キャンペーンや商品のキャッチコピーを作成するとき、どのような視点を持ってチェックしていますか?
その際には「商品の特徴を表しているか」「わかりやすいかどうか」だけではなく、「耳に残るかどうか」という視点も大切でしょう。

耳に残るコピーを作るために役に立つテクニックとして「押韻」があります。
押韻は「韻を踏む」とも呼ばれ、俳句や詩でも掛詞として使われてきました。

今回は、押韻の基本と韻を踏んだキャッチコピーの事例をご紹介します。

押韻を使えば「セブンイレブン、いい気分」のように、発音しやすく耳に残るキャッチコピーを作ることができます。
消費者の耳に訴えかける韻の踏み方を覚えて、商品・サービスの魅力を伝えられるキャチコピーを作っていきましょう。

「押韻」とは

押韻とは「韻を踏む」や「韻を押す」とも言われ、文中の中で類似した音を用いることで音の調子を整えるテクニックを指します。

では、類似した音とはどのようなものがあるのでしょうか。
その際にわかりやすいのが「母音」と「子音」という概念です。

【母音】
母音とは、声帯の振動が口内で妨げられることなく外へと発せられる音で、日本語では「ア・イ・ウ・エ・オ」の5音が該当します。
【子音】
子音とは、声帯の振動が口内で妨げられた上で外へと発せられる音で、どのように妨げられるかにとって特徴が生まれます。

このように母音・子音にはそれぞれ異なる音の特徴があるのがわかります。

日本語は「ア・イ・ウ・エ・オ」という母音と、カ行以降の母音と子音が組み合わされた音で成り立っています。
そのため、母音が同じ音は発音の仕方が似ているので似たような音として聞こえます。

例えば、「カ(Ka)」「ナ(Na)」と発音してみてください。
ともに「ア(a)」の母音を含んでいるので、同じような口の動きになるでしょう。

このような音の類似性を利用したのが押韻です。

押韻には音を合わせる位置によって「頭韻」と「脚韻」という2つの方法があります。
それぞれの事例について見ていきましょう。

参考:
英語の母音と子音について教えてください|アルク
おういん【押韻】

頭韻

頭韻とは、語のはじめを同じ音で揃える方法です。
例えば、歌の歌詞や書籍のタイトルに使われる「桜咲く」という言葉は「サク」という音を繰り返す頭韻が使われています。

参考:
とういん【頭韻】

脚韻

脚韻とは、語の終わりを同じ音で揃える方法です。
例えばコンビニエンスストアのセブイレブンのキャッチコピーだった「セブン、イレブン、いい気分」は「ブン」という音を繰り返す脚韻と言えるでしょう。

参考:
きゃくいん【脚韻】

押韻を使ったキャッチコピー事例

では、実際に押韻を用いたキャッチコピーの事例を5つ見てみましょう。

1.玄関あけたらサトウのごはん

サトウ食品から発売されている「サトウのごはん」のキャッチコピーでは、加熱するだけで素早く簡単に食べられる商品の特徴が短いフレーズの中で表現されています。

「ゲンカン」と「ゴハン」という音が脚韻となっており、同社のCMで長年起用されてきました。

CMで何度もこのフレーズを繰り返すことで消費者にとって耳に残りやすいキャッチフレーズになっているでしょう。

参考:
サトウ食品
「玄関OPEN RICE of サトウ♪」新テレビCM 8/16より全国放映スタートを掲載|ニュースリリース

2.インテル 入ってる

半導体を中心に展開しているインテルでは、CMに「インテル 入ってる」という脚韻を用いたキャッチコピーを利用しています。

パソコン内に動くインテル製のCPUが入っていることで、高い性能を実現していることが表現されています。

英訳では「intel inside」という言葉が使われており、同社で商標登録もされています。
「intel inside」は「in」の音が繰り返されており、日本語でも英語でも韻を踏んでいるのがわかります。

参考:
[Usage Guidelines for Customers, Licensees, and Other Third Parties]
(http://www.intel.com/content/www/us/en/trademarks/intel-inside.html)

3.すぐおいしい、すごくおいしい。

世界初のインスタントラーメンとして現在も発売されているチキンラーメンには「すぐおいしい、すごくおいしい。」というキャッチコピーが使われています。

頭韻・脚韻を組み合わせつつ、お湯を注ぐだけという商品を的確に表現しています。
CMや商品パッケージで使用されており、定着しているフレーズと言えるでしょう。

参考:
チキンラーメン|日清食品

4.やめられない、とまらない

カルビー株式会社から発売されている「かっぱえびせん」では「やめられない、とまらない」というキャッチコピーが使われています。
1999年からは商品パッケージにも記載されるようになりました。

やみつきになる美味しさをシンプルな言葉で表現しているだけでなく、「ナイ」という音が脚韻になっているためリズミカルに口ずさむことができます。

参考:
[かっぱえびせんWEBサイト]
(http://www.calbee.co.jp/kappaebisen/)

まとめ

押韻には「頭韻」と「脚韻」という2つの方法があります。
それぞれかかる音の位置が異なり、独特のリズムを生んでいます。

CMや店内放送などで音をつけて呼びかけるだけでなく、ホームページやパンフレットのような文字だけの情報でも韻を踏むことでユーザーにとって読みやすくなるでしょう。
韻を踏むには、同じ音を持った言葉を探していく必要があります。

辞書やインターネットで探すだけでなく、Webでは類似の音を検索するツールも公開されています。
ツールを活用しながら、適したフレーズを考えていきましょう。

参考:
作詞支援ツール,単語データベース(韻検索/母音検索/連想表示)
韻を踏む