65歳以上の高齢者人口は2016年に3400万人を越え、総人口の27%を占めるまでとなっています。高齢者向けのビジネスを展開している企業でなくても、高齢者の増加を感じている方は多いでしょう。
高齢者の人口は1950年から増加し続けており、商品やサービスによっては大きなビジネスチャンスとなり得るでしょう。

今回は、65歳以上の高齢者におけるインターネットの利用状況を解説します。
総務省が2016年1月から2月にかけて行った「通信利用動向調査」では、60歳から69歳までの人のネット利用率は76.6%という高い数値となりました。

このような高齢者は今後も増加するという予測が出ており、2040年には総人口の36.1%が65歳以上の高齢者になるとされており、ビジネスでも決して見逃せる状況ではありません。

ぜひこの機会に高齢者のネット利用に関する最新情報を知り、自社のチャンスになり得るかどうか判断できるようになりましょう。

参考
[通信利用動向調査|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html)
高齢者人口は3384万人、総人口に占める割合は26.7%と共に過去最高80歳以上人口が初めて1000万人を超える|総務省
高齢者の人口|総務省

高齢者の人口

高齢者のネット利用について考える前に、前提となる高齢者全体の人口について説明しましょう。
日本国内で高齢者として定義づけられている65歳以上の人口は、2016年度は34,59万人となり、およそ30年前の1985年1247万人と比べ3倍近い増加を遂げました。

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出典:統計ダッシュボード

上記のグラフで、青い棒線は総人口、紫の棒線は65歳以上の人口を示しています。1985年から2016年までに徐々に高齢者が増えているのがわかるでしょう。
また、赤い線は総人口に対する65歳以上の人の割合を示しています。2016年時点で総人口のうち27.25%ものが高齢者となっており、国内市場において大きな規模を持った層であることがわかります。

そのため、日本国内でビジネスを展開する際に高齢者は決して無視できる存在ではありません。企業の展開するサービスや商品、事業戦略によっては、より深く高齢者の需要を知る必要があるものもあるでしょう。

参考:
[高齢者の人口|総務省]
(http://www.stat.go.jp/data/topics/topi971.htm)

インターネット利用率

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引用:平成27年通信利用動向調査|総務省 

上記のグラフは2016年に実施した総務省『通信利用動向調査』の結果を表したものです。
1年間に1回でもインターネットを利用したことがある人を年代ごとにまとめています。

グラフからわかる通り、60歳〜69歳では76.6%、70歳〜79歳では53.5%もの人がネットを利用しているのがわかります。
特に70代では、2012年以降毎年利用率は上昇しており、高齢者の利用が増加しているのが目立ちます。

利用頻度

では、ネットを利用している人はどの程度頻繁にネットに触れているのでしょうか。

スクリーンショット_2017-06-01_14.58.31.png引用:平成27年通信利用動向調査|総務省 

『通信利用動向調査』では、60歳〜69歳の場合57.3%、70歳〜79歳でも48.0%のが毎日少なくとも1回はネットを利用していることがわかりました。

また、80歳以上でも44.3%と高い数値を出しており、ネットを利用している人のうち半数近い人はアクティブに利用していることが見えてくるでしょう。

利用端末

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引用:平成27年通信利用動向調査|総務省 

上記は年代別に保有しているインターネット機器をグラフにしたものです。
60歳〜69歳ではパソコンの保有率は 53.2%となっているだけでなく、スマートフォンの保有率も28.4%となり、およそ4人に1人がスマートフォンを使用していることがわかりました。

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引用:シニアの生活意識調査2016|ソニー生命保険株式会社

また、ソニー生命保険株式会社が2016年10月に行ったネットアンケートでは、50歳~79歳の回答者のうちスマートフォンを利用している人は56.9%にものぼっています。
『通信利用動向調査』でも50歳〜59歳までのスマートフォン利用率は 56.9%という高い数値となっており、シニア世代にもスマートフォンの利用が広がっているのがわかるでしょう。

インターネットの利用目的

では、高齢者はどういった利用用途でネットを活用しているのでしょうか。

スクリーンショット_2017-06-01_15.38.55.png引用:平成27年通信利用動向調査|総務省 

60歳以上のネット利用者でもっとも多かった利用用途は「電子メール」次いで「地図・交通情報サービス」「天気予報」となりました。
また、4番目に多い「商品・サービスの購入・取引」は全体の40%を超えています。

同調査ではこういったネットショップで購入した商品として多い順に「日用雑貨(食料品、衣料品など)」「趣味関連品(楽器、アクセサリーなど)」「各種チケット(旅館、交通サービス)」が挙げられています。

SNSの利用状況

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引用:平成27年通信利用動向調査|総務省 

10代〜30代までほどではありませんが、高齢者のなかにはSNSを利用している人も一定の割合存在します。
ネット利用者のうち60歳〜69歳の場合22.5%、80歳以上でも21.7%という高い割合でSNSを利用しています。

また、SNSを利用してる高齢者のうち「従来からの友人とのコミュニケーションのため」に利用している人が一番多い結果となりました。
「災害発生時の情報収集・発信のため」と答えた人が他の年代に比べて多かったのも特徴的でしょう。

まとめ

高齢者のネット利用は進み、2016年には65歳以上の人のネット利用率は76.6%となりました。また、70歳から79歳までは53.5%、80歳以上でも20.2%の人がネットを利用しており高齢者であってもネットに与える影響が大きいことがわかるでしょう、

ネットを利用している高齢者が増えている一方、ネットを利用していない・利用できない高齢者との情報格差も問題になっています。ネットの知識が十分ないことで、ネットを利用した犯罪に巻き込まれてしまう件数が増えていることも認識しておきたいところでしょう。

高齢者のネット利用が拡大することはWebに関わる企業にとってビジネスチャンスにもなりえます。
あらためて自社のホームページを利用しているユーザーの年齢層やネットリテラシーの程度を調査・分析し、現状に合わせたホームページのリニューアルを行うのもいいでしょう。

参考:
[「高齢者のICT利活用の課題と対策2016」 拡がり続ける情報格差|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000458086.pdf)