直接的な成果だけ見てはダメ!Google アナリティクスでアシストコンバージョンを計測しよう
Google アナリティクスでアシストコンバージョンを測定する方法をご存知でしょうか。
アシストコンバージョンとは、*「直接コンバージョンするには至らなかったものの、後のコンバージョンに繋がった(アシストした)コンバージョン」*を表します。
ユーザーが初めてサイトを訪れてそのままコンバージョンするだけでなく、一度離脱して、またサイトを訪れてコンバージョンする場合も少なからずあります。
その際、コンバージョンに直接貢献した流入元を評価するだけでは不十分です。
直接コンバージョンには貢献していないものの、多数のコンバージョンアシストをしている流入元があるかもしれません。
今回は、Google アナリティクスでアシストコンバージョンを測定する方法を解説します。
なぜアシストコンバージョンを測定する必要があるか
コンバージョンは、Web界隈ではホームページ上の成果を指します。
今回はコンバージョンポイントを会員登録に設定して説明します。
コンバージョン直前のアクセスを見てもわからないことがある
会員登録させることを目的としてホームページを運営しており、SEO対策と広告を通して流入を確保しようとしているとします。
会員登録を目的としてウェブサイトを運営している場合、会員登録したユーザーがどのような流入元かなどを調べることによって、より多くの会員を獲得することができます。仮に、会員登録したユーザーの流入元が全て自然検索(広告でない検索エンジンからの流入)だったとします。
すると一見「広告を出稿するより、よりSEO対策に徹した方が費用対効果が高いのではないか」という結論が導かれるように思えます。
しかし、これだけの情報ではまだこの結論を出すことはできません。
コンバージョンの裏に見えないアシストがある
もしかすると、会員登録したユーザーは広告をクリックした後に興味を持ち検索をかけてコンバージョンに至ったかもしれません。
以下のようなパターンです。
1. 広告をクリックして一度流入するも、離脱する
2. あとでそのサイトが気になり、サイト名で検索する
3. サイトにたどり着き、会員登録をする
もしこのような場合であれば、広告が影響力を持っていたことになります。しかし、直前のアクセスだけを見て判断すると、検索エンジンのみがコンバージョンに貢献していることになるので、広告出稿は無意味という結論になってしまいます。
直接のコンバージョンだけでなく、アシストコンバージョンを含めて総合的に判断することで広告の費用対効果がわかるのです。
広告以外の流入でも同様の効果がある
もちろん、今で説明したようなSEOや広告だけでなく、SNSやメールなど他の流入元を考える上でもアシストコンバージョンの考え方は欠かせません。
例えば、SNSを運用して記事を投稿するとします。しかし、アナリティクスで調べてもそのSNS経由でコンバージョンするユーザーがいなかったとします。
このような場合にアシストコンバージョンを分析することで、SNS上の記事をクリックしたユーザーが後日コンバージョンに至るかどうかがわかります。
分析の結果、SNSより1回流入したユーザーが検索エンジンより訪問し、コンバージョンしていることがわかればSNSの効果を低く見積もりすぎることを防ぐことができるのです。
ページの価値や運用の仕方を正しく判断するために必要なアシストコンバージョン
以上の例で示されているように、直前のコンバージョンのアクセスだけを分析していたのでは、正しく価値が判断されないトラフィックがあります。
あるトラフィックが貢献しているようで、実は他のトラフィックがあってこそ意味があるものかもしれません。
それらを実質的に評価するために必要なのがアシストコンバージョンです。こうしたアシストコンバージョンを測定するための機能がGoogle アナリティクスにあります。
アシストコンバージョンレポートの使い方
Google アナリティクスのレポートの「コンバージョン」以下の「マルチチャネル」の中に「アシストコンバージョン」というレポートがあるのでこちらを利用します。
ここで各流入元の貢献度を評価する際にコンバージョンごとの目標値が設定されていることが前提となっています(登録完了URLで1000円、など)。コンバージョンの目標値が設定されていない場合は、以下の記事を参考にしてください。
コンバージョンって?正しい意味と種類を理解して売上を増やそう!|ferret [フェレット]
アシストコンバージョンレポートの解説
アシストコンバージョンレポートにおける用語に即して解説します。
アシストコンバージョン
ここでのアシストコンバージョンの定義は「コンバージョン経路にこのチャネルが含まれているが、終点ではないコンバージョンの数」です。つまり、あるコンバージョンの起点あるいは途中になったが、最終的にコンバージョンしていない数を表します。
アシストコンバージョン/ラストクリックまたは直接のコンバージョン
アシストコンバージョンが直接のコンバージョンで割られることにどういう意味があるのでしょうか。これは各チャネルのアシストコンバージョンである割合を表しています。
この値が1以上であれば直接のコンバージョンよりもアシストの方が多いので、そのチャネルが最終的なコンバージョンよりもアシストで貢献していることがわかります。逆に1以下であれば、アシストの役割以上に終点の役割を果たしていることになります。
起点の分析
起点はアシストコンバージョンの中でも最初の接点を持つコンバージョンのみをカウントしたものです。各チャネルが起点となったコンバージョンを調べることで、そのユーザー獲得にどのチャネルが貢献したのかがわかります。
起点以外のアシストも貢献していることは間違いないですが、起点はよりコンバージョンの貢献に関わっていると言えるでしょう。
コンバージョン経路レポート
「アシストコンバージョン」というレポート以外にアシストコンバージョンを知る上で役にたつレポートとして、「マルチチャネル」の下の「コンバージョン経路」というレポートがあります。
「アシストコンバージョン」レポートでは、各チャネルごとの貢献度などがわかりましたが、この「コンバージョン経路」レポートでは、各チャネルの組み合わせごとのコンバージョンがわかります。
コンバージョン経路を見ることで、コンバージョンしたユーザーがどのようなアクセスを経てコンバージョンしたのか、どのように各チャネルがアシストとして機能しているかがわかります。
デフォルトでは「経路の数が2以上」と、アシストコンバージョンを含んだデータのみになっています。アシストコンバージョンを含んでいないコンバージョン(1回のみの訪問でコンバージョンしたもの)も含めて比較した方がコンバージョンの割合がわかりやすいので、「1以上」として見ると分かりやすくなります。
まとめ
直接コンバージョンしたアクセスだけを追って表面的なデータをもとに判断すると誤った結論を下しかねません。アクセスコンバージョンを調べ、各チャネルの実質的な貢献度を正しく評価し、施策に反映することでアナリティクスを活用する意味があります。
コンバージョン経路などを活用し、ユーザーの行動を想定し、さらなるコンバージョンにつなげましょう。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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- SEO
- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- URL
- URLとは、「Uniform Resource Locator」の略称です。情報がどこにあるのかを示すインターネット上の住所のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。各ページのURLは、インターネットブラウザの上部に文字列として表示されています。日本語では「統一資源位置指定子」という名称がついていますが、実際には日本でもURLという語が使われています。
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