誰も教えてくれなかったWebデザインにおける「余白」のこと
Webデザイナーにとって最も重要なミッションのひとつは、ユーザーが使いたいと思うデザインを行うことです。
その目的を達成するために欠かせないのが*「余白」*(ホワイトスペース)です。
余白を適切に取ることで、美しく、読みやすいホームページになるからです。
Webデザイナーが考えなければならないことは「足し算」よりも*「引き算」*です。
私たちの周りには印刷物からデジタルメディアまで、外にある大きなビルボード看板からオンライン広告まで、あらゆる種類の情報が詰まっています。
Webサイトやモバイルアプリにも、たっぷりと情報が詰まっています。
そうした情報量の多いホームページやアプリケーションを、パッと見て理解しやすく、読みやすくするためには、*「余白」*と上手に付き合うのが不可欠です。
しかし、実は「余白」を適切に取ることは、可読性以上の意味もたくさんあるのです。
今回は、Webデザインにおける「余白」について解説します。
実際、どのように段組をすればいいか、どのように並べればいいのか、配置やレイアウトに関しては語られることが多いですが、「余白」はそのおまけのように扱われてしまい、これまでそれほどフォーカスが当たっていなかったのではないでしょうか。
ここで改めて「余白」とは何か、なぜ重要なのか、どうすれば上手に活用できるのかを確認しましょう。
「余白」とは何か?
*「余白」とは「ホワイトスペース」(white space)あるいは「ネガティブスペース」(negative)とも呼び、「ホームページにおける空白のスペース部分」*を指します。
一般的には何も描かれていない、あるいは何も配置されていないような部分を指しますが、例えば下のホームページのように*「空間的に何もない部分」*と捉えることもできます。
「余白」という概念の歴史
「余白」の重要性は今でこそ当たり前に思えるかもしれませんが、「余白」を十分に活用してエレガントに魅せる手法を具現化したのは、1920年代にまで遡ります。
ドイツのタイポグラファー・カリグラファーのヤン・ヒチョルト(Jan Tschichold)による*「新タイポグラフィ運動」*(Die neue Typographie)です。
エディトリアルデザインにおけるモダニズムの始まりとも言えるこの運動で推進された原則には、例えば次のようなものがあります。
・中央揃え以外のアンバランスなデザインへの挑戦
・ヒエラルキーによるコンテンツデザイン
・意図的に余白を活用する
・サンセリフフォント(ドイツ語では「グロテスク」と言います)だけを使う
この頃から「余白」を操作するという考え方が生まれたようです。
また、1930年代にはアメリカのタイポグラファービートリス・ヴァルデ(Beatrice Warde)が、「クリスタルゴブレット」(ゴブレットとは足つきのワイングラスのこと)というエッセイの中で「余白」に関する初期の概念について書いています。
あなたの前に、2つのゴブレットが置かれています。
ひとつは非常に素晴らしい模様で鋳造した金で出来ています。
そしてもう一つはクリスタル製の透明なグラスで、泡のように薄く、透明です。
注いで飲んでみてください。
あなたがどちらのゴブレットを選ぶかによって、あなたがワイン通であるかが分かってしまいます。
ヴェルデはクリスタルのゴブレットを選べば、ワインのことをよく分かっていると述べています。
美しいものは隠さないであらわにしておくことが重要だと考えているからです。
もちろんこれはエディトリアルデザインやタイポグラフィにおける「余白」についての隠喩です。
余白の美しさについて理解しているのであれば、あえて余白を埋める必要はない、ということを示唆しています。
「余白」の役割について考えてみよう
歴史を紐解いてみると、余白に関する考え方がよく理解できるかと思います。
さらに話を進めて、「余白」が持つ役割について考えてみることにしましょう。
1. Webサイトがスキャニングしやすくなる
空白のスペースをバランスよく配置することで、Webサイト全体をスキャニングしやすくなります。
ユーザーは欲しい情報だけを最短の時間で求めているので、ざっと全体に目を通して、必要なコンテンツを探します。
余白によって必要なコンテンツのかたまりを見つけやすくなれば、余白は十分に機能していると言えます。
2. 可読性を改善する
文字と文字の間、行と行の間の距離を適切に取ることができれば、読みやすさは改善されます。
ユーザーはできるだけ早く、できるだけ苦労なくコンテンツを読みたがっているので、読みやすさは非常に重要です。
3. 全体がシンプルにまとまる
余白を十分に取ると、印象もすっかり変わってしまいます。
さらに余白をとって、不要な要素は取り除くことで、全体がすっきりとシンプルにまとまった印象を与えることができます。
もしホームページにポップアップやバナー、不必要なアニメーションがあれば、思い切って取り除いてみるのも一つの方法です。
「余白」の種類
一口に「余白」と言っても、余白にもいくつかの種類があります。
余白を活用したデザインを実践しやすいように、「余白」の種類についても触れてみることにしましょう。
1. マクロスペース (Macro space)
マクロスペースとは、2つ以上の要素間をとりまく、大きなスペースのことを言います。
マクロスペースを操作することで、ヒエラルキー(要素間の重要度の順番)が生まれ、ホームページのデザインに流れが生まれます。
2. マイクロスペース (Micro space)
マイクロスペースとは要素間における小さな余白で、主に文字間や行間、マージンやパディングなどを指します。
マイクロスペースを上手に取ることで、デザインにリズムが生まれ、ユーザーが情報に目を通す時に息継ぎがしやすくなります。
3. アクティブスペース (Active space)
余白を取ることでオブジェクトに注目を集める、そんな余白のことです。
アクティブスペースを活用すると、目立たせたいオブジェクトの認知性を高めることができます。
4. パッシブスペース (Passive Space)
パッシブスペースは要素間の小さなスペースのことで、発見しやすいナビゲーションを設計したり、可読性をあげるために用いられます。
「余白」を活用してデザインしよう
最後に、いくつかのホームページを覗きながら、「余白」の効果的な使い方を見ていきましょう。
FELLISSIMO 500色の色えんぴつ
http://www.felissimo.co.jp/500/
メイドインジャパン、職人の手で作られた500色の色えんぴつを紹介、購入できるホームページです。
色鉛筆同士の空間によって非常にバランスが整っているように見え、若干グレーがかかっている背景に鉛筆が浮いているようにも見えます。
A-net Inc.
ZuccaやNe-netなどを展開しているA-netのトップページでは、左右非対称にモデルの写真を並べて、ブランドごとのファッションをアピールしています。
Cedrick Lachot
パリのモーションデザイナーCedrick Lachotさんのポートフォリオサイトです。
「余白」というと白を想像しがちですが、このように「黒い部分」が余白の役割をしています。
まとめ
以上、*Webデザインにおける「余白」*に関するあらゆることをまとめてみました。
もしかしたら余白を大きく取ることに慣れていないと、最初は空白部分に違和感を覚えるかもしれません。
しかし、思い切って余白をとってみると、読みやすくなるだけでなく、全体的にすっきりとしたデザインになるでしょう。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- レイアウト
- レイアウトとは、もともと「配置」や「配列」を指す語です。ここでは、「ホームページレイアウト(ウェブレイアウト)」と呼ばれる、ホームページにおけるレイアウトについて説明します。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- コンテンツ
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- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- ポップアップ
- ホームページにおいてポップアップとは、現在見ているホームページの上に、重なるような状態で、新たな画面が開き、その最前面面に表示されることを言います。より目立つ、注目を集めることが出来る反面、見ている画面を遮るように表示されるので、不快に受け取られる傾向があります。
- バナー
- バナーとは、ホームページ上で他のホームページを紹介する役割を持つ画像ファイルです。画像にリンクを貼り、クリックするとジャンプできるような仕組みになっています。画像サイズの規定はありませんが、88×31ピクセルや234×60ピクセルが一般的です。また、静止画像だけでなく、アニメーションを用いたバナーもあります。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- ナビゲーション
- ナビゲーションとは、もともと「目的地までの経路」や「道順案内」を意味する英単語です。しかし、インターネットの分野では、ホームページにある主要コンテンツをまとめたリンクを指します。これがあることで、ユーザーは目的のページがどこにあるかを短時間で見つけることができます。また、検索エンジンのクローラー(検索ロボット)に対して、効率的にサイト内を巡回させるという効果もあります。 ナビゲーションには「グローバルナビゲーション」と「ローカルナビゲーション」の二つがあります。
- ページ
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