ロゴのタイポグラフィを大幅に変えてリブランディング(ブランドの再構築化)を図るWebサイトが多く存在します。

例えば、4月にはHuffington PostHuffPost(日本版)としてリニューアルした際、ロゴも含めた大幅なリブランディングを実施しましたが、セリフ体の細めのロゴからサンセリフ体の太めのロゴにするなど、大きな方向転換を行っています。

また、5月にはYouTube TVがリリースされましたが、従来のYouTubeのホームページとは違って「違和感」を感じた人も多いのではないでしょうか。
これも、従来のYouTubeで使われているフォントではないものを使うことによって、リブランディングを図っている典型的な例と言えます。

今回は、さまざまな企業のロゴに見るフォントとブランドの関係について考察します。
3年以上同じロゴを使ってホームページやサービスを運営している方は、ぜひロゴのリブランディングを検討してみてはいかがでしょうか。

「ロゴ」ってなんだろう? ─ HuffPostの事例から

米Huffington Postは、2005年にリベラル系のオンラインメディアとして登場しました。
昨年8月に設立者のアリアナ・ハフィントンが前線を退いたことで、名称も「Huffington Post」からそれまでの愛称だった「HuffPost」(ハフポスト)に一新されました。

従来のHuffington Postのロゴと、新しいHuffPostのロゴを並べてみましょう。

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従来のHuffington Postのロゴはいわゆる「非ロゴ」(Non-logos)とも言えるものでした。
セリフ書体にブランドカラーのグリーンをセットしているロゴだったのです。

リニューアルするにあたり、アメリカ・ニューヨークを拠点に構えるクリエイティブエージェンシーWork-Orderと協力し、ブランドのリデザインを行うことになりました。

フォントのタイプフェイスには Nationalと呼ばれるフォントマニア御用達の新しいタイプフェイスを採用し、太字で斜体のフォントとブランドカラーである明るめのグリーンを使用しています。

斜めに傾いた台形を縦にしたような図形は、2つ合わせるとHuffPostの「H」の字を表しており、マイクロインタラクションでも効果的な役割を担っています。

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▲ 「H」から開くタイプのロゴ (Source: Brand New)

▲ 「H」から開くタイプの動画 (Source: [Brand New]( http://www.underconsideration.com/brandnew/archives/new_logo_for_huffpost_by_work_order.php))

今回のロゴデザインのリブランディングには、どのような意味があるのでしょうか。

ハネ付きのセリフ書体には、誠実で真面目な印象があるのと、旧来型の信頼できるメディア、例えばWasington Postのような印象とも合わせたいという思いで名前もロゴも似せたと、HuffPostのプロダクトリーダーであるジュリア・バイゼル氏はPoynterのインタビューの中で説明しています。