企業同士での取引をメインとするBtoBビジネスでは、取引先となる企業の情報を正確に把握することが求められます。

新規開拓におけるマーケティングとして、企業の性質を元にしたターゲティングを行う企業もいるでしょう。その際にターゲットが法人としてどのような性質を持っているか意識したことはありますか?実は、法人は事業領域や組織形態によって様々な種類に分かれています。

今回は、法人の種類と代表的な法人の例を紹介します。ビジネスパーソンとして、正しい知識を身につけておくためにも法人ごとの性質を把握しておくようにしましょう。

目次

  1. 法人とは
  2. 公法人
    1. 地方公共団体
    2. 独立行政法人
    3. 特殊法人
    4. 公庫
  3. 私法人:営利法人
    1. 株式会社
    2. 合同会社
    3. 各士業に関わる法人
  4. 私法人:非営利法人
    1. NPO法人
    2. 一般社団法人
    3. 社会福祉法人
    4. 信用金庫
    5. 商工会
  5. 法人と個人事業主は何が違う?
  6. まとめ

法人とは

そもそも法人とは何を指しているのでしょうか?
法人=会社と捉えている人もいるかもしれません。厳密に言うとその認識は間違いです。

広辞苑では下記のように説明されています。

【法人】人ないし財産から成る組織体に法人格(権利能力)が与えられたもの。理事その他の機関を有し、自然人と同様に法律行為を含む様々な経済活動をなしうる。

つまり、法人とは「人間(自然人)と同様に主体を持っていることを、法律に認められた組織」を指します。
例えば、企業の一担当者が横領を行った時、損失をこうむった企業は担当者に対して訴えを起こせます。

この場合、企業は誰か一人が代表となって訴えを起こすわけではなく、企業そのものが訴えを起こします。複数の人で構成された企業自体が一人の人間のように権利を訴えることができるのは、法人だからこそなのです。

法人には大きく分けて「私法人」「公法人」があり、「私法人」には利益を目的とした「営利法人」と利益を目的としない「非営利法人」が存在します。

では、会社とは一体なんなのでしょうか。

営利法人の中でも「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」が会社に該当すると会社法で定められています。

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法人の分類を簡単にあらわすと、上記の図のようにになります。
それぞれどのような性質を持つか、代表的な法人を例に説明していきましょう。

参考:
会社法
商業・法人登記申請手続|法務局
会社を設立する- 法人の種類と比較

公法人

公法人とは、公の事務を行うことを目的とする法人です。広い意味でいえば国家も公法人と言えます。以前は郵政公社(現 日本郵便株式会社)や日本電電公社(現 日本電信電話株式会社)といった公社や、日本道路道路のような公団も公法人の一種でした。

地方公共団体

地方公共団体は、地域の統治活動を行っている法人のことです。地方自治体とも呼ばれます。

独立行政法人

独立行政法人とは、各府庁の政策実施部門のうち一部の事務・事業を分離して設立された法人を指します。国家文書の保管維持等を行う国立公文書館や貨幣の製造を担う造幣局などが該当します。

参考:
[独立行政法人とは|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/satei2_01_01.html)

特殊法人

特殊法人とは、具体的な法令に基づいて設立されたもののなかでも独立行政法人、認可法人、特別民間法人に属しないものを指します。放送法により設立された日本放送協会(NHK)、日本年金機構法による日本年金機構などが一例です。

公庫

中小企業や農業従事者などへ公共の目的で融資を行う政府の金融機関です。国の財政資金により形成されています。ほとんどが民営化され、日本に現存するのは沖縄振興開発金融公庫のみです。

私法人:営利法人

国家や公共団体による強制的な権力を受けない法人である「私法人」のなかでも、経済的な利益を目的としたものを営利法人と呼びます。

株式会社

資本金が株式として分割され、株式を保有する株主によって組織している会社を指します。基本的に、株式として出資している株主が所有権をもち、株主によって指名された取締役会が経営を行います。

なお、有限会社は2005年以降「株式会社」の1つである「特例有限会社」として会社法に定められています。

・特例有限会社
社員全員が責任を負うことになる有限会社とほぼ同じ権利を有する会社です。
2005年の会社法制定により有限会社法が廃止されたため、既存の有限会社は特例有限会社として移行されました。
現在では有限会社は設立することはできません。

参考:
特例有限会社|中小企業庁

合同会社

社員が出資することで成り立っている会社です。株式によって資金調達を行っているわけでないので、株式を公開して売買する上場は行えません。

同様に「合資会社」や「合名会社」も同じように、社員が出資者となっています。出資者(社員)の負う責任の範囲などによって名称が異なるので注意しましょう。

参考:
会社組織の特徴

各士業に関わる法人

弁護士や税理士など、士業が活動を行うための法人を指します。弁護士法人、税理士法人、司法書士法人、行政書士法人などが該当します。

私法人:非営利法人

私法人の中でも、経済的な利益を得ることを目的としない法人を「非営利法人」といいます。

NPO法人

行政・企業とは別に社会的活動を行う民間組織です。活動内容は特定非営利活動促進法(NPO)により定められています。発展途上国を中心に医療・人道支援を行う国境なき医師団など、数多くの団体が存在しています。

一般社団法人

一定の目的を持って集まった団体で、法人として認められた存在です。NPO法人とは異なり、必ずしも公益に関わる活動である必要はありません。

そのため、業界団体や介護事業者なども一般社団法人として登録が可能です。一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)一般社団法人日本レコード協会などが有名です。

参考:
一般社団法人とは?

社会福祉法人

社会福祉事業のほか、公益に関わる事業を行う法人です。有料介護老人ホームや駐車場の経営などが含まれます。

参考:
社会福祉法人|厚生労働省

信用金庫

信用金庫は特定の地域の人が会員となり、互いに金銭的に助け合うことで地域を反映させることを目的とした金融機関です。運営に関しては信用金庫法にて細かく定められています。

参考:
信用金庫と銀行・信用組合との違い

商工会

商工会は特定の地域の事業者が会員となって、互いの事業の発展のために活動する法人です。運営については商工会法で細かく定められていて、全国には1,667の商工会が存在します。

参考:
商工会について~商工会とは~

法人と個人事業主は何が違う?

ここまでの解説で法人には複数の種類があることがわかったでしょう。それでは「個人事業主」と「法人」の違いはどこにあるのでしょうか。

一般的に個人事業主とは、個人事業主の開業届を出してビジネスをしている「個人」を指します。個人事業主の場合、法人のように設立に資金がは必要なく、税務署に書類を提出するだけなので、個人事業主を名乗るためにコストや手間はほとんどいりません。

「事業の相手としてどちらが優れている」というものではありませんが、「法人」の方が社会の信頼があり、取引相手として選ばれやすい傾向にあります。

参考:
個人事業主・法人の違いは?それぞれのメリット・デメリットを解説
個人事業主と法人どちらがオトク?会社設立・事業運営にかかるコストまとめ

まとめ

法人にはそれぞれ対象となる法律があり、内容によって事業活動に制約や取り決めが存在します。一部の事業活動において入札制度に沿った取引が行われる公的法人のように、法人の性質は取引条件にも関わってくるので注意しましょう。

また、各種法人に対応した法律を理解することで、自社のサービスが取引に適しているのかを把握することもできます。新規開拓先として狙いたい法人がある場合は、事業活動だけでなく関連する法規を調べてみましょう。

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