Googleアナリティクスの「コンテンツグループ」という機能をご存知ですか。

他の機能と違い利用するにあたってあらかじめ設定が必要なため、利用したことがない人も多いのではないでしょうか。複数のページをカテゴリや商品別など、コンテンツの種類ごとにPVや滞在時間などの数値を確認したい時に便利な機能です。

デフォルトの設定でも複数のページの分析を行いたい際に、「行動>サイトコンテンツ>ディレクトリ」を選択することでディレクトリごとの数値を確認することはできます。

しかし、ディレクトリが必ずしもページをカテゴリ別に分けているとは限りません。同じディレクトリ内でも別々に分析したいコンテンツがあるケースも考えられます。

コンテンツグループを利用することで、サイト内のページを特定のカテゴリごとに分類し、それぞれで分析できるようになります。

今回はコンテンツグループの概要と設定の仕方を解説します。

コンテンツグループとは

Googleアナリティクス上で「行動>サイトコンテンツ」を選択すると、ページごとのデータを確認できます。

しかし、ページごとのデータからでは確認できないこともあります。全体的にPVが増加しているように見えたけれど、上がっていたのは特定のカテゴリのコンテンツだけだった、ということも考えられます。

複数のページコンテンツの塊として分析する方法の1つに、ディレクトリごとに確認するという方法があります。ディレクトリとはURL上の「/」で区切られた階層構造のことです。

ディレクトリごとに記事が分かれている例として、テクノロジーメディアとして有名なTechCrunchがあります。

TechCrunchの各ページURLは「ドメイン名//月/日/」となっています。

例:
http://jp.techcrunch.com/2016/10/19/mercari-ceo-speaks-at-tc-tokyo-2016/
http://jp.techcrunch.com/2015/12/29/20151225the-fundamentals-of-fintech/

2015や2016といったディレクトリの下に10や12といったディレクトリがあることがわかります。このようなディレクトリ構造になっているサイトの場合、アナリティクスの「行動>サイトコンテンツ>ディレクトリ」を選択することでディレクトリ別のデータを見ることができます。

ディレクトリ別のデータでもコンテンツが整理されているかもしれません。しかし、そもそもURLが「https://ferret-plus.com/1938」といったようにカテゴリで分かれていない場合はディレクトリ別に見ることはできません。

サイトにあったより詳細な分類を行いたい場合に便利なのがコンテンツグループです。コンテンツグループでは、コンテンツの種類を独自に定義できます。適切な設定をすることで、執筆者別・カテゴリ別・商品種類別・対象者別など独自の分類でページを分析できます。

コンテンツグループ作成・確認の流れ

コンテンツグループの作成はアナリティクスの編集権限が必要です。閲覧権限のみのアカウントである場合は、編集権限をもらうか、担当者にお願いするようにしましょう。

コンテンツグループの作成は決して難しくありません。コンテンツグループは以下の手順で作成します。

  1. 新しいコンテンツグループの作成
  2. 各グループの名前・定義を入力する
  3. コンテンツごとのデータを確認する

各項目について順番に説明していきます。

新しいコンテンツグループを作成する

まずは新しいコンテンツグループを作成しましょう。

コンテンツグループは最上位のグループとその下に属するグループから構成されます。最上位のコンテンツグループは1つのビューあたり5つまで設定できます。

例えば、最上位グループに「男性」、その下のグループに「シャツ」「パンツ」「付属品」というグループを設定することで、男性のそれぞれのカテゴリごとのデータを見ることができます。

この「男性」のようなグループを合計5つ作ることができるということです。各最上位グループの下に属するグループの数に制限はありません。つまり、先ほどの例で言えば「シャツ」「パンツ」といった分類は、ほぼ無限にできるということです。

具体的な作成の仕方としては、アナリティクスの右上にある「管理」をクリックし、対象のビューを選択してコンテンツグループを選択します。次に「新しいコンテンツグループ」を選択します。

新しいコンテンツグループを作成した次には、各下位グループの定義を入力していきましょう。

各グループの名前・定義を入力する

「衣服」というコンテンツグループを作成しても、その下のグループがどのように分類されるのかを決めなければ分類することはできません。

この「どのように分類するか」が各グループの定義になります。例えば、URLに「mens」が含まれていたら「男性用」、「kids」が含まれていたら「子供用」といった具合になります。

コンテンツグループの下に各グループの定義を入力していきます。ここが一番重要なフェーズです。正しく定義を入力しなければ正確にデータが反映されません。

「どういう条件の時にどういうグループに分類するか」ということを定めるために定義が必要なのですが、そのグルーピングの方法は3つあります。

  1. トラッキングコードによるグループ化
  2. 抽出を利用したグループ化
  3. ルールセットを利用したグループ化

アナリティクスでは上の順番から適応されていきますが、説明する上での分かりやすさを考慮して、3番目の「ルールセットを利用したグループ化」から説明していきます。

ルールセットを利用したグループ化

コンテンツごとに分類するために、それぞれのページを何らかの特徴に基づいて分類します。一番簡単なやり方がルールセットを用いるタイプです。

この方法ではページURLタイトルに注目して分類します。

例えば、URLに「men」という単語を含むページを全て「男性」に分類する。「/shirts」で終わるURLページを全て「シャツ」に分類する、ということができます。

また、URL以外にもページタイトルに特定の文字が含まれているかどうかでコンテンツを分けることもできます。「お問い合わせ」を含むものであったり、「よくある質問」から始まるものといった条件をつけることができます。

一つの条件だけではなく、「AND」や「OR」を利用することで複数の条件を組み合わせることもできます。

ルールセットを利用することで、URLタイトルに一定の共通する特徴がある際はコンテンツを分類できます。

しかし、URLページタイトルに特徴ない場合は適切に分類することができません。例えば、「https://ferret-plus.com/3559」といったURLであった場合を考えてみましょう。末尾の数字に特別な意味を設けていない限り、URLだけでそのコンテンツのカテゴリがなんなのかわかりません。

その場合は後述するトラッキングコードを利用してコンテンツグループを作成する必要があります。

抽出を利用したグループ化

抽出を利用したグループ化というのは、ルールセットを用いるものと似ていますが、正規表現と呼ばれる技術を用いてコンテンツを分類します。

例えば、「news|topic」と記入すると、正規表現で「|(パイプ)」に「または」の意味があるため、newsかtopicを含むURLが抽出されます。

ページタイトルURLの文字列から分類することに関しては、ルールセットを利用するところと違いはありません。
正規表現について詳細は以下の記事の「3.ページの抽出【応用編】正規表現」を参考にしてください。

Googleアナリティクスを使って該当ページを爆速で抽出するテクニックまとめ|ferret [フェレット]

トラッキングコードによるグループ化

トラッキングコードによるグループ化というのは、各ページに1行のコードを埋め込むことで適切なコンテンツグループを設定する方法です。

具体的には以下のコードです。

ga('set', 'contentGroup`<Index Number>`', '`<Group Name>`');

例えば、トラッキングするページコンテンツグループのインデックスが2で属するグループが「bag」なら

ga('set', 'contentGroup2', 'bag');

というコードを_send を呼び出す直前に書き込むことで設定が完了します。
詳細はアナリティクスヘルプを参考にしてください。

参考:
コンテンツ グループを作成、編集する | アナリティクス ヘルプ

トラッキングコードによる方法のメリットは、URLページタイトルコンテンツを分類する内容が反映されていない場合でも、各ページに設定することでコンテンツグループに設定できる点です。

例えば、ページタイトルが「よくある質問:商品に欠陥があった時にどうしたらいいですか?」だったとします。この場合であれば、タイトルが「よくある質問」を含む、とすれば分類できます。

しかし、内容がタイトルに含まれていなくて「商品に欠陥があった時にどうしたらいいですか?」というタイトルであった場合、ルールセットや抽出による分類はできないことになります。

こういう場合に有効なのはトラッキングコードによる分類です。CMSなどの内部で「よくある質問」の時は、トラッキングコードを「よくある質問」に分類されるように設定しておきます。

コンテンツごとのデータを確認する

コンテンツについてルールを定義した後に、コンテンツグループごとの分析を見てみましょう。注意する必要があるのは、定義したルールが反映されるのは約24時間後である点です。また、定義以後のデータしか利用できないことも留意しておきましょう。

コンテンツグループごとのデータを確認するためには、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」をクリックし、テーブルの上にあるコンテンツグループをクリックしましょう。そこに、新しく追加したコンテンツグループが反映されているでしょう。

まとめ

コンテンツグループという機能により、サイトコンテンツを見る際でも集客レポートのような詳細な分類ができます。

コンテンツグループを利用する上で一番大事なことはサイトの目的にあった分類をすることです。ただ、ページを分類しただけではレポートに価値は生まれません。コンテンツをどのように分類することが分析を鋭くするかを意識して行いましょう。