2006年7月に提供開始されたTwitterは、現在、全世界での月間アクティブユーザー数が3億人を超えています。(2016年11月現在)

参考
[Twitter, Inc.について] (https://about.twitter.com/ja/company)

リリース10周年を迎えたサービスですが、今となっては一般ユーザーのみならず、企業や団体なども積極的に情報発信の手段として活用しています。

今回はTwitter運用をしている企業の中で、プロスポーツチームのアカウントをご紹介します。
イベント担当者、SNS担当者の方であれば確実に知っておきたいノウハウも詰まっていますので、ぜひご覧ください。

野球

福岡ソフトバンクホークス(プロ野球 パ・リーグ)

プロ野球のソフトバンクホークスは、マスコットキャラクターである「ハリー・ホーク」をアイコンに設定して運用しています。
2014年に日本シリーズを制した際の事例は、Twitter公式によるスポーツ事例としても取り上げられるほどのインパクトを残しました。

ツイートは、日本シリーズで優勝を決めた第5戦の試合のものです。ツイートの内容は打者が一人変わるごとに細かく実況し、SNS担当者が観客と同じ目線で投稿しています。

細かな部分を見ても「#日本シリーズ」というハッシュタグを必ず入れることで、ハッシュタグのトレンド入りを狙っていることが窺えます。

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結果として、開催期間中に「#日本シリーズ」と呟かれたツイート数は、合計で340万もの数に達しました。
この数字は、もちろんソフトバンクホークスのアカウントのみで呟かれたわけではありません。この球団アカウントが発信源となって一般のユーザーも巻き込み、観戦の際には「#日本シリーズ」というワードを必ず含めるように促した側面もあります。

Twitterの強みである「即時性」を活かし、球団発信でファンコミュニティを巻き込む戦略に優れていました。

ボストン・レッドソックス(MLBア・リーグ)

Twitter本社があるアメリカのプロスポーツチームにおいても、Twitterは積極的に活用されています。

ボストン・レッドソックスのTwitterアカウントを見ると、試合を実施していないオフシーズンにも多くのツイートを行っていることがわかります。2016年のオフシーズンには名プレイヤーである David Ortiz選手を讃えるツイートが目立っており、彼のこれまでの功績や名場面を頻繁に投稿しるのが特徴です。

下のツイートでは、David Ortiz選手のこれまでの打撃成績をGIFアニメーションに絡めて投稿しています。

日本国外のチームでは、動画コンテンツを埋め込む際にGIFアニメーションの活用を使うアカウントが多く見受けられます。

「複数の静止画像」を1つの画像に重ね合わせた動画であるため、通信量が通常の動画投稿よりも少なく、データの読み込みに時間をかけなくて済むのが特徴です。

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サッカー

柏レイソル(Jリーグ)

Jリーグチームの柏レイソルのTwitterアカウントは、用途に分けて細かく使いわけているのが特徴です。
チームマスコットである「レイくん」のアカウントでは、キャラクターならではの親しみやすさを出しており、柏レイソルのアカウントの中で最も多くのフォロワーを抱えています。
しかし、業務要素の強いファンクラブの継続案内通知などといったアナウンスには、「レイくん」のアカウントとは別に「柏レイソル公式NEWS 」というアカウントを設けております。

また、公式戦などでタイムリーな試合情報を発信する際には、「柏レイソル公式試合速報」というアカウントにて情報を発信し、試合速報を伝える手段に割り切った利用をしているのも特徴です。

このように「発信内容」「発信するタイミング」などによって使いわけが意識されており、下部組織のアカウントも別に作成するなど徹底なされています。

上図:マスコットキャラクター『レイくん』のアカウント 上図:業務的な内容を配信している『柏レイソル公式NEWS 』 上図:試合速報を流す『柏レイソル公式試合速報』

ボルシア・ドルトムント(ドイツ・ブンデスリーガ)

日本人選手として香川真司選手が所属している本チームも、Twitterを積極的に運用しています。
ソーシャルメディア担当者がリツイートを合わせて20ツイートほど投稿しており、試合がある日には100近くに及ぶツイートをするほど頻繁に運用しています。

特に試合の日には、リーグ戦の1試合の流れをチームバスの会場入りから、ウォーミングアップ、試合での得点の速報、試合終了後のロッカールームやプレスでの取材映像などを事細かに追うことができるので、サポーターにとっては貴重な情報源となっています。

上図:選手がスタジアム入りするシーン 上図:ドルトムントが得点をしたシーンのツイート

また、上図のチームアカウントに加え、所属選手やサッカー協会、コラムニスト、ファンコミュニティなどのツイートも多くリツイートをしています。
他のアカウントで自らのチームの情報を呟いている人を巻き込んでいるTwitterアカウントは、2,300,000アカウントものフォロワーを抱えるようにまで成長し、世界各国のデジタル・エージェンシーが運用を参考しているそうです。(2016年11月現在)

バスケットボール

千葉ジェッツ(B.LEAGUE B1東地区)

2016年より始まったジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下B.LEAGUE)では、リーグ初年度から積極的に各チームがSNSを運用しています。
デジタルマーケティングにおけるリーグ戦略を考えた結果、B.LEAGUEは配分金にチームのSNSフォロワー数など考慮することを発表しました。

【バスケ】B.LEAGUE、配分金にチームのSNSフォロワー数など考慮 : スポーツ報知

地域密着を掲げている千葉ジェッツのアカウントでは、動画の埋め込みやVineなどを活用し、選手のスーパープレイや応援の様子、選手のオフショットなどをバリエーション豊かにツイートに盛り込んでいます。

B.LEAGUE自体はまだまだ始まったばかりのリーグですが、だからこそ最先端のマーケティングを取り入れようというスタンスが各チームに浸透しています。
今後改善を繰り返して最適化されるB.LEAGUEチームのTwitter運用は、SNS担当者にとって要チェックとなりうる可能性を秘めています。

B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト:TWITTER RANKING

ニューヨーク・ニックス(NBA東カンファレンス)

アメリカのプロバスケットチームであるニックスのSNSキャンペーンは、NBAのスポーツチームが行った事例として頻繁に取り上げられています。

ニックスは2010年に『Tweetup』というTwitterとリアルを連動させたイベントを開催しました。

引用:KNICKS MOBILE より(http://www.nba.com/knicks/news/2010_thenyknicks_tweetup.html)
2010@thrnyknickstweetup

40ドルの試合チケットを購入することで、

・特製Tシャツのプレゼント
・前座試合の観戦チケット
・選手との交流会への参加権
Twitter創業者のジャック・ドーシーやニックス幹部も含めた、試合開始前のパネルディスカッションの参加権

といった豪華な得点が付いてくるキャンペーンを行いました。
当時米国スポーツ史上初の試みが多く含まれた本キャンペーンにおいて、チケットは即完売し、結果としては大成功に終わりました。

ニックスの事例をキッカケに、オピニオン・リーダーを集めて口コミを誘発する仕掛けに採用する企業が増え、ソーシャルメディアキャンペーンが活発化するようになったのは記憶に新しいかと存じます。

ツイッター活用で“観戦者”増やす米スポーツ界

まとめ

プロスポーツチームのTwitterアカウントを紐解いていくと、常にユーザーとの“共創”を意識していることが窺えます。
各チームのTwitter担当は、ユーザーや利用者の目線に立ちながらファンが発信する情報をキャッチアップし、彼ら彼女らが求めているコンテンツを仕掛けている点で共通した戦略を持っていたようです。

今回はスポーツにまつわる事例でしたが、その他のイベントでも十分応用可能です。
ソーシャルメディアの運用を考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてみましょう。