3.提供できない商品・サービスは表示しない

実際には提供できない商品・サービスを表示している広告を*「おとり広告」*と言い、景品表示法第5条第3号で禁じられています。

(1)取引の申出に係る商品・サービスについて、取引を行うための準備がなされていない場合のその商品・サービスについての表示
(2)取引の申出に係る商品・サービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
(3)取引の申出に係る商品・サービスの供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たりの供給量が限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
(4)取引の申出に係る商品・サービスについて、合理的理由がないのに取引の成立を妨げる行為が行われる場合その他実際には取引する意思がない場合のその商品・サービスについての表示

上記の4つのいずれかにあてはまるものが「おとり広告」として、処分されます。

例えば、店舗のオープニングキャンペーンで「来場者全員にトートバックをプレゼント」としながら、実際は100個しか用意しておらず、全員に配れる量には達していなかった場合などが挙げられるでしょう。

参考:
おとり広告に関する表示|消費者庁

4.二種類の価格を利用した、消費者に誤認を与える表記は行わない

「メーカー希望小売価格」に「◯◯ネットショップ限定価格」を併記するなど、2種類の価格を表記すること二重価格表示といい、それ自体は規制されていません。
ですが、この時、2つの価格表記を意図的に操作することにより、実際の値引き額よりも安く見せるといった行為は禁じられています。

具体的に行政処分が下った例としては、靴販売店が自社ブランドの靴に対して実際の販売価格を上回る「メーカー希望小売価格」を表記し、希望小売価格より値引きして販売しているように見せた事例などが挙げられるでしょう。

こういった二重価格表記は、優良誤認や有利誤認につながります。「元値に対して◯%オフ」といった表記を行う際は、意図的な価格操作を行わないようにしましょう。

参考:
二重価格表示
エービーシー・マート処分 靴価格不当表示で消費者庁|産経ニュース

まとめ

景品表示法では、優良誤認や有利誤認といった実際の商品・サービスの性能や取引条件とは異なる表示を行うことを禁じています。
他社と比較する場合は客観的な調査に基づいている必要があるだけでなく、どのような内容の情報をもとにした表記かを明らかにしましょう。

また、実際は提供する予定のない商品・サービスをうたう「おとり広告」も禁止されています。例えば、不動産で実際は売買予定のない物件を掲載したり、ネットショップで在庫のない商品を表示し続けたりといったことはおとり広告にあたるでしょう。

こういった表示に共通しているのは、どれも消費者に誤解を与える表記だということです。
たとえ違法でなくても、自社のキャッチコピーは消費者を騙す内容になっていないかを常に意識してキャッチコピーを作成するようにしましょう。