スマホ新プランの効果はいかに?アンケート調査結果でみえてくる本当のニーズと顧客戦略
2020年12月にNTTドコモが「ahamo」を発表。続きauが「povo」、ソフトバンクが「LINEMO」という新ブランドで料金プランを発表し、楽天モバイルも「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表しています。
スマホの新プラン発表は、どのような効果があったのでしょうか。ユーザーの動向を計るには、アンケート調査やネット上での行動ログデータを分析することで求められます。
ここでは、携帯電話各社が発表した新プランへのユーザーの反応や行動結果を紹介します。アンケート調査結果からみえてくるユーザーの意識を読み取りましょう。
目次
- スマホ新プラン後の動向調査でわかる本当のニーズ
- ログ分析から分かるユーザー心理
- 携帯電話会社の現状【アンケート結果】
- アンケート調査からみえる顧客施策
- 潜在ユーザーを喚起する新プラン。魅力あるアプローチを
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スマホ新プラン後の動向調査でわかる本当のニーズ
アンケート調査では、新料金プランの発表後、携帯キャリアや料金プランの見直しが世の中でどのくらい行われたのか実態を明らかにし、人気の携帯電話会社や、ユーザーの検討プロセスについて知ることができます。
こうした調査結果からは、ユーザーの本当にニーズや、とるべき顧客戦略の方向性を掴み取ることができます。
検索結果が教える新プランの認知度
各社が満を持して発表した新プランですが、実際ユーザー間ではどれほどの認知度があったのでしょうか。
プラン認知率、検討対象、そして最候補となったもの、すべてでトップはドコモのahamoで83.4%でした。現状ドコモユーザーの中で見てもその割合は高く、半数以上の人が乗り換えを検討しています。ドコモユーザーの囲い込みができていることが窺えます。
認知度に対して検討あるいは最候補となる割合も算出されています。楽天モバイルは認知度に対して検討にいたる割合は49.4%、最候補となった割合は31.4%と、全体のトップとなっています。
一方、ソフトバンクの新ブランド・LINEMOは認知度は72.3%で全体の3番目と高いですが、認知度に対して検討にいたる割合は18.7%、あるいは最候補となる割合が7.5%と低くなっています。
新プランに乗り換えた人・乗り換えない人の理由
ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアで見ると、新プランに乗り換えた人・乗り換えなかった人の違いは、「既存のサービスの継続の有無」「乗り換え作業をするかどうか」という動機に集約されるようです。
乗り換えない人の理由を見てみると、次のような結果が出ています。
ドコモ、auユーザーの乗り換えない理由の1位は「キャリアメールが使えなくなるから」で、いずれも40%以上という多くのユーザーが既存のキャリアメール利用を希望していることが分かります。一方ソフトバンクでは「(乗り換え自体が)面倒くさい」という理由を挙げているユーザーが38%超となっており、次いでキャリアメールの利用不可が34%と、1位の理由と近似値を示しています。ドコモ、auでも「面倒くさい」ことが2位となっています。
キャリアメールや乗り換えの面倒くささにこだわらず、新プランの内容や利便性に魅力を感じたユーザーが乗り換え行動に移ったことが分かります。
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新プランはどのように検討決定されるのか
各携帯電話会社が発表した新プランで、実際に検討のきっかけになったポイントについて見ていきましょう。
検討の選定理由はキャリアごとに異なる
選定の理由を見てみると、キャリアごとに多少違うことが分かります。
特にahamoは「信頼できる会社だから」、Rakuten UN-LIMITVIは「他の通信会社よりも安いと思うから」 「ポイントが貯まりやすそうだから」が特徴的に高いことが分かります。一般的に認識されているブランド力や広告の成果が反映されているといえるでしょう。
新プランに乗り換えた人の検討きっかけの1位、2位が、いずれのプランも「通信費の見直しをしているから」「通信費に不満があるから」という理由となっています。料金に関する不満が根強くあり、それが大きな動機になったことが分かります。
検討のきっかけには、まずは料金問題、そして検討先の選定として「どこがより安いか」を始め「自分に合ったプランか」「ポイントが使えるか」といった、利便性を重視した検討プロセスがあるようです。
ログ分析から分かるユーザー心理
インターネット行動ログデータから、新プラン検討ユーザーの行動分析を行いました。ネットでの検索結果から、ユーザーの心理を読み取ることができます。
検索と乗り換えの状況
新プラン発表のあった2020年3月に、ahamo、povo、LINEMOの3つのプラン全てで検索ボリュームは大きく出ており、povo2.0の発表があった9月には、povoの検索ボリュームが増えています。公式サイトへの来訪状況も、検索数と同じような動きが確認できます。
多くのユーザーが興味を持って新プラン検索を行っていました。料金見直しなどもともと乗り換え動機を持っていた潜在ユーザーを中心に、いまより良いサービスだったら検討したいという心理が伺えます。逆をいえば、現状のサービスで少なからず不満を持つユーザーが多かったということも読み取ることができます。
乗り換えた人・乗り換えなかった人の行動の違い
新プラン公式サイトへの流入数と、乗り換えた人・乗り換えなかった人の公式サイト訪問実績を分析すると、実際に乗り換えた人のほうが公式サイトを訪れており、乗り換えていない人はそもそも公式サイトを訪れていないことが分かります。
新プランの内容には興味があって検索したが、選定検討に移行した場合はより深掘りするために公式サイトへの訪問に至ることが分かります。自分には合わないと判断した場合、それ以上の深掘りはしないユーザー心理が読み取れます。
公式サイトに接触したユーザー行動結果については、PDF資料をご覧ください。乗り換え有無、乗り換えプラン別に検証できます。
携帯電話会社の現状【アンケート結果】
3大キャリアを始め、Yモバイル、UQモバイルなど各携帯電話会社に関する状況をアンケート結果から分析します。
1.市場規模
自社で通信設備を保有する通信事業者(MNO)である、ドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天モバイルユーザーが全体の73.8%を占めます。2021年3月時から半年間では、MVNO(格安プラン通信業者)が1.9ポイント減少し、YモバイルやUQモバイルといったサブブランドが1.7.ポイント伸長しています。
2.満足度
各携帯電話会社はそれぞれ特徴があり、ユーザーの満足度もそうした特徴ごとに満足度も高い結果となっています。3大キャリアは通信の繋がりやすさに満足している層が50%以上であり、サブブランドや楽天モバイルは月額費用の安さに満足度が高く60%以上を占めます。MVNOは月額費用に加え、プランの分かりやすさに共感が集まり多くの場合70%以上の満足度を得ています。中でも、IIJmio、mineoの総合満足度が高いのが特徴的です。
3.携帯電話会社乗り換えの実態と見通し
3大キャリアユーザーのうち、新プランに乗り換えた割合が最も多いのはドコモで、10.1%のユーザーがahamoに乗り換えています。72.6%の人が検討段階でahamoに関心を示しています。楽天モバイルの場合、メディア露出の高さが奏功し、他社からの乗り換えが89.3%と、新規顧客の大幅獲得に成功しています。
現状では、3大キャリアが占める割合が大きく減り、サブブランド、MVNO、楽天モバイルの割合が増えています。今後の見通しとして、楽天モバイルとUQmobileの割合が増え、3大キャリア、MVNOの割合が減少する可能性があります。
アンケート調査からみえる顧客施策
携帯電話新プラン乗り換えアンケート調査から、さらなる顧客獲得のためのアイデアが見えてきます。
大手キャリアが顧客を増やすには
自社ユーザーの新プラン乗り換えには一定数成功しているが、他社からの流入度が高くない結果となりました。自社の囲い込み施策を進める一方、他社からの顧客獲得を推進する必要があるでしょう。
新プランの認知度は、発表直後は検討も進んでいたが、時間が経過するうちに落ち着いてきてしまっている傾向があります。楽天モバイルはメディアへの露出展開が長期となり、乗り換え潜在ユーザーの興味を喚起しているため、認知検討が保たれています。
MVNOがシェアを伸ばす施策
総合満足度が高いのは、IIJmioとmineoという結果となりました、実際にIIJmioは利用者が増えてきています。MVNO利用者の傾向として、自分の希望にあったプランがあれば、積極的に乗り換え検討をします。リーズナブルな月額費用とプランの分かりやすさを魅力的に思ってもらえるよう、乗り換え潜在層にアプローチすると良さそうです。
ユーザーの本当のニーズを読み取る分析力が重要
アンケート調査は、統計上の数値を拾うだけではなく、答えの奥にある本当のニーズ・要望を読み取ることが大変重要です。顧客のニーズは最大の施策ソースであり、よりよいサービスに転嫁するためのアイデアです。調査結果から潜在ユーザーの心理を分析し、施策に生かしていきましょう。
潜在ユーザーを喚起する新プラン。魅力あるアプローチを
各社のスマホ新プラン発表は、そもそもプラン見直しや乗り換えを考えていたユーザーの検討動機を喚起しました。アンケート結果から、月額費用を抑えた新プランを中心に検討されており、楽天のように長くメディア露出を試みた場合は検討者の減速は低くなっています。メディア戦略、魅力あるプランのアプローチで、一定の潜在ユーザーの乗り換え検討の底上げには成功しています。
こうしたデータ分析は、ターゲティングのほか新規商品・サービスなどの開発にも有効です。マーケティングでは市場調査は不可欠であり、従来のアンケート調査に加え、WEBのアクセス解析を取り入れるなど多角的な調査方法を取り入れましょう。調査やデータ分析などは、専門的に行っているプロに依頼すると的確な情報を得ることができるため効果的です。
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- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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