000c
滋賀県彦根市は、2016年7月25日に「ひこにゃん」活用に関する覚書をデザイナーのもへろん氏と所属会社桜井デザインとの間で結びました。

2012年から今までは、キャラクターの2次利用などの権利に当たる「翻案権」を彦根市が、著作物の利用によって人格を傷つけられることを防ぐ「著作者人格権」をもへろん氏が保持していました。

今後は2017年に迫っている彦根城築城410年祭や世界遺産登録に向けて、ひこにゃんの絵本やアニメの制作を市が進めていき、デザイナーのもへろん氏もそのイラスト制作に協力するという形です。

美術・文芸分野にも意欲 JASRAC新理事長の浅石氏

美術・文芸分野にも意欲 JASRAC新理事長の浅石氏___本のニュース___BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト.png
http://book.asahi.com/booknews/update/2016080500002.html
音楽著作権管理で圧倒的なシェアを持つ日本音楽著作権協会(JASRAC)の浅石道夫・新理事長が7月に会見を開き、絵画や小説などの音楽以外の著作権管理にも進出する意欲を見せました。

この背景には、現在小説や芸術などの分野にはJASRACのような集中管理の団体がいないことがあげられます。

なお、JASRACは現状の音楽業界だけでシェアの9割を占めており、昨年は1,117億円の著作権料を得ています。

もし小説や芸術などの分野に進出するとなると、より高い公共性が求められると締めくくられています。

海外映画を無断翻訳、「日本語字幕」を公開して逮捕…「字幕の著作権」の注意点

海外映画を無断翻訳、「日本語字幕」を公開して逮捕…「字幕の著作権」の注意点___弁護士ドットコム.png
https://www.bengo4.com/internet/n_4892/
日本未公開の映画のセリフを勝手に日本語訳し、字幕データをインターネット上にアップしたとして東京都の50代男性が逮捕されたというニュースです。

今回のポイントは「字幕の翻訳のみなので、脚本の著作権侵害」「翻訳サイトを使って翻訳をしていたことで、オリジナリティが認められなかった」という点です。

映画の場合、映画の著作権と脚本の著作権が別々にあるため、特に注意が必要と締められています。