自社が社会から見てどのように評価されているのかは、広報担当者にとって気になるところでしょう。そのような客観的な評価が目に見えて現れるのが、企業に対する表彰です。

今回は、企業を対象にした表彰制度の中でも代表的なものを紹介します。
表彰の知名度によっては新聞やテレビなどのマスメディアに取り上げられ、多くの人の目に触れることとなるでしょう。
また、新たな取引先や就活生などはネット上で社名を検索した際に受賞歴を目にする可能性もあります。

実際に連合が行った『インターネットを使った就職活動に関する調査』によると「就職活動中に自分が興味のある企業にブラック企業など悪い噂がないかインターネットで検索した」と答えた学生は31.1%にも上りました。

無料でメディアに取り上げられる機会は貴重なだけでなく、表彰された内容によっては、企業の印象にも関わりかねません。
代表的な表彰制度を把握して、自社に関わりがあるかどうかを知っておきましょう。

参考:
世論調査|連合

行政主催の表彰制度

官庁や内閣府では、優れた商品・サービスを生み出した企業や人材活用を推進している企業に対して表彰を行っています。

官報やホームページなどに記載されるだけでなく、表彰式では総理大臣を含む現職の大臣から賞を手渡されることもあるかもしれません。
公平な立場からの表彰は、企業としての信頼性も高まるでしょう。

1.女性が輝く先進企業表彰|内閣府男女共同参画局

内閣府男女共同参画局では、女性が活躍できる職場環境の推進の中でも特に優れた取り組みを行っている企業を表彰しています。

最高賞は内閣総理大臣表彰であり、首相官邸で行われる表彰式では内閣総理大臣より賞が手渡されます。

参考:
女性が輝く先進企業表彰式|首相官邸
[女性が輝く先進企業表彰]
(http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/hyosyo.html)

2.均等・両立推進企業表彰|厚生労働省

厚生労働省では、男女ともに能力を発揮できる職場環境の推進のため、優れた取り組みを行っている企業を表彰しています。

女性の能力発揮に関する取り組みを行った企業を表彰する「均等推進企業部門」と、育児・介護と仕事の両立に関する取り組みを行っている企業を表彰する「ファミリー・フレンドリー企業部門」に分かれます。

応募企業を募り、その中から書類審査及びヒアリング審査にて決定します。
表彰基準も明確に案内されているので、自社が該当する場合は応募してみるのもいいでしょう。

参考:
「均等・両立推進企業表彰」とは

3.製品安全対策優良企業表彰|経済産業省

経済産業省では、製品安全に積極的に取り組んでいる製造事業者、輸入事業者、小売販売事業者を対象とした表彰制度を設けています。

製品自体の安全性ではなく、生産管理など企業全体で行っている取り組みに対して表彰されるのが特徴です。

応募された企業の中から選ばれ、受賞企業には「製品安全対策優良企業ロゴマーク」というロゴマークが使用できます。表彰後もホームページや名刺、封筒でもアピールが行えるのはメリットと言えるでしょう。

参考:
製品安全対策優良企業表彰

民間主催の表彰制度

業界団体や企業などでは事業に関わる企業を表彰する制度を設置しています。

特定の業務領域に特化しており、主催団体・企業からプレスリリースが打たれることでメディアに取り上げられることもあるでしょう。

5.企業価値向上表彰|東京証券取引所

東京証券取引所では経営戦略や財務戦略、株主・投資者とのコミュニケーション体制において投資者の視点を強く意識した経営を実践している上場企業を表彰しています。

日本経済新聞とのタイアップ企画であり、受賞企業は日本経済新聞にて紹介されます。

参考:
上場会社表彰制度|日本取引所グループ

6.グッドカンパニー大賞|中小企業研究センター

公益社団法人である中小企業研究センター主催の「グットカンパニー大賞」では、経営の刷新や技術開発、市場開拓において優れた成果をあげている中小企業を表彰しています。

昭和42年から実施されている歴史の長い賞で、文部科学省や各経済産業局、商工会議所などから推薦された企業から選ばれます。

参考:
中小企業研究センター

7.KAIKA Awards(旧 能力開発優秀企業賞)|日本能率協会

マネジメントに関する調査研究事業を行っている一般社団法人日本能率協会では、社会価値を生み出す持続的な経営・組織・人づくりを行っている企業に対して表彰を行っています。

1988年から実施している 能力開発優秀企業賞を引き継ぐ形で設置された賞で、長い歴史があります。
公募制であり、表彰の趣旨にあった企業であれば無料で応募できます。

参考:
KAIKA Awards

8.企業広報賞|経済広報センター

一般社団法人経済広報センターでは、「企業広報賞」として、優れた企業広報を実践している企業及び個人を表彰しています。

広報活動の実務に関わったチームや個人に対しても表彰されることが特徴で、有識者、マスコミ関係者からの他薦だけでなく、経済広報センター会員企業の広報部門からの自薦も受け付けています。

広報担当者にとって受賞を目指すだけでなく、受賞事例を見ることで自社の取り組みの参考にもなるでしょう。

参考:
企業広報賞|経済広報センター

9.MM総研大賞

情報通信分野の調査会社である株式会社MM総研では「MM総研大賞」として、優れた情報通信技術を利用した新商品・新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰しています。

新たなIoT技術や画期的なロボット開発など優れたソリューションを取り上げるだけでなく、情報通信産業で話題となった製品・サービスも「話題賞」として表彰されます。

賞により選考過程が異なり、有識者や審査委員会、インターネットアンケートなどを通じて受賞企業が選出されます。

参考:
MM総研大賞

10.ブラック企業大賞

ルポライターやジャーナリスト、弁護士などの有志によって設置された賞です。
通常、表彰は優れた取り組みに対して行われるものですが、ブラック企業大賞は労働条件や職場環境において悪い評価を得ている企業に対して行われます。

社会に対する注意喚起として行われている市民主導の表彰ですが、2016年には公共放送局であるNHKが取り上げ話題となりました。

このような賞に選ばれた場合、対外的にネガティブなイメージが発信され、大きな信頼喪失につながるでしょう。

参考:
「ブラック企業大賞」で異例!NHKニュースが報道
ブラック企業大賞

まとめ

企業に対する表彰制度は行政が主催しているもの以外にも、業界団体や一企業が行っているものもあります。
制度によっては知名度が高く、多くのマスメディアに取り上げられるものもあり、広報担当者にとっては意識したいところでしょう。

表彰制度の中では他薦だけでなく自社で応募することでエントリーできるものもあります。
自社にとって自信のある分野で表彰制度があり、自薦で応募ができる場合は戦略的に取り組んでみるのもいいでしょう。