BASEやヤフオク!、メルカリに代表されるようなCtoCサービスの台頭はBtoCのサービスを展開している事業主にとっても見逃せない存在でしょう。
なかには、CtoCサービスを活用して、販路を広げたいと考えている企業や個人事業主もいらっしゃるのではないでしょうか。
販路を広げる前に、CtoCとはどういった取引であり、どのような点に注意するべきかを把握しておく必要があります。

今回は、CtoCの取引ついてメリットや注意点、CtoCサービスの事例を紹介します。
消費税をかからずに取引ができるCtoCは、ビジネスとしても魅力的に映るかもしれません。
ぜひ、この機会に基本的なところから学んで、自分の行っているビジネスに適しているのかを見極めましょう。

CtoCとは

そもそもCtoCとはどういった取引をいうのでしょうか。
企業間取引であるBtoBや、企業と消費者の取引をさすBtoCという用語は聞いたことがあっても、CtoCの意味がわからない人もいるかもしれません。

CtoCとは「Customer to Customer」の略称であり、消費者間の取引を指します。
現実世界でも、フリーマーケットで販売している人が着古した服を購入したり、夏祭りで町内会が販売しているチョコバナナを買ったりといった消費者間の取引は行われています。

それと同様に、ネット上でもネットオークションサービスやフリマアプリなどを通じて消費者同士の取引が行われるようになりました。
こういったオンライン上で行う消費者間の取引は*「CtoC-EC」*とも呼ばれています。

参考:
[違いをはっきり説明できますか?BtoBBtoCCtoCの定義を解説]
(https://ferret-plus.com/4305)

CtoCのメリット/注意点

では、消費者間で取引を行う場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
注意点とともに学んでいきましょう。

消費者間で取引を行うメリット

消費者間の取引でもっとも大きな特徴は消費税がかからないことです。
『消費税法』第五条にて「事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等(中略)及び特定課税仕入れ(中略)につき、この法律により、消費税を納める義務がある」と納税義務者を定めています。

そのため、企業や個人事業主などの事業者及び社団などの法人は消費税の納税義務が発生します。
一方、消費者間の取引は消費税の納税義務からは除外されるため、消費税をかけずに取引が可能です。

それだけでなく取引の間に中間業者を挟まないことで安い手数料を実現できるのもメリットでしょう。

例えば、古本を中古ショップに持ち込むと、実際に販売する価格から、人件費や土地代など店側で発生する手数料や利益分を引いた価格で買い取られます。

しかし、古本を自分の友人に直接販売しようと考えたらどうでしょうか。
その際には手数料を差し引くことなく、自分の言い値での取引が可能でしょう。

参考:
[消費税法|法令データ提供システム]
(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S63/S63HO108.html)
[消費税がゼロ!ガリバーも参入した中古車CtoC売買ビジネス]
(http://diamond.jp/articles/-/80000)

消費者間取引の注意点

消費者間の取引は価格面でのメリットはありつつも、取引上の責任が免除されるわけではありません。

*「特定商取引法」や「景品表示法」など、BtoCのネットショップ同様の法律が適用されます。*また、もし売買を行うために商品の購入・販売を行った場合は「古物営業法」にも触れる可能性があります。

また、販売する側・購入する側のどちらでも取引上のトラブルに巻き込まれる場合もあるでしょう。実際に全国の消費生活センターには*「落札したはずの商品が届かない」「未使用同然と書かれていた商品なのに実際は破れほつれがあった」「商品の購入者から、商品がすぐに壊れてしまったので対応して欲しい」*などの相談が寄せられています。

販売側も購入側も個人のため、こういった取引上のトラブルが発生した際は、訴訟や補償など自分で責任を取らなくてはいけないかもしれないので注意してください。
なお、ヤフオク!の「お買いものあんしん補償」やBASEの「不正決済保証」のようにサービスの運営元によってはトラブル発生時の補償プランが用意されている場合もあります。

参考:
[Yahoo!JAPANお買いものあんしん補償]
(https://hosho.yahoo.co.jp/okaimono/)
不正決済保証
[オンラインでの個人間取引に関する相談の傾向|独立行政法人国民生活センター]
(http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/150320shiryo1.pdf)
ネットショップ運営者必見!知っておかないといけない法律7選

CtoCサービス事例

では、実際CtoCサービスにはどういった事例があるのでしょうか。
代表的な3つのサービスをご紹介します。

1,ヤフオク!

ヤフオク____日本NO.1のネットオークション、フリマアプリ.png
http://auctions.yahoo.co.jp/

ヤフオク!は、国内最大級のネットオークションサービスです。
家電やファッションだけでなく、不動産商品やギフト券など幅広いジャンルの取引が行われています。

個人として出品できるほか、*事業者であってもストアとしてオークションに出品することができます。*その際には納税義務が発生するので注意しましょう。

参考:
ヤフオク!における課税事業者の皆さまの出品形態の変更および消費税表示について(追記あり)

2.メルカリ

メルカリ_スマホでかんたん_フリマアプリ.png
https://www.mercari.com/jp/

メルカリは使い古した洋服や靴などを販売できるフリマアプリです。
2016年11時点で日米合計3500万ダウンロードを達成し、創業4期目の売上は120億円という大幅な成長を遂げました。

アプリ上で手軽に出品が可能であり、ファッション用品やインテリア用品など多岐にわたり出品されています。

参考:
日米合計で5,500万DL突破!メルカリ山田CEOのグロース論「1%の改善をどれだけ続けていけるか」
メルカリ利用規約

3.BASE

BASE__ベイス____ネットショップを無料で簡単に作成.png
https://thebase.in/

BASEは個人でありながらも手軽にネットショップを開設できるサービスです。
自分の望むコンセプトに合わせてオリジナルの商品を販売したり、特定の商品カテゴリに特化したりといった展開が可能です。

消費者間の取引ではありますが、BASEでは税抜き表示はできません。
消費税が発生していることを前提とした取引になるので注意しましょう。

参考:
[税抜き価格や、セール価格と定価を表示させたい。]
(https://help.thebase.in/hc/ja/articles/206340802-%E7%A8%8E%E6%8A%9C%E3%81%8D%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%82%84-%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%81%A8%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E3%82%92%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%9F%E3%81%84-)

まとめ

消費者間で取引を行うヤフオク!やメルカリのようなサービスは、BtoCネットショップとは異なり消費税が発生しません。ですが、個人事業主や企業が取引を行う場合、消費税が発生するので気をつけてください。

また、個人事業主や企業がCtoCサービスを利用する際に個人の会員とは異なる出品形態をとらなくてはいけない場合もあります。
CtoCサービスを利用する際は利用規約をよく読み、誤った取引を行わないよう注意しましょう。