毎年12月31日に放送される紅白歌合戦、年末の恒例番組としてご家族でご覧になった方も多いのではないでしょうか。
2016年の放送では歌番組としてだけでなく、幕間で行われた様々な企画がTwitterを中心にSNSで話題を呼びました。

参考:
[「グダグダ紅白」がツイッターでもっとも盛り上がったのは「ゴジラマイク」だった]
(http://bylines.news.yahoo.co.jp/sakaiosamu/20170106-00066295/)

公共放送であるNHKはいち早くTwitterへの施策に取り組み、公式アカウントのフォロワー数は140万人を超えています。
今回は紅白歌合戦を中心としたNHKの取り組みから学べる、SNS運用のポイントを解説します。
企業のSNS運用に取り組んでいる方は、ぜひ事例から自社への施策に役立てましょう。

※2017年1月16日 記事内に一部誤記がありましたので、訂正いたしました。

NHKの行っている特徴的な2つの取り組み事例

NHK(日本放送協会)は放送法に基づき、「全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送を行うことなどを目的とした設立された」特殊法人です。

公共の福祉としての性格を持つこともあり、Webを利用したデータ放送などの放送サービスの充実にも力を入れています。

なかでもSNSは視聴者との新たな双方向のコミュニケーションを生み、大きな社会変化を生む現象と位置づけ、ニュースからバラエティまで様々な番組においてSNSの連動に取り組んでいます。

参考:
[NHKとはどういう事業体なのか|NHK ONELINE]
(http://www.nhk.or.jp/faq-corner/01nhk/01/01-01-01.htm)
[放送研究と調査【2013年 春の研究発表とシンポジウム】|NHK放送文化研究所]
(https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2013_07/20130701.pdf)

SNSでの番組情報の発信

NHKのSNS施策のなかでも特に目立つのが、FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNSを中心とした外部サービスでの情報発信です。

番組や事業部ごとに作られた公式アカウントTwitterだけでも140以上あり、それぞれが番組の内容や出演者の情報を発信しています。

なかでも、2009年11月から運用されているNHK広報局は現在では140万人ものフォロワーを抱え、大きな発信力を持っています。
企業としてSNSの運用にあたる担当者にとっては、参考にしたいアカウントの1つと言えるでしょう。

参考:
[外部SNS等のNHKアカウント一覧]
(http://www2.nhk.or.jp/common/external_service/)

視聴者参加型の番組構成

ユーザー同士の交流で成り立つSNSの性質を生かした取り組みとしては、視聴者参加型の番組も特徴的です。

福祉情報番組であるハートネットTVやニュースチェック11では、番組の放送中に#(ハッシュタグ)をつけて呟かれたコメントをリアルタイムでテレビ画面に表示し、出演者がそれを取り上げるという形式をとっています。

企業側が情報発信するだけでなく、利用者と双方向でコミュニケーションをとる形はSNSを活用した新たな企業と消費者のあり方と言えるでしょう。

参考:
ハートネットTV|NHK福祉ポータル
ニュースチェック11

紅白歌合戦から読み解くSNS運用のポイント

今まで紹介してきたように、NHKでは様々なSNSへの取り組みを行ってきました。
なかでも、2016年12月31日に放送された『NHK紅白歌合戦』では、その特徴やSNS運用のポイントが見て取れます。
番組中に行われた様々な企画を通して、Twitterを中心としたSNS運用のポイントを見ていきましょう。

1.流行をつかんだ企画

10代〜20代の利用率が高いTwitterでは流行をつかんだ情報発信がポイントの1つと言えます。紅白歌合戦では「シン・ゴジラ」や「君の名は」「恋ダンス」などの、2016年度中にヒットした要素を取り入れた企画が目立ちました。

参考:
[モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査 (2016年7月度)]
(https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20160803.html)

ゴジラ×紅白

2016年に興行収入80億円を超えるヒットとなった映画『シン・ゴジラ』とコラボし、放送中のNHKホールをゴジラが襲うという設定の企画です。

実際にTwitter上では企画映像が流れるタイミングで「紅白」を含むキーワードのツイートが増大しています。

参考:
[X JAPAN、シン・ゴジラを撃退 紅白歌合戦でコラボ]
(http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/31/shin-godzilla-kouhaku_n_13910418.html)
[渋谷にゴジラが現れる!?『紅白×ゴジラ』スペシャル企画発進!!]
(http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=08599&f=prtw)
「シン・ゴジラ」ヒットの理由はリアルさと満載の小ネタ遊び

恋ダンス

星野源が歌う「恋」の放送時には、司会から会場に向かって”恋ダンス”を一緒に踊るという呼びかけがされました。

“恋ダンス”とは、2016年に注目を集めたTBSドラマ『逃げるは恥だが役にたつ』のエンディングで主題歌に合わせて踊るダンスの通称で、YouTubeでは数多くのダンス動画が投稿されています。

今回、番組の審査員の1人にドラマのヒロインである新垣結衣さんがいたこともあり、Twitter上で話題になりました。

参考:
「恋ダンス」ブームを生んだ緻密なWebマーケティング戦略を徹底解説

2.リアルタイムでの配信

紅白歌合戦のTwitter公式アカウントでは、番組の内容に合わせてリアルタイムでの配信が行われました。

先ほど取り上げたような企画や内容について、およそ5時間の放送時間中に100以上ものツイートを行っています。
このように視聴者自身が番組の内容について語りたくなるような情報を発信し続けることでTwitter上で情報が広がり、より大きな広告効果を生むでしょう。

このような素早く頻繁な情報発信は企業で運営を行う担当者にとっても意識したいポイントです。

3.インフルエンサーの活用

番組の途中には、渡辺直美さんとピコ太郎さんによる出演歌手の紹介企画も行われました。

渡辺直美さんはインスタグラムで570万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーの1人です。
また、ピコ太郎さんはインスタグラムでジャスティンビーバーが取り上げたことをきっかけにして流行したと言われ、インスタグラムでも6万人以上からフォローされています。

このようなSNS上で発信力を持つ芸能人を使うことで、投稿を通して番組の内容が多くの人の目に触れます。

企業でもこのようなインフルエンサーを用いたプロモーション手法が普及していますが、一方では広告と表示せずに製品のプロモーションを行うステルスマーケティングに繋がってしまう側面もあります。

自社でインフルエンサーの影響力を活用したい時は、そのようなステルスマーケティングにならないよう気をつけましょう。

まとめ

NHKは国内を代表する放送局として、社会の変化に合わせて番組政策を行うだけでなく、データ放送やSNSの活用などWebを活用した施策にも取り組んでいます。

[1]視聴者と共に作る
[2]コアな番組ファン作り
[3]リアルタイム視聴の開拓

特にSNSにおいては上記の3つの方向性に従い、公式アカウントを通じてリアルタイムでの番組参加企画への呼びかけなどを行っています。

年に1回だけ放送される紅白歌合戦でも同様に、Twitterを活用した様々な企画が打たれました。
そのような企画の中には、SNSで話題となるための仕掛けがされています。
その仕掛けを読み解く事で、自社での運用にも役立てられるポイントが見つかるかもしれません。
TwitterではNHKの数多くのアカウントが情報発信を行っています。参考のためにも、ツイートを定期的にチェックしてみるといいでしょう。